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自分が嫌いだった自分が23歳上の男性と知り合って2か月で入籍をした

先日入籍しました。
知り合ってから2か月での入籍。いわゆる「スピード婚」というやつです。
が、当の本人たちは「3年くらい一緒にいる感じだよね」「濃密な時間を過ごしているよね」と、世間が定義するような単語はどうもピンと来ていないようです。


いつぞやの記事にも書きましたが、私たちはスピード婚でもあればいわゆる「年の差婚」でもあります。
私は現在37歳、夫は現在60歳。私の誕生日が来たら1歳縮みますが、今は23歳差の夫婦です。


そしてもっと深掘りするなら、私は富山で生まれ育った人間で、夫は横浜在住の人間だったので、元はというなら遠距離恋愛でした。
今は富山を離れ、横浜で夫婦2人暮らしをしています。


という、私たちの前提はこんな感じで。

なんっていうんでしょう、私が結婚できるなんて夢にも思っていませんでした。
かつ、幸せや愛に満ちた、愛し愛される日々がやって来るなんて思っていませんでした。


全ての恋愛がそうだった、というわけではないような気がしますが、私の今までの恋愛遍歴をさかのぼっていくと、DVめいたことを受けたり、モラハラめいたことを受けたり、そうでなくても自分自身を嫌いになるような恋愛をしていた傾向が強かったです。

「どうせ私なんて」「私なんて愛されるわけがない」「ごめんなさい」「怒らないで」こういったことが口癖で、なんなら脳内でも呟くような日々で、相手を愛するどころか自分のことをズブズブと嫌いになっていっていたような感じです。


加えて私は精神と発達の障害者で、一般的にキラキラぴちぴちしていると想像されるであろう20代を、自宅と精神科病棟の往復で過ごしました。

10代後半も学校に行けていなかったので、そもそものなんらかの基礎から「社会に噛む」ということが欠けていた私は、彼氏がいるとか結婚するなんていう世界にはかすってすらいなかったのです。


30代に入り、6年同棲していた彼氏がいましたが(noteの初期の方に書いているはずです)、私は6年間結婚してして攻撃をしてきては無視され、そして同棲6年目にようやくはっきりと「あなたと結婚するつもりはない」と言われたような女でした。

当時の彼氏には申し訳ない言い方をしますが、本当に本当に「私なんて人としても女としても魅力や価値なんてなくて、結婚なんてできるわけがない」と日々思っていました。自分が嫌いで、何度も自分で自分を物理的にも精神的にも傷付けたものです。


それが、今です。今は本当に夫から愛されているし、「愛されているな」と実感して幸せな日々を送っているし、私も夫を心の底から愛しています。

結婚が全ての正解だとは思いませんが、私にとって「結婚することができた」というのはひとつの愛の象徴だったようです。
無論、一時の愛ではなく、一生、いつまでも夫を愛していくつもりだし、それほどまでに愛おしい男性です。


人生って本当なにが起こるか分からないなぁと、この入籍で思いました。

この2か月でもいろんなことが起こり、夫と笑い合い涙も流し合いましたが、それよりちょっと前の今年2024年の冒頭あたりは1人暮らしを死んだように続けており、なんだったら「この先生きていても淋しくて誰も家にいなくて、こんな辛い生活が続くんだったら死んだ方がいいな」というようなことを思っていた記憶があるし、そんな私だったから病院側からは入院やグループホームを勧められていました。

なんだったら今年の元日なんて大きい地震があったわけですから、しばらくはそういうこともあってメンタルがとても不安定だったことを覚えています。

誰も私を愛してはくれないし、家の中には誰もいないし、寝ても起きても1人。食事も胃に詰める作業と化し、生活や生きることが雑になっていっていたものです。


それから数か月経ったあとに、夫とはネットで知り合うわけですが、お互いの住んでいるところや年齢を知ったとき、知ったあとの気持ちの整理のつけかたというフェーズを過ぎたら、あとに待っているものは「幸せ」や「愛」という言葉では例えきれないような、大きくて温かい、安心できるものでした。
私の親も最初は夫の年齢に対し驚き戸惑っていましたが、今では夫と仲良しです。


入籍をした日はちょうど酷い雨降りで、傘をさして区役所に向かい、たくさんの手続きに頭がフリーズしかけていました。
「奥様」と呼ばれるのもくすぐったかったし、新しい姓で呼ばれることもなんだか変な感じでした。
「私はもう旧姓ではないんだな」ということは分かっているのですが、新しい姓で呼ばれることも新しい姓を見ることも、それを名乗ることも書くことも、くすぐったくて変な感じで、でもちょっとだけ胸が躍りました。


今までの経歴がこんな感じだったので、未だにどこか「自分が結婚した」という事実が信じられないのですが、嬉しい「信じられないこと」なのでよしとします。
まぁでもあれです、夫も60ですし、私も言う程健康というわけでもないので、2人して体に気を付けて元気に長生きできたらいいなぁと思っています。


夫はよく「結婚はゴールではないんだよ」と言います。
私も夫の言いたいことがよく分かります。
恋愛という観点から見たら「ゴール」かもしれませんが、まだ結婚したての身ながら「結婚は、人生や日々の生活の中に置かれた旗」のようなものに今は思えています。

流れていく毎日の中に置かれた記念。目印。
そんな、流れていく毎日の中でふと、その旗のことを思い出せばいいんだろうなぁと思っています。
結婚したとか、そこでなにかがかちっと切り替わるとか、あんまり意識せずに。私は私で夫と仲良く幸せにやっていきたいなぁと思います。


私はもう「どうせ私なんて」「私なんて愛されるわけがない」とは思いません。愛し愛されると自然と自分に自信がつくことを知りました。
まだ「ごめんなさい」と必要以上に言ってしまうことはありますが、それはこれからゆっくり時間をかけて修復していけたらいいです。


自分を嫌いだった私の前に現れた「王子様」は、私よりも23歳も年が上で遠く離れたところに住んでいたけれど、ご縁があったので無事一緒になれました。
1日1日、穏やかに幸せにそして大切に。夫とこれから仲良く生きていきたいです。

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