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ワニくんへのレクイエム~僕らは浸っていたかったんだ~

2019年12月12日にその連載は始まった。

きくちゆうき さんの「100日後に死ぬワニ」だ。

僕自身は100日目を迎える2日ほど前にこの作品を知ったのだが、99日目のあの嬉しそうなワニくんの表情を見て、明日100日目を迎えるのかと思うと切なくなった。

そして迎えた3月20日の運命の日。

涙腺は緩まずにはいられなかった。

事件発生

いきものがかりとのコラボ動画「生きる」でさらに涙腺が緩み、想いを馳せていた。

Twitterでは100日目の解釈に花が咲いていた。

そんな時、突然、黄色いタコが赤い風船を割りながら、ポップな感じで

【特報】
書籍化決定
映画化決定
グッズ・イベントなど続々

と広告を打ち出してきた。

え!

なんやそれ!

予想通りツイートは大荒れし、大炎上。

「電通案件」だ!と「カラクリ」を特定しようとする人、最初から仕組まれていたのか!?と憤る人、一気に興ざめする読者が続出した。

僕の頭も混乱した。

僕らはワニくんへの想いに浸っていたかったんだ

正直、「ワニの件」がプロダクトローンチであろうと、事前に仕組まれていようと関係ない。

プロの仕事だからマーケティングは当たり前で、それを否定はしない。

問題はそこじゃない。

ただ、ワニくんの死から悲しみに浸る間もなく、ウキウキポップな告知を打ち出されたことで、ワニくんとの想い出が踏みにじられた気にさせられたんだ。

もっと余韻に浸っていたかったんだ。

そうだろう?

でもこれだけは言える。

きくち先生、素敵な作品をありがとう。


いつもありがとうございます。サポートは創作のために役立てたいと思います。