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農業をひも解く26 ~農業分野の労働安全衛生~

農業という「産業」について、なんとなく、

ああ、いいお仕事ですね。

といった感覚をお持ちの方は多いと思う。それはあながち間違っていない。
こんな禍の折、何も気兼ねすることなく仕事をできる産業ってのも少ない。

また、人が生きるために必要な「食物」を作る重要な産業って感覚もあるだろうし、自然と一体になってやっていける産業、という見方もあるだろう。

だが、別の側面も知っておく必要がある。それは、

農業は、大変危険な産業である。


という事実だ。

https://www.maff.go.jp/j/seisan/sien/sizai/s_kikaika/anzen/attach/pdf/index-31.pdf

下のグラフをご覧ください。

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農業においては、

年間300人前後の方が、農作業事故で亡くなっている。

という事実。


続いて、このグラフ。

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ちょっと古いデータだが、

他産業は事故を大きく減らしているのに、農業では全然減っていない。

という事実。

そう。
農業は、農作業事故で亡くなる方がたくさんいるにも関わらず、それを減らそうという

産業的な取り組み


が全くなされていない産業なんである。

クルマでいえば、エアバッグに前方監視システム。
建設業さんでいえば、ヘルメット着用に、足場取り付け。
・・このような改善がなされてきたけど、農業ではそんなことがほぼ無い

これが現実である。

この原因の一つに「法律」がある。

要は、「指定業種」といって、対策を講ずべき産業に「農業」が入っていないから、手を付けられていない、ということですね。

じゃあ、「法にないからやらなくっていいのか?」っていうと、全然そんなことはないんであって、

法にない=やらなくていい


といった考えが、先の死亡事故の結果を招いていると考えるべきだ。

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なので僕は、法にないけど、農業も、他産業並みの労働安全衛生対策を講じるべきだと考えた。

それが2年前。

あれから自分でいろいろ調べたり、自ら資格試験を受講したり、その資格をもとに農家さんに教えたりして確信した。

これはやるべきだ。


と。

そして昨日。
JA(農協)さんやお役所さん、労働局さん、そして、農機具メーカーさん等々にお声掛けして、

農作業安全推進会議


を立ち上げることができた。
目標はシンプルに、

農作業事故ゼロを目指す!!


これである。

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こういったものは、立ち上げてからいかに活動し、実績を上げるかが大事だけれど、こうやって「カタチ」を作ることができたことは、素直に自分を評価してよいと思う。

さあ、新年度からは実践だ。

農家の皆さん、事故を起こしちゃダメですよ!


みなさんの「命」以上に大切なものはないのですから。

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