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床の間で向かいあう日本とブラジル〜雅叙園・百段階段の「十畝の間」〜

目黒の雅叙園で百段階段を見学した時に
最初に入ったお部屋が
「十畝の間」(じっぽのま)
でした。

百段階段は
7つのお部屋それぞれに
装飾が異なるのですが、
このお部屋は画家、荒木十畝が担当したため
この名がついているのです。
 
百段階段の中ではいちばん大きなお部屋で、
天井の花鳥画がお見事。
 
その中でも
「南天(難を転じる)」
など、吉祥文様が使用されているのです。

 
雀の天井画もあるのですが、
雀は厄をついばむと言われ、
やはり縁起が良いのだとか。
(初めて知りました。)

十畝の絵が暗めの色彩なので、
それに合わせてお部屋の調度も
暗めの色合いになっているのだそうです。
 
黒漆に螺鈿の細工も美しく輝いていました。

そして、そんな螺鈿細工の中にも
吉祥文様である龍と鳳凰がいたりするのです。
 
(雅叙園のモチーフにも龍と鳳凰が使用されています)
 
そして、床の間の左右の床柱には
異なる堂々とした木が使われています。
向かって左はあららぎとも呼ばれる
一位(いちい)。

非常に木目が美しく、
その昔、天皇が持つ笏として献上したところ、
喜ばれて、最高官位の「正一位の」笏とされた、
ということから「一位」の名がついたのだとか。 
それに対する右手の柱は「パオ・ブラジル」。

名木として知られる木で
南米のブラジルの国名も、
この木の名前に由来しているのだそうです。
 
昭和初期には南米から面白い木材が
たくさん日本に入ってきたため、
雅叙園では各所に南米の木材が
使われているとのこと。  

まさか、この純和風の建物に
南米の木材が使われているとは。 

一つの床の間の左右に国も違う床柱が
使われているのも面白いですね。
 
今回も最後まで読んでいただき、
ありがとうございました。

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