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秋田市文化創造館とスケートボード

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2021年3月の開館以来、秋田市文化創造館の敷地を利用するスケーターたち。多くの公共の場所では禁止(排除)されてきたスケートボードに関わる、当事者や関係者、地域住民とのやり取りか…
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2022年9月の記事一覧

6. 何をしないか

敷地内でスケボーの利用を「禁止」をするという選択肢を失った文化創造館。さて、どうしようか。 館長から示されていた指針は、2つ。 迷惑行為があれば、それは解決すること。 また、スケボーやスケーターに対する偏見を助長しないような働きかけを行うこと。   まずは、迷惑行為について、実態を確認するために夜間の見回りを強化してみることにした。 自主パトロールに協力を申し出てくださる奇特な方もおり、数日間、閉館後もしばらく残って様子をみるようにした。しかし、そういう日に限ってなのか、夜

5. 禁止する

8月に入ってから、スケボーの騒音やスケーターのマナーに関して、文化創造館に抗議の声が再び寄せられはじめるようになった。 市役所や町内会長、年長のスケーターに相談しながら、新たな対策を講じもしたが、抗議の声をあげる方が納得するような落とし所は見出せず、ある夜、いよいよ一時的であれ禁止をして、抜本的な策を考える時間を稼ごうと腹を括った。そして、その「決意表明」とも「敗北宣言」とも言えるような連絡を関係各所に入れた。 実務的に「了解」という反応もあれば、スケボーにはこういった抗

4. フェアであるということとは

6月15日(水)に開催した「スケートボードと文化創造館と秋田のまち」をテーマにしたカタルバー。そこからの流れは、今振り返れば怒涛だった。 年長のスケーターが、「スケートボードのイメージを変えたい」と文化創造館の敷地を使ったイベントの計画をはじめ、今後の資金調達のために助成金の申請に取り掛かった。また、6月15日のカタルバーに参加した方が自分も何かやりたいと新たなカタルバーの企画づくりがはじまり、高校生による短編映像制作のテーマとしてスケボーが取り扱えないかとのご相談もいただ

3. スケートボードと文化創造館と秋田のまち

その日・その時・その場に集った人がゆるやかに語り合う場「カタルバー」というプログラムが秋田市文化創造館にはある。文化創造館のスタッフがホスト(店主)を務めることもあれば、一般の方が一日店主としてやりたいことを小さく実践してみる場としても解放している。 6月15日(水)の夕方に、私自身が店主となって「スケートボードと文化創造館と秋田のまち」をテーマにカタルバーを開催した。 当初は、スケーターやスケートボードを応援する人と、(できれば)そうでもない人とが少人数でも集まって、文