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山種美術館を巡って(東京都・渋谷区広尾)

<美術館紹介>

山種証券(現・SMBCフレンド証券)の創立者である山﨑種二(1893~1983)が個人で集めたコレクションをもとに、1966年日本橋兜町に日本初の日本画専門美術館として開館しました。

種二氏は「絵は人柄である」という信念のもと、横山大観や上村松園、川合玉堂ら明治・大正・昭和の時代に活躍していた画家と直接交流を深めながら作品を蒐集なさっていたようです。2代目館長山﨑富治(1925~2014)は、種二と共に速水御舟の作品105点を一括購入したほか、東山魁夷や加山又造と親しく交流し、さらなるコレクションの充実を図りました。

2009年にここ広尾に移転。ちなみに山種美術館のロゴは日本画家・安田靫彦 氏が揮毫なさったそうです。

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あと、50周年にちなんだ記念のシンボルマークもあるみたいですね。


<訪ねた日>

2020年10月2日

<展示に関して>

創立者の「美術を通じて社会、特に文化のために貢献する」という理念を継承し、企画展を中心に行っています。現在、開催されていたのは?

竹内栖鳳≪斑猫≫とアニマルパラダイス

です

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近代京都画壇を牽引した竹内栖鳳(1864~1942)は、卓越した描写力により動物画の名手として高く評価されました。『斑猫』(重要文化財)は4年ぶりの公開です。毛並みは墨や金泥等を駆使した繊細な線で表され、柔らかな感触まで描き出されています。真に迫る猫の表現です。

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栖鳳の弟子、西村五雲、橋本関雪をはじめ、動物画を得意とする日本画による作品が一同に展示されています。

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写実と装飾性を融合し蛾と蜘蛛を描いた速水御舟『昆虫二題』

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ユーモラスな表情の蛙を表した柴田是真『墨林筆哥』など魅力にあふれる動物の表現を楽しめました。気持ちもほっこり癒しの展示でした。

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<売店に関して>

地下にあります。「くらしにアートを取り入れる」のコンセプト通り、作品をモティーフにしたオリジナルグッズがたくさん揃っていました。


図録を求めました。ちなみに売店、カフェとも撮影不可でしたので、パンフレットから撮影しました。

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カレンダーと年賀状を売っていました。奥村土牛の『聖牛』が配されたお年玉つき年賀状。こんな素敵なの初めてです。10月31日までなので、急がなくては。

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<カフェに関して>

銀杏並木をガラス越しに、一階ロビーに併設されています。

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向田邦子さんのご贔屓のお店、青山・菊屋さんの、出品作品をモティーフに製作された和菓子で、鑑賞後のひとときを過ごせました。

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文学賞候補を読んで感想を書いていきます。今後の本選びの参考にしていただけると嬉しいです