見出し画像

#020: X Factorに学ぶ、「緊張」の扱い方

X Factorとは?

X Factorという、イギリスのオーディション番組をご存知ですか?
私は偶然実家で流れていたバラエティ番組の中で知りました。
(『奇跡体験!アンビリバボー』だったかな?)
最近では、「とにかく明るい安村」さんが出場して話題になりましたね。

放送されたエピソードは、クリストファーさんという方が
初出場で「The Rose」をという歌を見事に歌い上げる回でした。
とても印象的だったので、
アンビリーバボーで紹介されていた回以降を
YouTubeで観ました。
いや、紹介されていた回もYouTubeで何回も観ました!!!

緊張していた挑戦者に、ゲイリー・バーロウがかけた言葉

挑戦者それぞれに審査者の1人がサポートとして付くのですが、
クリストファーのサポーターはゲイリー・バーロウ(Gary Barlow)!
90年代から大人気のイギリスのポップグループ、
TAKE THATのボーカルの方です。

とにかくナーバスになってしまうクリストファー。
初めて出演した回では、手が震えて、涙も流れていました。
何度か勝ち抜き、生放送のステージはもうすぐ。
そして、クリストファーはリハーサルのステージに向かいます。

ここまでのクリストファーの緊張ぶりを見ていると
見ているこちらまで緊張してきます。
ゲイリーも言っています。

クリストファーに関して、一番の心配なのは
あの激しい緊張(flaming nervous)だ

あなたがそばにいたとしたら、どうしますか?
どんな言葉をかけますか?
(唯一の正解はないので、自由に考えてみてください)

「大丈夫だよ!」とか「緊張しないで!」とか
「がんばって!」と励ます?
「そんなソワソワするな!」って叱咤激励(?)

その時、ゲイリーがクリストファーにかけた言葉がこちら。

土曜の夜「緊張」するだろう
(その「緊張」を)箱にしまって、舞台の袖に置き、ここに立つんだ
それでいい

X Factor

こちらの動画(日本語字幕付き)の1分7秒あたりから。
ゲイリーが渋くて素敵なので、ぜひ観ていただきたい…!

都合の悪い感情を「なかったこと」にしなくていい

なぜ印象的だったかというと、大舞台のリハーサルで「緊張」という、
ともすれば都合の悪い気持ち・感情を
ゲイリーが「なかったこと」にしていなかったからです。

私たちも、「緊張」「イライラ」「こわい!」といった、
(その時には)都合の悪い感情や気持ちを持つことがあります。
そういう時、それらを「悪いもの」として
なかったことにしがちなのではないでしょうか?
「そんなこと思っちゃダメだ」と我慢したり。

ゲイリーは、その「緊張」の存在を一旦認めたうえで
「箱にしまって舞台の袖に置く」とクリストファーにアドバイスします。
もしかしたら、若手の時に誰かからかけてもらって、
助けられてきた言葉なのかも。

良い感情だけを感じることができるのか?

ここで思ったのが、
「良い感情だけを感じることができるのか?」ということです。
ある種の感情「だけ」を感じないようにするのは難しいのであれば、
自分の気持ちや感情を「なかったこと」にして無視したり、
蓋をしてしまううちに、
好ましい感情を含む、感情先般を
感じることができなくなるのではないでしょうか?
感度が鈍るというか。
(そもそも、感情に良し悪しがあるのかというのは傍に置きます)
さらに、身体にまでムリがきてしまうように思います。

私自身の少し前の話になりますが、
今になって思えば
「良い女性管理職」「良い嫁」「良い母親」をやろうとして、
自分の正直な気持ちに蓋をして我慢を続けてきた結果、
身体にムリがきてしまったのではないかと思うのです。
(今は元気!)

ゲイリーからの学び

まず、「今、そう感じてるんだね」と認めること。
そして、「で、今どうする?」と決めること。
(クリストファーは、「緊張」を箱に入れ
 ステージ袖に置き、ステージに立ち、歌った。)
この2つを自分自身にも、子育てでも、
相談者さんにも大切にしていこうと思います。