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母のことと子ども時代のこと

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夭逝した母にまつわる思い出とか、自分の子どもの頃のこととか。
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#年賀状

『千の風になって』に重ねる母の気配

この週末に年賀状を書き終わった。もう随分前から、友だちとの年始の挨拶はSNSで済ますことが多くなった。年賀状を出すのは主に、マクラメ教室の生徒さんと、夫と私の両親と、母の生前の知人宛である。 年賀状を書く時は、既に受け取った喪中はがきに気をつける。 少し前まで友人からは祖父母が亡くなった報せが多かったが、ここ数年で親を亡くしたという喪中はがきが多くなってきた。 ある時そのことを父に話したら、「お父さんの年代になると、配偶者を亡くした人が増えてくるよ」と言われた。 当た

H先生に会える機会は逃したくない

『4日は京都、5日は奈良に行く予定です。ご都合よければ、お昼でも。』 って!年賀状に書かれてもさ、その日は仕事だよ。先生ってば!! と、年賀状に向かって毒づく。 小学5~6年の時の担任H先生は、干支でいえばちょうど一回り差の若い先生だ。時々怖い先生、でもどちらかと言うと楽しい兄貴分。 その頃は、これから始まる暗黒時代のプロローグ期だった。母はそれより数年前から闘病していたが、小5になってすぐの春休み、母から、白血病であること、長くは生きられないことを聞かされた。 母