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今日の参拝57 ~水の神 2~

僕は、「下社」にやってきた。
御祭神は、クラオカミ。
小雪が舞って、こちらもすごく寒い

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写真はないが、ここには、生きた

神馬

がいる。白と黒。
「絵馬」が形作られる以前のもとの形が、ここには残っている。
この日は吹雪いたので、厩舎の中でおやすみ中。(笑)

二の鳥居をくぐり、拝殿へ。
シンプルなつくりだ。

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この拝殿から、山の上の神殿に、長い屋根付きの階段が伸びている。
これを、

階(きざはし)

といって、年1回の6月の神事の時にしか使わない。
掃除もしないというから、徹底ぶりがすごい。

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当然、神殿は見えない。

ゆっくり境内を散策し、僕は社務所に立ち寄った。

ちょうど外から戻ってこられた宮司さんと、なんとなく会話が始まり、僕が〇〇県から来た、と言うと、

「当社と〇〇県は、深いご縁があるんですよ。」

と、いろいろなことを教えて下さった。

白と黒の神馬がいる理由、
階は、少し左(正確に真北)に振っていること、
その延長に、平城京・平安京といった都があること、
さらに北には、若狭の
「神宮寺」、さらに先には「御神島」があること、
昔は、下社の御祭神は「御神」といったこと、
古文書に、現代の世の中の預言があること、etc.

中でも僕がはっとしたのは、

神殿には、

八百万の神を崇敬しなさい

という教えがある

ということだった。
全てのものに神が宿る、日本人として、信仰の原点に返った気がしたのだ。
思わず僕は「うーん・・」と唸る。

「せっかくですから・・」

僕は宮司さんに昇殿のお計らいをいただき、略式の正式参拝をさせていただけることになった。

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御簾の真ん中が開き、小さな御座が敷かれる。そこに座って階の最下から
上を見上げると、75段の階のはるか上方に、神殿の入口が小さく見えた。

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「ありがとうございます。」
感謝の言葉しかなかった。

「階は不思議で、何もしていないのに、青光りの光が見えたりするんですよ。」

案内してくださった、若い宮司さんがおっしゃる。
きっとそれは、神の御業なんだろう。

奈良の吉野で、地元とのつながりを確認するとは思わなかった。これは改めて、神宮寺や御神島に行かねばなるまい。

名残惜しかったけど、時間が迫る。

僕は宮司さん達にお礼を言って、中社に向かった。

最後に、幕末の宮司、橋本若狭の句を紹介しておこう。

川上の神の心を こころにて
濁れる世は 澄むとぞ思ふ

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