「それで、お仕事は何されてるんですか?」

ドイツで活躍する作曲家、モーリッツ・エッゲルト(Moritz Eggert)が2014年に書いた記事。今日ふと目にとまったので、ざっくばらんな意訳、そして抜粋ですが、載せてみます。

よくこう聞かれるんですよね…「それで、お仕事としては何されてるんですか?」って。

もしくは、非商業的な音楽を書いて生きていけるんですか?ってね。

そうなんだよね・・・とは言え、恐らく少なくとも理論的にはドイツって、この「現代音楽」を書いて生きていける、極々少数の国だと思うんですよ。まぁ、それは委嘱とか、奨学金、コンクールでの賞金、教育活動なんかも含めてね。

ドイツって毎年大体200人くらい作曲の学生が卒業していくわけでね、その中で恐らくマックス一人とか二人でしょ、生きていけるのって。

現代音楽の創作だけで暮らしていける国ってそうは多くないよね。フランス、オーストリア、フィンランド、デンマーク、スウェーデン、ノルウェー、スイス、オランダとか?イギリス、ベルギー、スペイン、イタリアとかはもう無理っぽくないですか。

東欧、中国/アジア/オーストラリア/ニュージーランドも無理でしょ。国としては豊かだけど、クラシック音楽が牛耳ってる。アフリカ?南米?北米?全部難しい。(中略)

例えばね、1980年は大きめな室内楽作品で、3000DMもらえたわけです。今は1500ユーロも行くか行かないか。しかも物価も変わってる。昔は3000DMでも三か月くらいゆうに暮らせたわけ。今は1500ユーロで一か月持つか持たないかでしょ。

だからね、今って昔の⅓で働かされてるわけ。

作曲家 Moritz Eggert

 原文はこちらをご覧ください(ドイツ語)。(出典元:badblog

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「作曲ってお仕事なの?趣味?成り立つの?」「委嘱料ってなに?どのくらい高いの?」そんな疑問の数々。これって日本じゃなくて、世界共通なんですね。

一年前に委嘱料について、ドイツで活動するロシア人作曲家夫婦に聞いた時に、「あぁ、それだったらドイツで出してる公式の委嘱料表があるよ」って教えてもらったんです。なかなか実際の値段とは離れている部分もありますが、参考にこちらにこそっと置いておきます。ドイツの作曲家協議会と訳せるかな?Deutscher Komponistenverbandが2017年に公式に出したものです。
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