己のカルマを確かめる
師匠が、新しい施術を始めた。
今回僕は、この
カルマ
というものを、どうしても確かめたくて、師匠の元を訪れたのである。
僕の場合、
・自分の内にあるカルマ
・自分の外にあるカルマ
この二つがあるのではないかと考えていた。
なければ「ない」でいい。
「ない」ものとして進むだけだ。
お茶をいただきながら、いろいろ話し込む。僕にとっては「告白(ゲロ)」もあるわけが、とにかくここできちんと意思疎通をしておくことが重要だと思う。
2時間近くも談笑して、いよいよ施術の時が来た。
僕はベッドに横たわる。
後は師匠に身を任せる。
うつらうつら・・
「無心」にはなれなかったが、時折ふわっと眠りながら、30~40分ほど経っただろうか。
「はい。お疲れさまでした。」
終ったようだ。
「私はどの施術を受けたんでしょうか?」
「”櫻華”ですね。カルマはなかったです。ただ・・」
「ただ?」
「右脚のふくらはぎ辺りに、細かい、小さな妖怪のようなものが、沢山ついていました。」
「右脚。それで?」
「祓っても祓っても湧いて出てくるので、おかしいと思い、よく見たら、右脚に”根”が絡みついていました。」
「根!?」
「はい。何かわけの分らない世界から伸びている根。それに吸い取られている。つまり、その世界に、片足を突っ込んでいた・・ということです。」
「なので、その根は枯らしました。大丈夫とは思いますが、しばらく意識をそこに向けて様子を見て下さい。たまに塩で清めるのも良いと思います。」
「ありがとうございます。実は、クルマの運転中など、右脚がしびれていて、骨盤が歪んでいるとか、そういうこと以外に何かあるんじゃないかと考えていたんです。・・やっぱりそうか・・」
「そうでしたか。それとあと、顔が半分溶けて ”どくろ” のようになった小さな女の子がいて、最初は ”うわっ!” と思ったんですけど、みるみるうちに肉がついて、ふくよかなかわいい顔になりました。
”自分は忘れられていた”・・と。」
「”一緒に上がるか?” と聞いたんですが、”まだここにいる” と言うので、連れては行きませんでした。」
「けれど、とても喜んでいて、何度も出てくるので、時々気を向けてあげて下さい。この子に心当たりはありますか?」
「はい。ご先祖様に一人そういう方がおられるのと、僕の下に生まれなかった命(たぶん妹)があるので、それかも。」
「まだ他にも、ずっと遡った家系の中にそういう人がいるかもしれません。
”愛されなかった”
というカルマ。」
「なるほど。それは腑に落ちます。」
・・・このような感じだった。
「冥月」の施術を受けることはなかったものの、
・自分に絡みつき、吸い取る何かがあったこと。
・溶けて、どくろのようになりつつあった「女の子」がいたこと。
このような事に気が付くことが出来て、本当によかった・・と思う。
しばらくはこの「体(てい)」で僕は進む。
道はまた少し絞られた。
時間はあまり残されていないかも知れないが、
行こう。
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