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父が逝ってしまう。

父が逝ってしまう。
幼い頃。大好きだった父。たくさん遊んでくれて、色々な所に連れて行ってくれて、優しくて楽しくていつでも味方だった。
思春期の頃。少しウザいと思ってた父。
学校でやらかして母に怒られても「次から気をつけろ」と味方をしてくれた父。
成人した頃。嫌いだった父。
成人して分かったのはお金にだらしなない父だった。いわゆる闇金で借金を繰り返し、財産の全てを失った。何度も何度も繰り返して最低な父。
家族と思いたくなかった。最低。
そしてここ数年。父が病気になり過去のわだかまりも溶けて何となくうまく過ごしていた。
ファミレスに連れて行っても「美味しいね。美味しいね。ご馳走様。」と子供のように喜んでいた父。
そして数ヶ月前。父に急に手を握られて咄嗟に「やめて!」と手を引っ込めてしまった。
その事を謝っていない。なのに。
父が逝こうとしている。
パパごめんね。ありがとう。

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