見出し画像

【名作】ナタリー・ポートマン、衝撃のデビュー作 『レオン』

■『レオン』と私

多くの映画好きが『レオン』について語り、勧めているのをSNSやYouTube、TikTokなどでよく目にする。『ミッション・インポッシブル1』のジャン・レノ、『スターウォーズ:プリクエル』でヒロインを演じたナタリー・ポートマン、『ハリー・ポッター 』のシリウス・ブラックで人気のゲイリー・オールドマンなど、眩しいくらい豪華なキャスティングは言わずもがな。やっと観れたのは高3の夏休み。受験勉強の休憩(と言う名の現実逃避)で鑑賞。カッコよくて、可愛くて、笑えるんだけど、切ない気持ちが残るとても素敵な映画。エンドロールでは主題歌のShape of My Heart が流れ、良い感じで余韻に浸れる。

画像1

2021年1月にとんでもないニュースが飛び込んできた。なんとCinema Kobeさんで『レオン完全版』を再上映するというのだ!嬉しすぎて、その日を指折り数えていた。前日は楽しみすぎて夜なかなか眠れなかった。遠足の前日の幼稚園児みたいだが、映画公開日の前日はよくあること笑(恐らく僕の精神年齢は5歳くらいで止まっている)。しかも映画館の営業開始時間の20分前に着いてしまい、極寒の中待つことになったが一切苦ではなかった。だってマチルダがスクリーンで待っているのだから。


■女好きロリコン監督だから撮れた映画

監督はリュック・ベッソン。自分の監督した作品に出演した女優と身体の関係になり妊娠、結婚したこともある。女性と女性の間で映画を撮る女好き。『ニキータ』『アナ』『ルーシー』など、女性の名前がタイトルになることも少なくない。そんな彼だからこそ、45歳レオンと12歳マチルダの恋を描くことができたと思う。

■国際的に評価された美少女

画像2

画像引用元: YouTube Movieclips
(https://youtu.be/jawVxq1Iyl0)

▷ナタリー・ポートマン
『レオン』で自身の映画キャリアをスタートさせたのがナタリー・ポートマン 。彼女は2000人以上の候補者からマチルダ役を勝ち取り、映画デビュー。弱冠14歳でヤング・スター賞のドラマ部門最優秀女優賞を受賞し、国際的に称賛された。親から猛反対されるも、「マチルダを演じれるのは私だけ」だと押し切った。14歳でそんな覚悟ができるとは、頭が上がらない。母親となったナタリーだが、彼女は自分の子供には『レオン』を観せていないという、記事を見た時、「親がナタリー・ポートマンって凄いな…。初恋相手は母親かな」という邪念に遮られてしまった(笑)。本人は黒歴史だと思ってるのかもしれないが、こんな演技ができる子役は他にいないと思う。初々しさとあどけなさの中に、オトナの色気がある。映画好きグラビアアイドルのRaMuさんも「女性の私でも抱きたい」と話すほど、妖艶な魅力がある。


▷愛する弟のために…

画像3

画像引用元: YouTube Movieclips
(https://youtu.be/jawVxq1Iyl0)

マチルダは家族のことが大嫌いだった。弟を除いては。何の罪もない幼い弟が無残にも殺された。そのことでスタンスフィールドを憎んでいた。レオンが殺し屋だと分かると、復讐を依頼する。


■孤高の殺し屋

画像4

画像引用元: YouTube Movieclips
(https://youtu.be/jawVxq1Iyl0)

▷レオン・モンタナ
観葉植物と牛乳が好きで、「No women, no kids(女と子供以外)」をモットーにした孤高の殺し屋。鼻血を出してタバコを吸っていたマチルダにハンカチを渡す優しい一面も。「私が欲しいのは愛か死よ」と拳銃をこめかみにあてたマチルダはレオンの愛を確かめる。マチルダにひかれてていたレオンは発泡の直前に拳銃を奪う。その後、レオンは被弾して傷だらけで帰宅する。マチルダを愛してしまったレオンは守るべきものができ、迷いが生じて震えていた。そんな彼だが、マチルダから「生きる希望」を貰い、命がけでマチルダを守ろうとする。

▷カッコ良すぎるガジェット

画像5

画像6

画像引用元: YouTube Movieclips
(https://youtu.be/jawVxq1Iyl0)

殺し屋レオンの仕事道具の装備がカッコよすぎる。コートの下には手りゅう弾や銃、スーツケースの中には狙撃用のライフルや拳銃。これらの武器を使うシーンはもちろん、手入れや、組み立てるところがカッコいい!

■対照的に描かれる "ふたり"

画像7

画像引用元: YouTube Movieclips
(https://youtu.be/jawVxq1Iyl0)

マチルダはレオンと生活を共にするうちに、好意を抱いていく。一方、レオンはかつて愛した女性との間で色々あって、人を愛することを知らない。子供なのに愛を知ったマチルダは"子供なのに大人っぽく"、愛を知らないまま大人になったレオンは"大人なのに子供っぽく"、対照的に描かれる。そんな2人の関係が今作最大の魅力。しかし、ただの年の差恋愛を描きたかったわけではなく、マイノリティーな人たちに焦点を当てたかったのだと思う。

画像8

画像引用元: YouTube Movieclips
(https://youtu.be/jawVxq1Iyl0)

■ヴィランの演技が光る

画像9

画像引用元: YouTube Movieclips
(https://youtu.be/jawVxq1Iyl0)

スタンスフィールドを演じたのが、80年代の悪役俳優を代表するゲイリー・オールドマン。『ハリー・ポッター』シリーズでシリウス・ブラックを演じたので、若い世代の人たちには良い人イメージが強いかもしれない。しかし『エア・フォースォース・ワン』や『フィフス・エレメント』...etc でもとんでもない悪役をしていた。刑事なのに麻薬中毒者という、ヴィランが根っからの悪党なので、マチルダと対峙したとき、襲撃を決行した時のヒヤヒヤ感が凄い。薬を飲んで覚醒するところと「Everyoooooone!(総動員だー!)」と叫ぶところは名シーン。スタンに会ったら背筋が凍るほど怖い。

■【通常版】と【完全版】

公開当時、「刺激的だ」「不潔だ」という意見が多くて大幅にカットして公開された通常版。好みはかなり分かれるが、監督が本当に作りたかったものが完全版なので、完全版を観てほしい。

▷マチルダがレオンから殺しの手ほどきを受けるシーン
「誰かわからなくなると報酬が入らないから顔は撃たない」「銃口が熱くなるから濡れたタオルを巻く」「1発目で動きを止め、2発目で仕留める」など、生々しい指南があったことでカット。


▷レオンとマチルダがシャンパンで祝杯を挙げるシーン
撮影はお酒の提供が大丈夫なフランスで、もちろんノンアルコールで行われた。未成年のマチルダがお酒を飲むのは良くないとカット。


▷マチルダがレオンに初体験を迫るシーン
12歳と45歳の恋愛は過激だと判断されカット。しかし、これはレオンのバックボーンが描かれる数少ないシーンでもある。かつての恋人との関係を認めなかった父親が娘(レオンの恋人)を殺す。その復讐でレオンは父親を殺す。殺し屋として生きていくことになるが、「殺しても何も解決しない」とずっと十字架を背負っていた。

レオンとマチルダの関係、その行間を想像させる作りになっているのが通常版。かなり重要なシーンがカットされているので印象が変わる。ぜひ見比べてみてほしい。

■悲しくも、美しい終わり方

レオンがスタンスフィールドマチルダの復讐を。

レオン:「This is from Matilda」
スタン:「Sh*t」

画像10

画像引用元: YouTube Movieclips
(https://youtu.be/jawVxq1Iyl0)

レオンは美しい言葉を、スタンは汚い言葉を言う。レオンは愛する人のために、スタンは自分のために人を殺めようとする。この二人の最期も対照的に描かれている。

■主題歌♪Shape of my Heart

画像11

画像引用元: GIPHY
(https://media2.giphy.com/media/WP65nTIW609dm/giphy.gif?cid=5e2148863cwkp6kmancvdd71s7uetjfwvkh9ooy93fax589q&rid=giphy.gif&ct=g)

マチルダが学校へ戻り、校庭の木の下にレオンの観葉植物を植えたところで、エンドロールが始まる。スティングの『Shape of my heart』はポーカーをしている様子を歌詞にした歌だが、メロディーがしんみりしており今作の余韻に浸るにはピッタリ。Cinema KOBEではエンドロールに入った瞬間、出ていくお客さんが数人いたが、もったいない!エンドロールまでが映画。主題歌を聞きながら浸ろう。

■細か過ぎて伝わらない好きなシーン


▷じゃれ合うふたり

画像12

画像引用元: YouTube Movieclips
(https://youtu.be/jawVxq1Iyl0)

レオンが初めて笑顔を見せたのは、マチルダのおかげ。仮装して誰かを当てる世界一面白いゲームをしたり、バケツや霧吹きで水を掛け合ったり…。長くは続かないことは分かっているからこそ、はかなく美しい。


▷ロボットアニメを観るマチルダ
大人っぽいマチルダだが、姉の観ている美容番組を遮って、『トランスファーマー』のようなロボットアニメを観ているシーンがある。こんなギャップがあるなんて、可愛すぎないか?!


名作はいつ観ても良い。
来年の午前10時の映画祭でも観たいな!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?