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受賞作、書評をいただきました。

このたびはお祝いの言葉をたくさんいただきありがとうございました。書いていてよかったな、と思うのと同時にまた頑張ろうという気持ちでいっぱいです。これからもよろしくお願いいたします。

エブリスタさんより賞典である書評が届きました。ありがたいことです。もちろん自身の糧にいたしますが読んでくださるみなさまにも公開することでより一層物語を楽しんでいただけるのではないかと思いました。よろしければぜひご覧ください。

「Clearness」

(総評)
精神科のデイケアサービスが舞台ですが、施設やシステムなど緻密な描写です。主人公は油絵のアドバイスをする大学生。気になる患者の穂積が自分の名前を呼んで驚く場面は、最初の交流場面として完ぺきです。“見られる側”の患者の内面も克明に書きこまれていました。お互いを意識し始める2人。本来、距離を置かなければならない禁断の関係を自然に接近させています。さらに続きを読みたくなる作品でした。

(文章)
葛西と穂積の視点が交互に入り、2人の内面に触れられる上手な構成でした。読者のリーダビリティ(読みやすさ)を意識すれば、さらにグレードアップすると思います。たとえば、2P目で「穂積視点」に変わりますが、一読目では「葛西視点」のままだと誤読する読者もいるかもしれません。読み進めていけばわかりますが、早い段階でわかるに越したことはないと思います。すぐに穂積のパートなんだとわかってもらうために、医師の台詞で「凛くん」と呼びかけるのも手だと思います。

(演出)
どのキャラクターも作品内で息づいています。とくに穂積凛は魅力的なキャラクターでした。あえて言えば、葛西が穂積と接する以外の、ほかの患者と接する場面ももう少し見たいです。とくに患者が描く油絵について、どんなアドバイスをするのか興味があります。今回の審査対象の範囲より後に出てくるのかもしれませんが、なるべく早く主人公の日常描写があったほうがいいです。

本当にそうです……と納得することばかり。さすが編集さんはよくご覧になっているのだな、とつくづく頭が下がります。これらを踏まえてまた次の作品作りに生かしたいと思います。

今回もお読みいただきありがとうございました。また次のnoteでお会いしましょう!

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