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見えないけどあるもの

まろやか蔵出便(1月便)の出荷も無事にほぼ終了。1月便でもたくさんの美味しかったよ!メールをいただきました。温かなメッセージ、本当にありがとうございます。

皆さんお礼のご連絡を下さいます。つくってくれてありがとう、と。生産者にとってこんなにうれしい言葉はありません。年老いていく生産者も、もう1年頑張ろうかって思い直せます。お金をいただいている訳ですから当たり前のことをしているのですが、やっぱり喜んでもらえていると思うととっても嬉しくてほっとして、『これでいいんだ』と改めて勇氣が沸いてきます。

出荷するときも『こんな(笑)見た目の子たちだけど受け取ってもらえるかなぁ』と不安に思う氣持ちと、でも『きっと大丈夫。』という確信に近いものがあります。

農薬を使う心境っていろいろあると思うのですが、まじめな生産者さんほど
農薬を使いたくなっちゃうんじゃないかなと思います。

これだけ天候の変動が大きいと、栽培技術もこれまでの常識が通じないことも多く研究者などの専門家でもパーフェクトな答えを持っていません。さらにいえば、刻一刻と変わる現場を目の前にしてその場で判断しないと手遅れになることもあるので生産者は研究結果を待ってはいられません。

こんなに雨が長く続いたら病氣が発生しつづけるなぁとか
これだけ温かいとミカンも腐りやすくなるから防腐剤が必要だなぁとか。
これから〇〇が起こるかも知れない、という見えない不安はつきません。

1年かけて育てたものが基準(←どんな?)に満たなくて買ってもらえなかったらその結果を背負うのは生産者自身。

となると、農薬を使うことで間違いなく病気や害虫は減る=見た目が悪いミカンが減る=買ってもらえないというリスクが軽減される、という思考回路は心情的には責められません。

また農協は流通先に対して、毎年取り決めた量の収穫物を確実に納める(流通側から見たらブランド力)という至上命題があるので、生産者にもきれい!ピカピカ!長持ち!なミカンを確実に生産できる手法を奨励します。

だからこそ、流通において買う方から
生産者の顔が見えることも大事なのですが

生産者から
消費者の顔が見えることがとっても大切だなと感じます。

買ってくださる方が
からだにも環境にもよいものを選びたい
見た目じゃなくて本当に美味しいものが食べたい

と私たちと同じ価値観を持っていると信頼できるからこそ
うふふなミカンを送り出すことができるんです。

大丈夫、ちゃんと受け入れてくれる、そう信じることができるからだれかが守ってくれるところから独り立ちして、自分が信じるやり方を全うすることができるんだなぁと会員の皆さまからのご感想に触れるたびに温かな氣持ちで満たされます。

つくる人と食べる人が目には見えない信頼関係でつながると、農薬の問題だけじゃなくて農業の担い手不足や自給率とか食品ロスなど、食をめぐる社会課題はいつの間にか消えるんじゃないかなと本氣で思っています。

うふふなミカンじゃなくても、(もしかしたら食べ物じゃなくても)だれかの愛情が込められたものを受け取ることができたら、感謝の気持ちをぜひ伝えてみてくださいね。直接じゃなくても、お店の方でも営業所の方でもいいと思うんです。お礼を言われて怒る人はいませんし、こうやってきっとだれかの心を元氣づけます。そして自分が発信したものは自分に還るとよく言いますが、きっと自分のまわりが温かくなることにつながると思います。私なんて、なんて思わないでくださいね。


いただいたサポートは無農薬、自然栽培の勉強に充てさせていただきます。