「引越し業者は慎重に選べ」 (2)

 残された荷物をどうすればよいのか、いい方法を思いつく余裕もなく、外が暗くなった頃にひとまず作業をやめた。クタクタに疲れていたが、喉がカラカラに乾いていて、お腹が空いていた。
 私と友人は、引越し先の部屋から程近い、古びてはいるが小洒落た小さなイタリア料理店でワインとパスタをオーダーした。ふたりとも化粧もしておらず引越しのために作業着のような服装をしていて、ワインで乾杯しながら「すごい格好しとるね」と笑い合った。
 Mさん、ほんとあの時はありがとう。友人と呼べる友人が私にはMさん以外にいないので、すごく助かりました。

 Mさんと別れてダンボールが山積みの狭い部屋に一人で戻り、さて残った荷物をどうしようかと考えた時、思いつくのは少し離れた場所に住む兄夫婦だけだった。しかし兄夫婦と母には、引越し前にも荷物の梱包や片付けを手伝いに来てもらっていたし、兄夫婦は自営業を営んでいるので、再度昼間にここまでやってくるような時間があるかどうか。
 思い悩んでも荷物はあのままなので、義姉にメールすると「明日は昼間に時間があるので兄と母と3人でお手伝いに行くよ〜」という返事が帰ってきた。

 ・・・・・・救われました。

 翌日、一同は2時間ほどかけてやってきて、残った荷物を自家用車で何度か往復して運んでくれた。

 家族のありがたみというものを骨の芯まで感じた1日だった。