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ジョジョの奇妙な格付


 毎度音楽のことばかりだけど、たまには好きな漫画についても語りたい。
 ジョジョの奇妙な冒険シリーズは全巻所持しており、アニメも全話観てるぐらい好きだ。


 そして今回のお題はズバリ、ジョジョ好きな人達の間でよく盛り上がる話題の一つ「第何部が一番好きか?」

 これはジョジョを通ってきた身としては好きな話題ではあるが、かなり悩ましいクエスチョンでもある。甲乙付け難いストーリーがどの部も展開されていくので、それぞれに違った魅力があるのがジョジョ。

 それでも敢えて、今一番好きな部を答えるとすれば私は「第4部 ダイヤモンドは砕けない」と答えたい。

 今更ここであらすじを書いたりはしないが、なんと言ってもこの第4部は平穏に見える町の裏側で行われる殺人の正体を暴いていくミステリー要素が強い。そこが最も好きなポイントでもあり、主人公の東方仗助が中心になって、杜王町に住むシリアルキラーな殺人犯を探すべく、一度は敵対しつつも、導き引かれあったスタンド使い達が協力していく過程に醍醐味が詰まっている。

チーム杜王町

 東方仗助のスタンド・クレイジーダイヤモンドは物を元に戻す能力で、怪我の修復や身近な物体の破壊と分解、再生を行えることから戦闘においてかなり応用の効くチート系能力である。
 そのため、序盤からほぼ完成された強さを誇る仗助だが、実質この部で主人公的な成長を遂げていくのは仗助よりも広瀬康一だと思う。
 彼が戦いを経て精神的に成長し、複数段階に渡って開花したエコーズの能力で最高のアシストをし続ける姿が印象的だ。山岸由花子がヤンデレと化すまで好きになるのも、気難しい露伴先生が勝手に“親友”と豪語するのも、無理はない。

 そして前作主人公である空条承太郎が吉良との総力戦の際、無敵のスタープラチナザワールドを炸裂させた時「康一くん…君は本当に頼もしいヤツだ。この町に来て、君と知り合えて本当に良かったと思ってるよ…。」って言わせるところがたまらない。
 第3部ではスタンドパワーは勿論、駆引きの強さや土壇場での大胆な行動力を発揮し、ディオ達との戦いを制してきたあの男から頼られる康一くんってマジにもっと人気出ていいと思うんだ。


 そんな愛すべきスタンド使い達が多く登場する部だが、ここのボスキャラの魅力も語らない訳にはいかない。

 吉良吉影、33歳独身、仕事は真面目でそつなくこなすが今ひとつ情熱のない男…。亀友チェーンの同僚がやめとけやめとけレクイエムを炸裂させるこの男の正体は、平穏な生活を求める狂気の殺人鬼。

ビバ平穏生活

 平穏を欲しがるマインドとは裏腹に人を殺さずにはいられない性を背負い、仗助たちの仲間の一人だった重ちーを手にかけ、追われる身となる。
 そして尻尾を掴みかけた仗助達に追い詰められ、エステシンデレラを襲撃し、辻彩のスタンド能力で顔を変えて逃走。別人として過ごす羽目になるが、ここからが凄い。
 別人の川尻浩作になりすます為になんと漢字練習をするのだ。
 今までジャンプのラスボスと言えば強さこそが全て。力で屈服させる破壊神みたいなのが一般的だが、ここまで来てもこの吉良吉影は平穏な生活を望み、他人の名前を健気に漢字練習していた…。

※筆跡を練習する涙ぐましい努力

 「強運で守られているような気がする…」「切り抜けられなかったトラブルなど一度だって無いんだッ!」と、主人公ムーブまでかまし、常に細やかな気配りと大胆な行動力でいつでも困難を乗り越えてきた。
 女性を殺さずにはいられない異常性癖とダサいボーリングの爪切りさえなければ、正直かなり優良物件な男である。

※完全に主人公側のマインド


 世界を旅する大きなスケールの少年誌らしい第3部とは打って変わって、一つの町で日常に潜む狂気と対峙する構図を生み出し、我々を虜にした荒木先生は流石だと思う。
 ショボくなるどころか逆に面白さが一気に加速した部だと言っていい。4部は退屈だとか言う奴の元へはシアーハートアタックを送り付ける(コッチヲ見ロッ!)。


 何度読んでも飽きずに引き込まれるし、主人公パーティではないサブキャラにも個性的なのが多い。
 虫歯が治るレストランのトニオさん、透明になる赤ちゃん、異常に鼻が効く追跡型ナルシスト噴上裕也、勘のいいガキLevel.200川尻早人、消防車のサイレンで発狂する宇宙人・支倉未起隆…と、まあトンチキなキャラが盛り沢山。

吉良の親父の弓矢を弾き返す宇宙人


 ジャンプ的に見ても当時はもしかしたら王道からは外れた枠だったのかもしれないが、サスペンスとスタンドバトルの見事な融合は他のシリーズには無い独自の世界を見せてくれる。
 ヘブンズドアで記憶を消してまた読みたいとさえ思う。


 最後に、この部の大人気キャラで私の推しでもある漫画家・岸辺露伴先生に宛てられたファンレターの紹介で終わりたい。

 では、おやすみなさい。

コミックス34巻より

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