キヤノンのEOS R5をプロのフォトグラファーが使って3年経って思うこと

キヤノンのEOS R5。
発表のときの興奮は忘れられません。
「ようやく、使えるミラーレスをキヤノンが出してくれた!」
帰り道に、キヤノンの発表のライブをイヤホンで聴きながら、興奮したのを覚えてる。
すぐさま注文して、購入して以来、とにかく買ったことを一片も後悔していない、とても稀有な製品でした。

プロのフォトグラファーで、撮るものはさまざまです。先日は、ジャパンモビリティショーに行って、ひたすら車を撮り歩きました。インタビューの撮影でも使っています。
仕事では

キヤノン EOS R3
ソニー α7Ⅳ

を使うこともありますが、それはごく稀です。9割以上は、R5を使い続けています。

作例は面倒くさいのであげません。ただ思うところを、つらつら書いていきます。

利点① 軽い

軽いは正義です。
それまではキヤノンのフラッグシップを使っていましたが、とにかく重い。
フォトグラファーたるもの、常にカメラを持ち歩くようにと思っていましたが、重いものは持ち歩きたくありません。シンクタンクのキャリーケースに入れていましたが、取り出すのも面倒くさい。
今は、ピークデザインのエブリデイバックパックv2の30リットルに、EOS R5+RF24ー240mmを入れていますが、この機材だけで、仕事は8割は、何とかなります。何とかならない現場のことのほうが少ないです。この一台で全てできてしまうので、軽くて、おかげ移動も楽になり、そして仕事が増えるという好循環にまでつながりました。

利点② 機能性が高い

小さいカメラなのに、高画質。連写も聞く。AFもしっかり合う(暗所は若干、苦手なようだけど)。フラッグシップじゃないといけなかったことがどんどんなくなっていってしまいました。
ちなみに同時期に出たEOS R6を選ばなかったのは、4500万画素だったことです。クロップしたところで2100万画素(くらいだった気がする)。望遠のほうはとにかく何とかなります。
あまりに高画素なので、仕事ではJPEGのMサイズにしています。RAWで撮るような仕事はほとんどありません。趣味で撮ったりもするけど。

利点③ 優秀な高倍率ズーム

つまり、RF24−240mmがとても便利。
ソニーにもFE24-240mmがありますが、なんとなく、ボケがうるさい気がする。
RFのほうはほぼそんなことはありません。
流石に頑張るポートレートのときはRF70-200mmF2.8を使って、「やっぱり大三元はいいなあ」とか思ったりもするけど、普段はそんなに絞り開放で攻めることもないです。
十分、十分。
広角が必要なとき用に、RF16mmF2.8というちっちゃい単焦点も持ってます。
STMなので、AFがイマイチ遅いのが玉に瑕だけど、そんなにシビアな現場では使いません!と割り切ることで何とかなる。そもそも、広角にそんなに頼っちゃいけない。

概ね満足なのですが、イマイチなところもちゃんとあります。

イマイチなとこ① バッテリーの持ちが悪い

仕事柄、スチールも映像も撮るのですが、映像を撮るとすぐに、バッテリーがなくなってしまいます。これはソニーの方が優秀。バッテリーパックをつけると携帯性が落ちるので、バッテリーは常に予備を2個携帯して、何とかしています。たまに充電し忘れて焦る時もありますが。もっと買ったり、モバイルバッテリー給電も考えなくはなかったですが、携帯性を重視。

イマイチなとこ② サイレント撮影時に連写コマ数が選択できない

現場によってはシャッター音を消す必要があるけど、サイレント撮影時は強制的に秒間20コマ。1枚切ったつもりでシャッター押しても、3枚は撮れてしまう。これで連写しようものなら、サムネイルは映像のコマ切れ状態。Bridgeで画像を確認すると、動画見たいな滑らかさで、動いてしまう。あとでのセレクトが非常にめんどくさい。
この辺りは、R6MarkⅡでは改善されているそうですが。

イマイチなとこ③ レンズが高い

誰もが言っていることな気がしてきましたが……。
やっぱりレンズが高すぎる。
ソニーでは充分使えるタムロンのレンズとかあるけど。
逆に、サードパーティがないからと割り切れるとこはあります。

色々あったけど、満足。でも……

本当に満足しているのですが、新製品に本当にワクワクしなくなったのが、今、一番、不満なとこ。
以前はあったんですよ。手ぶれ補正をしていると映像で歪みが出たり。でも、ソフトウェアアップデートで一気に改善されてしまった。

これでR5MarkⅡが出たら、すぐに買うか? と言われると、多分、買わない気がする。

欠点も目をつぶれるし、現状で、これは何とかしてほしい!という不満がない。
でも、最近は、実はα7Ⅳの方がよりコンパクトで使いやすいんじゃないかと思い出し始めた。
ソニーについては、シャッター幕が降りずにセンサー剥き出しのため、センサーに埃がつきやすいことが気になって、離れていました。
でも、最近、ふとひさしぶりに手にとると、コンパクトさに改めて驚いた。
ホワイトバランスも取りやすいし。
タムロンの28−200mmと組み合わせたら、同じように使えるのかな、ちょっと試してみたいような。

でも、年間300日は常に手にしていると愛着はわいてしまう。グリップの端が擦り切れたり、細かい傷も目立つようになって、逆に愛機として愛でてしまう。

写真を仕事として11年経つけど、これだけ一台のカメラを使ったことはないというカメラです。

ふと思い立って、記憶だけを頼りに書いたので、間違いがあるとは思いますが、概ね合ってるはず!

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