待つ努力・待たない努力

「待つ」ことについて、2つの気づきと、1つの自己認識の話。

今も昔も、人は待つものです。

やすらはで 寝なましものを さ夜ふけて 傾くまでの 月を見しかな

(こんなことなら)ぐずぐず起きていずに寝てしまったのに。(あなたを待っているうちにとうとう)夜が更けて、西に傾いて沈んでいこうとする月を見てしまいましたよ。(百人一首59・赤染衛門)

今来むと いひしばかりに 長月の 有明の月を 待ち出でつるかな

「今すぐに行きましょう」とあなたがおっしゃったので、(その言葉を信じて) 九月の長い夜を待っていましたが、とうとう有明の月が出る頃を迎えてしまいました。(百人一首・21・素性法師)

みんなめっちゃ待つやん。

【気づき①】待つ=思いやり

スマホになって、待つことが下手になったのだと思います。

通知。返信。既読。未読。

そしてこれは私だけではないと思います。世間的な話。

夜が更けて西に傾いて沈んでいこうとする月を見るまで待てるか

やっぱり必要だったり気になっていると待てなかったり、言いたいことをいってしまったりしまいます。

でも長期的に見て関係性としてこれは損で、「自分より相手のことを考えられるか」なんだと。

頭をひとつのことにいっぱいにしないで、深呼吸して自分を俯瞰してみる。スマホを握りしめて「待つ」より、世の中には楽しいことがある。

ビジネスだとやっぱり難しいのかなぁ?

口で言うのはカンタンですな。

【気づき②】「待つ努力」と「待たない努力」

書いていて、「待つ努力」と「待たない努力」は一緒だと思った。

待つ努力として一番いい方法は、放念しておくこと。

待つのではなく、本を開く。

せっつくのではなく、相手のタイミングに合わせる。

有明の月まで待つのではなく、寝る。

待たない。

口で言うのはカンタンですな。

(いや、有明の月を見る待ち方も悪くないかもしれない。)

特性としてのADHD

自分の特性を知っておくという意味で拠り所にしちゃってますが、ADHD(注意欠如・多動症)のせいにしておくのも一つの自己認識と改善行動だと思っています。

私は、信号機やエスカレーターなどで列に並ぶのが苦手で自分のペースで歩けないとイライラするとか、「これを言いたい」と思ったら人の発言をさえぎってでも発言してしまうとかがあります。

ADHDとは、

年齢あるいは発達に不相応に、不注意、落ちつきのなさ、衝動性などの問題が、生活や学業に悪影響を及ぼしており、その状態が6ヶ月以上持続していることと定義されています。 脳機能の発達や成熟に偏りが生じた結果と考えられていますが、その原因はまだよくわかっていません。(引用・NCNP病院)

だそうです。

不注意型/多動・衝動型/ミックス型

があって、バリエーションは人によって違います。

衝動性は、

・我慢がきかない
・危険な行為でも思いつきで行動してしまう
・欲求をすぐに満たそうとする

といった形であらわれます。

【子ども】
・遊びで自分の順番を待てない
・相手の話を聞かず自分が話し出してしまう
・他人のものでも勝手に使ってしまう

【大人】
・会話で人の話を聞かない
・列に並んだり待ったりするのが苦手
・すぐにイライラする
・衝動買いが止められない
などの症状があります。

「欲求をすぐに満たそうとする」とかめっちゃあります。

わたしは、「あぁまた失敗してしまったな」と思ったとき、上のADHDについての記事を読んで、特性が言語化されたことで、「そっか、これもADHDの特性の一つなんだ。自分はこう考えるクセがあるから、次はちゃんと一呼吸おいて行動しよう」という気づきにつながりました。(これは個人的な気づきなので、【自己認識】。)

ちなみに

今はなんも待ってません。念のため。

ん、待ってないってことは待ってるってことなのだろうか?

とはいえ、ネット断ちして西に傾いて沈んでいこうとする月を見てしまうまで考え事してみたいものです。

赤染衛門のように恋焦がれているわけじゃありません。

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