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歯医者さんで褒められる

定期的に歯医者に通うようになって20年くらいになる。
上の子を妊娠して、産婦人科で口腔内ケアを勧められて、近所のひとに評判を聞いて通いだした歯科クリニックだ。

その歯科クリニックの先生は、治療をする前に状態をきちんと説明してくれて、治療方法を何パターンか提示してから、自分のおすすめを言ってくれる。話が長いのがたまにきずだが、わかりやすいし私はとても気に入って通っている。

昨年の夏、乳がんがわかって大学病院で治療中の私だが、大学病院で入院・抗がん剤・手術と進む間、何度か歯科で口腔内ケアを受けている。

口の中の状態がいろいろな病気につながることはよく言われていることだが、大学病院でも、特に全身麻酔の手術前は念入りにチェックする。

グラグラする歯があると、気管挿管の際に折れて体内に入ってしまう恐れがあったり、歯周病があると、歯周病菌が全身に回ってしまったり、とにかくよくないらしい。

そこで私は毎回異常なし。

事前に書かされた問診票でかかりつけ医を書く欄があって、いつも行く歯科クリニックの名前を書いておいたのだが、大学病院の先生が、

「このかかりつけ医にはどのくらい通っているんですか?
こうやって丁寧に診てくれるお医者さんが増えると、私たちはとても助かります」

とおっしゃった。

だから数日前、いつもの歯科クリニックに久しぶりに行った時、すでにがん治療中であることは話してあったので、このことを話した。

すると先生はとてもご機嫌な様子で、そうでしょう、そうでしょう、と言わんばかりに、

「大学病院の医師ともなれば、口の中を見るとわかるんですよ。」

と、いつものように少し長いおしゃべりをした。

そして待合室に私は戻ったのだが、そこへ歯科衛生士の女性が出てきて、私の横にしゃがんで言った。

「あのね、枝本さんはああやって言ってくれましたけど、口の中きれいに保ってるのは、毎日枝本さんがちゃんとケアしてるからだからね?
大学病院で褒められたのは枝本さん自身なんだからね?」

わざわざ追いかけて言いに来てくれたのだ。

その日私の歯のクリーニングを担当してくれて、そのまま先生の横に並んで私との話を聞いていた歯科衛生士さん。

さすがに先生の真横では言うのがためらわれたのか、待合室にまで来て言ってくれた。

些細なことかもしれないが、毎日のがんばりを認めて褒めてもらえるのはうれしい。

歯科衛生士さんの気遣い・思いやりにも感謝である。

そして先生も歯科衛生士さんも、毎回診てくれてありがとう。

私は毎日、指導された通りに太さの違う歯間ブラシを使い分けてちゃんと歯磨きがんばってますよ。

#日々の大切な習慣

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