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2021年の100冊 #1 「ルポ トラックドライバー」(刈屋大輔)

ジャンル問わずとにかく本を読んで勉強することを目的に開始。ちょっとフライングして2020年12月28日から、100冊読むまでを記録。スマホで15分で書き上げることを目標にしています。

今日作ったルールなので、途中で変更するかも。

1冊目はこちら。コロナ禍でライフラインを守るインフラとして一気に身近に感じ始めた物流業界。社会課題の匂いがする。

学んだことをつらつら書きます。

新しく知ったこと

1. 3Kでも稼げた仕事が4Kに(きつい、汚い、危険 + 稼げない)

昔はきつくても1,000万円プレイヤーも少なくなかったトラックドライバー。2019年度、全産業平均の年間所得額501万円と比べ、大型トラックドライバーは456万円、中古型トラックドライバーは419万円。原因は1990年の規制緩和による新規参入要件の緩和や運賃の実質自由化と景気の低迷。

15分で書くの、無理や

とりあえず続けます

2. Amazonとドライバーの関係

配送サービスプロバイダーを使っていたAmazon(荷主)がドライバーと直接契約をするように。

雇用するのではなく会社ー個人事業主取引とするのは、長時間勤務など労務問題の発生を回避する狙いがある(p.61)。

ドライバーにとっては短時間から入ることができ、直接契約なので時間単価も高いというメリットがある。

逆にこれまでAmazonの配送を委託しドライバーに配送を委託していたサービスプロバイダもいる。Amazonが台頭し始めてAmazon向け配送事業に投資しすぎたサービスプロバイダは業績悪化が囁かれているが、Amazonに配慮して断ってきた他のネット通販会社からの引き合いも少なくない。

3. Amazon強すぎ(怖すぎ)

ヤマトでは2013年からメインでAmazonの受託先となり、2015年〜2017年に「宅急便」の取扱量は年間1億個超ずつ増加。

1日働き詰めでも営業所内の荷物が減らず、ドライバーは「Amazonのロゴを見るだけで吐き気をもよおしたこともあった」という。 

こう聞くと、普段お世話になっているAmazonの威風コワイ。当たり前になってしまった「ポチる」が1億個ずつ積み上がり、宅急便のおじさんに吐き気をもよおさせてしまっていたのですね。後述しますが今は労働状況は改善されているようです。

4. ドライバー働き方改革の「形骸化」

その後現場の過重労働を解消するため、ヤマトは取扱荷物をコントロールする「総量規制」「当日配達の停止」「時間帯指定区分の見直し」「補助スタッフの増員」「業務の外注化」を行った。

ところがドライバーは、これまで休日返上などの大変さに見合うだけの報酬は得ていた。年収が15%程ダウンしてしまい、減収分を補うため副業を始めるドライバーが続出しているのだ。しかも副業もドライバー。

8時間の連続休息が義務付けられていても、年収ダウンと背に腹は変えられないようだ。副業を受け入れる側のプロバイダーも、本業ドライバーは研修などがいらず重宝しているが、拘束時間が長くなると時間単価が下がる仕組みなどを取り入れている。

5. コロナ禍でトラック輸送需要は激減

ここがいちばん驚いたところなのだけど、生活物質である食料品や日用雑貨を除いた荷動きはコロナ禍で壊滅的になってしまった。

物流センターの庫内は動かない在庫で溢れかえり、B2B貨物の仕事は激減、運賃も悪化している。

一方やはり巣ごもり需要でB2C貨物は平時の1.5〜2倍にまで膨れ上がっているため、運送会社はB2C領域に軸足を移す。とはいえ業務委託料は低下している。

運送業は逆に忙しくなっているのだと思っていた。マクロデータがあまり載っていないのと、運送業のB2B、B2C向けの業界構造がわからないのでなんとも言えない。

6. ドライバー不足の解消策

置き配: 再配達がなくなり1日に取り扱える量が増えるため、配送効率が改善。

貨客混載: バスやタクシーに貨物を積載。地方など配送が非効率なエリアで有効。

投げ込み宅配: ポストに投函できる小型荷物のサービス。2020年には前年同期比46%超え。

自動運転トラック: 先頭車両は有人、後続車両に無人という実験などが行われている。

物流ドローン: トラックもドライバーもいらず、輸送時間も短縮。実用には、運航距離、積載重量、安定飛行、法整備などが不可欠。

・自走式ロボット

感想

書きすぎた。アウトプットもうまくなっていこう。家にいるのに全部スマホで書いたし。。

さて最初に書いたように「社会課題の匂いがする」ので手に取ったこの本。

ネット通販の拡大で需要は増えているにもかかわらず、ドライバーの不足と高齢化が課題。消費者が払う配送料の低下はドライバーの運賃の低下にしわ寄せがいっている。働き方は改善されたが、労働集約型の業種であるため残業代の補填のために副業も蔓延。

だいたいこんなところが「トラックドライバー」の社会課題なんじゃないかな、と思います。

帯に「荷物はなぜこんなに早く安く確実に届くのか?」と書いてあるけど、それに直球で応える内容ではなかったので上記のようなサマリーに。

細かいし、そんなこと言える立場ではないのだけど、業界用語の説明がなかったり、女性ドライバーだけ下の名前で仮名を使ってたり、帯や小見出しが煽り気味だったり、マクロデータや数値が少なかったりと、人の文章を読んで批判とかあまり思い浮かばない方だけど、気になることがちょいちょい見つかるルポではありました。

とはいえ物流がますます身近に感じる今日この頃なので、勉強になりました。

はい、1時間かけてしまいました。第一回はこれにて終わります。


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