見出し画像

山脈

連なる山脈のひとつが
僕に話しかけた

目を閉じて
ただ聞き取る

音になりきらない声で
僕の名を呼ぶ

静寂そのもののような音だ

じっとしていると
中身が全て
溶けてしまって
山とひとつになった
気持ちがする

登山靴のひもを
結びなおし
山脈に向かって
歩きだした

側に行き
僕の方から
君に
話しかけるため

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?