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海外で日本語教師をするということ(4)授業コマ数編

日本語教師を始める前、授業数だけ見ると「こんな授業数が少ないんだ!」…じゃあお給料も悪くて仕方ないと思っていました。私は何も知りませんでした。授業以外のさまざまな準備や授業後の作業などに追われ続けることを。結局は、フルタイムで働いていた時かそれ以上働いていた時もありました。

1.コマ数

中国の学校では、45分×2つ(計90分)で1コマと換算していました。

最初の学期は、新人という理由で、週に10コマの担当を割り振られました。(ただし、私は契約した時の説明と大幅に異なっていたため、のちにコマ数は減少しました。)

当たり前ですが、学校の規模×日本人の数(中国人教師の不足数) でコマ数は決まっていくため、一概には言えないのですが

だいたい5コマ〜8コマが標準なのかなと感じました。

人手不足の学校では最大12コマを担当している先生もいらっしゃいました。

2.コマ手当て

コマが多くなると、基本のお給料に+αでついてくるのがコマ手当て

ただし学校によって、何コマ目から手当てがつくかは大きく異なります

基本給内に入るコマ数が、6-12コマまで学校によってバラバラです。一番よくないパターンは、基本給は低い+基本給内に入るコマ数が多い学校です。12コマ持ってても何も手当てがつかない先生もいれば、7コマ目から手当てがつくので、より稼ぐために沢山授業を担当している先生もいました。

3.働き出してわかったこと

10コマでも、週に7.5時間労働、楽勝じゃん!?なんて気楽に考えていましたが、一回目の授業に行って、全身から滝の汗が流れているのを実感しました。

コレハヤバイ!

色々な要因はありました。

・それまで日本語が上手な学生か完全初級者との教授経験や交流経験しかなく、その中間レベルのような学生に対しての話し方をできなかったこと

・語学のクラスなのに人数が多い!30人から60人ほどいることも。課題のチェックに追われていました。

・人手不足になり、中国人の先生が中国語で説明している上級読解の授業を持たなければいけなかったこと。しかも、その授業の担当クラスは、よりにもよって、新人なので、ほかの先生方が受け持ちたくない日本語力がとても低いクラスでした。よって、日本語でのコミュケーションは難しく、上級読解の授業どころじゃありません。こちらが毎回中国語訳を準備しなければいけない状態でした。

日本語力が低い…というのは、頑張ってもできない、という学生が多いのではなく、親の勧めで入学したためそもそも日本語に興味はない、卒業後は日本語以外で進路を考えているなど、意欲の問題が大きく関わっていました

・ほかの先生は中国人で、中国語で授業を行なっているので、日本人の私が日本語で担当することに対して学生が不公平感を感じること。理解ができない不満の矛先が、私自身に向いて、反感を生む

4.労働時間とは

日本では、先生によると思いますが(それでもLINEのIDを公開している方は少ないでしょう)、中国ではLINEに当たるWechatを学生に公開しているのが普通です。

朝でも夜でも構わず、学生が疑問に思うことがあればいつでも連絡がきます。学生にとっては、最高の学習機会です。教師側にとっては、最初は熱心に応えるものの、だんだん手間や時間をとられる作業の一つになってきます。中には、ただ日本語で雑談をしたいだけの学生もいます。

また中国の暗黙のルールで、メッセージは基本即レスです。日本では、たまに何時間か何日も放置する人がいますが、そういう人は現地ではあまりいません。自分の都合のいい時に返す、という習慣は根付いてない気がします。私はその点については今でもストレスに感じています(笑)

また外国人教師は、学生からよくご飯や遊びに誘われます。学生は、そのようなことを通して、日本語を学ぼうとしたり、仲良くなって成績をよくしてもらいたいなど色々な思惑で連絡をくれます。こちらも学べることはありますが、授業準備や宿題チェックで手一杯でなかなか遊んでもいられません。

これは人によって考えもわかれると思いますが、特定の学生とだけ個人的な付き合いをするのは、ある意味、差別になるのではないかとも思ったり…。

断ってばかりいると、なんとなく関係性もギクシャクしてきたり、Wechatの投稿機能でこれ見よがしに、付き合いが悪いことへの不満を書く学生もいて悲しい思いをしたこともありました。

自由度も高い仕事で、そこが魅力でもある一方、その分、タイムスケジュールをしっかり管理して、日々やってくる出来事を取捨選択する難しさを感じます。

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