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日本の美術って、なんて美しいんだろう。〜目黒雅叙園・百段階段〜

昨日の満月、きれいでしたね。 

さて、去年の春、目黒雅叙園には「百段階段」というところがあり、
おひなまつりの季節には特別な展示があるということを知りました。
 
残念ながら、去年は見逃してしまったので
今年展示があれば是非行きたいと待っていたのです。
 
今年は
「初春の文化財見学 百の縁起もの」
という特別展示があり、中でも2月から3月半ばまでは
「つるし飾りと早春の風景」
という期間限定装飾が行われることを知り、
「今年こそ!」
とチケットを予約しました。

100段飾りチラシ

ちなみに、目黒雅叙園は
普段ならわたしが足を向けることもない格調高いホテルですが、
「百段階段」は美術館のような施設なので気軽に遊びに行くことができます。
 
百段階段は1991年に雅叙園が大々的に
リニューアルされる前は
「目黒雅叙園3号館」
だったと聞いていたので、今も別館なのかな?と思っていたのですが、
雅叙園の中にありました。 
 
目黒駅から5分ほど歩き、雅叙園に入ってすぐに百段階段への専用エレベーターが。


このエレベーター、扉も内部も見事な螺鈿細工。

しかも、どこか可愛らしい獅子に牡丹、
なんて贅沢な「唐獅子牡丹」!!

金獅子牡丹エレベーター

現在の雅叙園では
1935(昭和10)年に建てられた当時の
木造建築物として残っているのは
この百段階段だけなのだとか。
 
わたしは今回初めて見学に行ったのですが、
金曜と土曜日の夜は一般公開時間終了後に
人数限定でギャラリートークを聞きながら
いわば貸切状態で展示を楽しむチケットを予約しました。

1回15人限定ですが、
昨日参加したのはわたしを含めて8名。 

ですから、密になることもなく、
スタッフの方のお話を伺いながら
ゆっくり見学することができました。
 
写真も撮影OKで、S N Sなどにあげても良いとのことでしたので、
(「どんどん宣伝してください」とのこと)
遠慮なく、写真も取らせていただきました。

百段階段展示入り口

言葉通り、長い階段を登って行き、
その途中で七つのお部屋を見学するのですが、
それぞれのお部屋を担当する画家さんも違い、
意匠や雰囲気も違うので、
お部屋に入るたびに驚きと感激があります。
 
元々は雅叙園は料亭で、
この百段階段にあるお部屋も
お客様が宴会やお食事に使われていました。
 
雅叙園が
「大衆に開かれた料亭」
を目指して開業したのは1931年(昭和6年)、
お料理の準備にもまだまだ時間がかかる時代でした。
 
そこで、
「ここで過ごす日は、お客様が一日『お大尽気分』で優雅に過ごせるように」
「お客様がお料理を待つ間も楽しめるように」
と室内を壁画や天井画が、彫刻などで装飾したのです。

障子装飾

「その当時はお客さまは座ってお食事をされていたので、
天井から床まで楽しんでいただけるように装飾していたんです」
というお話の通り、天井画も、襖の細工も
床に座って見たほうが美しく見えるのです。

それにしても、日本の美術は、なんて美しいんでしょう。
 
文字通り贅を尽くした建物ですが、嫌味がなく、品がある美しさに
心が洗われました。

桜内かけ


ガイド役のスタッフさんも慣れていて、
「この前は高田純次さんが
『じゅん散歩」という番組のロケにいらして
この階段を軽やかに登っていかれました」
などとこぼれ話も聞かせてくださいました。
 
写真もたくさん取らせていただきましたし、見所も多かったので、
数回に分けてご紹介させていただきますね。

百段階段全体

 
今回も最後まで読んでいただき、
ありがとうございました。
 
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