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キャシー・バーべリアンのストリプソディを読む②

さっきょく塾では、これまで「言葉と音楽」をテーマにゲスト作曲家のみなさんからお話を伺ってきました。今期最後は、「言葉と音楽の実践」ということで、声と言葉の専門家、声楽家の薬師寺典子さんと俳優の中川佐織さんをゲストにお迎えし、キャシー・バーべリアンの「ストリプソディ」を深めていきます。この記事では、2021年2月8日に行われた「薬師寺さんとStripsodyを勉強する会」から、この作品を演奏するにあたって考えるべき点や解釈の仕方についてお二人に語って頂いた内容をまとめます。作品の概要については、「キャシー・バーべリアンのストリプソディを読む①」からご覧ください。

楽譜に書かれていること・いないこと

(わたなべゆきこ、以下わたなべ)このキャシー自身の実演動画を見ると、とても特徴的ですよね。楽譜に書かれていないこともやっているし。もともとこの作品が、パフォーマンスありきで、その後スコアが作られたとすると、楽譜を優先するべきか、それともこのキャシー自身の実演動画を参考にすべきか、結構悩むべきところだと思うんですけれども。

(薬師寺典子、以下薬師寺)楽譜の注意書きを読むと、「基本的に演奏者はラジオマンでなければならない」と書かれているんですね。つまり、「動作は後からついてくるものでなければならない」ということなんです。奏者として「音を前面に出す」べきであって、キャラクターや動作はそこに不随するものだと。

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