新作歌舞伎 刀剣乱舞 月刀剣縁桐  見てきました!

はい、タイトル通りの記事です。
7/24の昼公演に行ってきました。

「能」は中学生のとき、学校行事で見たことあったのですが、歌舞伎は生まれて初めてでした。
正直、右も左も分からないような状態で行ったんですけど、結論、めちゃめちゃ楽しかったです。
ストーリー考察とかは苦手なので、単純に感想と覚え書き、あと色とか衣装について記録しておこうと思います。
ネタバレありますので、自衛お願いします。

まずお席について。
そもそもの先行や一般発売に参戦していなかったのでチケトレで譲っていただいたものなのですが、花道左側、スッポン近くのお席でした。
いやもう、とっっっっっても見やすかった!
割と端の方ではあるのと、一般の劇場だと見切れ席扱いになるのでは? と思う位置取りだったので少し心配していましたが、全くそんなことはなかった。
むしろ上手袖が覗ける場所だったので、後ろで移動している役者さんや、ツケ打ちさんが待機されているところなども見ることができて、結構良い思いをできたのではないかと。

いつもの癖でオペラグラスを携帯していったのですが、周りで使ってる人そんなにいなかったなぁ……。
私、最前列とかでも結構使うのですが、もしかして前方席ってオペグラ使わない……?

あ、あと、アクション意外と派手というか、激しいんだなと。
まさか歌舞伎でバク転見るとは思っていませんでした。
殺陣もがっつり打ち合うことは少ないというか、刀ステ科白劇のときみたいな印象だったのですが、
ラストの三日月・義輝の場面は緊迫感が伝わってきて、思わず手元のオペグラを握りしめてしまいました。
めっちゃ滑り止めの跡ついた。
カーテンコールのとき、3名だったかな。花道をだだだーっとバク転していって、超アクロバティックな動きを見せてくれたので、思わず声が漏れてしまいました……。

ところどころ原作要素(鍛刀とか)やセリフが入っているのが嬉しかったですね。
初期の頃の刀ミュや刀ステを思い出しました。
一幕の終わり頃、なんかめちゃくちゃメタいこと言ってるなとか、また名前忘れられてる膝丸可愛いなぁと思ったことを覚えています。

私、原作だと根っからの江推しなので、今回は割とフラットに見ていたのですが
ついつい膝丸に目が行きましたね。
指先まで優雅で綺麗、かと思うと荒々しく動き、足踏みの振動が伝わってきて。
一見クールに見えるけど血気盛んで、兄者のこと大好きで、ただ名前覚えてもらえていないのはショックで……みたいな、私が原作から受け取ってきていた膝丸が目の前にいる、って感じでした。
もちろん、刀ミュの膝丸、刀ムビの膝丸もそうであることに変わりはありませんが、
イメージとしてはその隣に歌舞伎本丸の膝丸も並びに来たな……みたいな。語彙力ないので難しいですね。
とりあえず源氏兄弟がいつものやり取りしてると、ほっこりします。
余談なんですけど、膝丸役の方……あの……私より5~6歳ほど年下のようで……筋書きみたとき驚きました……。役者さんってほんとすごい。

コラボのお弁当も美味しかったです。
私より前に観ていたお友達に「お弁当は予約しないと売り切れるよ!」とアドバイスを貰っていたので助かりました。
本当はアイスの方もいただきたかったのですが、ちょっとお腹に入らなかった……。

客席に入る前、多分お着物着ていらしたので演者さんかなぁと思うんですが、
その方と審神者(観客ではなく原作ゲームプレイヤーの意)さん数人が和やかに会話されてたのが結構印象的でしたね。
「どちらの方?(多分刀剣男士のこと)をお目当てで~」とか「そのお二人が大変な人気のようで~」みたいなことが漏れ聞こえてきました。
応対が丁寧だし、言葉遣いがとても綺麗。
普段生活していて、「左様でございますか」なんて聞かないもの。
あー歓迎してくださってるんだなって思えましたね。
開演前には客席でじゃんけん大会? が行われていたみたいです。色々用事をこなしていたら着席がギリギリになってしまったので、残念ながら参加は出来ませんでした。

そしてあの……前説のファンサ、あれ、何……?
すごいカメラにポーズ決めてくださるし、手も振ってくださる……会話も可愛い……
花道左なのでこちらにはいらっしゃらなかったのですが、見ていてとても楽しかったですね。
カテコの下り好きです。SNSやってる人は大体知ってるもんね。

あと、幕の隅に資生堂のロゴが入ってて、なんでかなと思っていたのですが、よく考えたら歌舞伎用のメイク用品を生産してるってことですよね。化粧品メーカーですもの。
(後で調べたら、伝統化粧品を作っているようで、あっ、そりゃロゴ入るわ、と思いました)


はい。気になっていた舞扇の色について。
三日月、小烏丸、膝丸、同田貫の4振りが、途中で舞扇を使いますが、それぞれのカラーリングに個性というか、キャラクター性が出ています。
膝丸以外の3振りは本人たちのイメージカラーなんですよね。
(刀ミュ本丸、刀ステ本丸も追っているので、多少の刷り込みは否定できません)

最初に見た時は「なんで紫?」と思ったのですが、以前、膝丸役の上村吉太郎さんがツイートされていたようです。
(埋め込みが機能してくれないので、リンクを貼っておきます)
https://twitter.com/kichi1326/status/1676571422830002178?t=m41cqamT8qccpg2rneWZZw&s=19

確かに、膝丸の衣装に要素ありますね。

……といいつつ、個人的に思ったことなのですが。
色彩学的に考えると、最適解だったのでは? と後から思いました。

さて、それでは、膝丸の舞扇について、
①膝丸のカラーリング 
②4振りの舞扇の色 
の2点から考えていきます。
ここからは完全に私の趣味ですので、ご容赦くださいませ。

まず①膝丸のカラーリング から。
今回(歌舞伎本丸)に限って言えば、
ウィッグ:パステル系の明るいグリーン
お顔:白、赤
衣装:白、黒
舞扇:赤紫(、金)
が基調となっています。
これを色の指針である、明度、彩度と色の分類、パーソナルカラーにおけるシーズンに分けて整理します。
※舞扇の金については、取り扱いが色とは異なるため、考察からは省略します。
※細かい用語については、後述します。

部位、色に関しては特に説明いらないと思うので、明度・彩度について書いておきます。

明度とは、色の明るさのことです。明るければ「明度が高い」、暗ければ「明度が低い」と言います。

彩度とは、色の鮮やかさのことです。真っ赤、真っ青といった、混じりけのない鮮やかな色であれば「彩度が高い」、パステルカラーやスモーキーな色など、別の色が混じった色では「彩度が低い」と言います。

ちなみに、白・黒・グレイなどは色み(赤、青、黄、緑など)を持たないため、明度のみでしか表すことができません。これを「無彩色」といい、色みを持つ色は「有彩色」と言われます。

それでは、各部位のお色についてもう少し深掘りしていきます。

まず、ウィッグ・眉について。
明るめのパステル調ですね。明るく、鮮やかなお色です。
シーズン分類はサマーとも迷いましたが、サマー色と言われる「秘色(ひそく)」と比べると黄みが強く、より「百緑(びゃくろく)」に近いため、こちらの分類です。

秘色(左)と百緑(右)


お顔の色ですが、現地や筋書きのお写真を拝見した限り、真っ白! というよりは、少し青みがかった印象のあるお色でした。
お肌の色の特徴として捉えると、ウィンターが該当します。

他の演者さんだと、陶器のようなザ・真っ白!なお色は三日月・兄者の2名ですが、兄者の方が少し明るいですね。
青みを感じるのは小狐丸、同田貫、膝丸の3名、よくお顔に馴染んでいて、透明感を感じるのは小烏丸、といったところです。

また目元・唇に使われている紅の色ですが、こちらも鮮やかなザ・赤! というよりも、少し暗い赤で、青みがかっています。ちょっと赤紫に近い感じですね。
色の名前で当て嵌めるのであれば、ラズベリーレッドやピアニーが近いでしょう。これらもウィンターに該当します。

ラズベリーレッド(左)とピアニー(右)

舞扇の色も上記の画像のお色に近い赤紫でしたので、同様にウィンターへ分類します。

衣装の黒、白ですが、はっきりした黒や白はウィンターに該当します。だからこそウィンターさんに似合う色である、とも言えます。
無彩色のほとんどはウィンターに分類されます。

表を見た時に気付いた方もいらっしゃるかもしれませんが、シーズン分類をすると、ウィッグのお色以外は全て「ウィンター」に該当します。
仮に舞扇の色がウィッグと同じ色であったとすると、ウィッグ・眉・舞扇の3つがお顔や衣装と馴染まないことになります。
それでも、一か所でない以上、また明度が高い色が他にもあるため、そこまでの違和感は出ません。

それでは、他の3人の舞扇とも色を比較していきましょう。


それぞれ、舞扇に使われている色と、膝丸の舞扇の色がウィッグと同じだった場合を仮定して、分類してみました。
今回、シーズン分類はそこまで大事ではないので省略しています。

ここで大事なのは、色の鮮やかさ、”彩度”です。

白、黒は無彩色なので彩度はありませんが、色としては、はっきりした色です。
そして、色みのある青(三日月)、赤(小烏丸)、赤紫(膝丸)は全て彩度の高い色です。

仮に膝丸の舞扇にパステルグリーンが使われていたとすると、この色だけ彩度が低く、ぼやけてしまい、浮いて見えてしまうことでしょう。
もしくは、他3振りの鮮やかさに負けてしまい、引きで観た時に視線が向きづらい、なんてこともあるかもしれません。


パーソナルカラーでは、【調和】をとても大切にします。
パーソナルカラーにおける調和とは、色みや明度、彩度が、お顔や体・服装やアクセサリー、ヘアカラーなどと釣り合っていることを意味します。

例えば。
お肌に黄みを含んでいたり、瞳の色が黒ではなく茶色系の方は、同じく黄みのあるイエローベースのお色が似合います。
この方が無理に青みの強い色を身に着けると、黄色みと青みで喧嘩になってしまい、ちぐはぐさを感じたり、顔色が悪く見えたり、シミやクマなどの肌のネガティブな要素が目立って見えることに繋がります。

この【調和】の観点で言えば、膝丸の舞扇の色はあの色で大正解だったと思うのです。

……と、多分、製作の方々はそんなこと考えていないと思いますが、せっかく色彩学を勉強したので分析してみました。
正直めっっっちゃ楽しかったのは否めない。

今回は、鑑賞中に特に気にかかった膝丸の舞扇について色々分析してみましたが、6振りのメイクや衣装の色・形についても考えてみたいので、またどこかで記事を作ります。
千秋楽の配信を購入する予定なので、じっくり時間かけられそうですね。
その時はまた改めて感想も書いていきます。

さて。
人生初の歌舞伎鑑賞でしたが、その人生初が「刀剣乱舞」で良かったと思います。
ずっと敷居の高さみたいなものを感じていて、正直、お友達から勧められていなかったら行っていなかったし……、演者さんのツイートや、鑑賞された方の感想などで、「あ、なんか楽しそう」という気分になれました。
あと、少し前に「三人どころじゃない吉三」を観に行っていたので、ちょっと歌舞伎に興味出ていたのもあるかもしれません。
刀剣乱舞以外にも色々と面白そうな演目があったので、どこかで行ってみたいと思います。


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