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やっぱり私との直接の会話を避けていたのだということが分かって 分かったからといってなにもできないのだけど 私が必死に というのも変だけど 話しかけていたこの数日間 は ただ目を逸らされていただけだった
寂しい のか 虚しい のかわからなかったけど 何日か前にここ最近自分が送ったLINEは全て消去していた から
向こうの画面には残っているだろうけど 私の画面には あのひとが私じゃないどこかに向かって話している言葉 が ずらりと並んでいるだけ あいだに私の言葉なんかあってもなくても変わらない どうせ会話になっていないから
話しかけて無視される というのは 一番分かりやすい傷つきで それがその相手によって癒える という体験を繰り返してしまうと 抜け出せなくなる どろどろとした不健康な依存 になってしまう
私があのひとといて幸せなのは 息ができるのは 本来ひととのあいだに生まれるストレス とか抵抗 みたいなところをあのひとが一手に引き受けているからなんじゃないか とか あのひとが気を遣って私が笑っていられるようにしてくれているだけなんじゃないか と思う
そんなふうにしてもらえるだけの価値 みたいなものがないと思っている から 不安になってそれを 形を変えて ぶつけるようにあのひとに明かしてしまう それがストレスや歪みを増大させるだけの悪手であることが分かっていても とめられず繰り返してしまう あまりにも思いやり に欠ける行為 これはあのひとを大切にしているとはいえない 気をつけよう としていても繰り返す それでも何度でも思い返して 気をつけようとする どうしてもあのひとのことが好きで 大切にしたいのに できないのは嫌だ

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