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データアナリストからのジョブチェンジ


2022年2月にメルロジにデータアナリストとして入社してから2年以上が経ちます。最初はデータアナリストだったものの、割と早い段階で事業開発に役割を変え、現在に至ります。今回はデータアナリストをキーワードに、自分がどう考えてどう動いてきたのかを振り返ってみます。

データアナリストとしてやっていたこと

当時、メルロジはメルカリポストという無人で荷物を発送できるデバイスを開発して設置を進めており、メルカリポストを拡大するための分析が私のミッションでした。したがって、仕事内容は以下のようなものでした。

  • どこに設置するべきか?という分析
    小売店の出店戦略と同様、多くのお客様が訪れやすい場所に設置すべく、社内のデータやGISを使って分析していました。HELLO CYCLINGさんの記事がイメージに近いです。

  • どうしたら利用数を伸ばせるか?という分析
    ある場所に設置したら、お客様に知ってもらい、使ってみてもらう必要があります。Howとしてはデバイスを目立たせたりキャンペーンを行ったりと様々ですが、効果的なHowを特定すべく分析するイメージです。

  • メルカリポスト以外のいろいろな分析
    メインの分析は上述の2つですが、ロジスティクス関連のほかの施策に関する分析もしていました。新しく配送サービスを開発した場合のインパクト試算や、実施した企画の効果検証などが該当します。

仕事内容としてはとても面白く、良い機会をいただけたと思います。

自分はデータアナリストじゃない方がいいかも?

日々の分析を行ううちに、自分はデータアナリストじゃない形で事業に貢献する動き方のほうが合っているのかもと考え、結果的に事業開発という役割に転身しました。
その要因を、良い分析はこうあるべきだという自分なりの思想とセットで記述してみようと思います。雑にまとめると、「問いの立て方や実行力の方が価値を生むレバーとしては大きくて、そのレバーを持つ役割は事業開発やPM(プロダクトマネージャー)なのではと考えた」という内容です。
(※データアナリストという役割自体は素晴らしいものであり、データアナリストが問いを立てる力や実行力に寄与している組織もあると思います。私の場合はこう考えただけと捉えていただけると幸いです。)

どんな問いを立てるかでほぼ決まる→自分が問いを立てればいいのでは?

問いといっても、「3年で企業価値を2倍にするには?」「このサービスの継続率を改善するには?」「この機能はこういったお客様に喜ばれているのでは?」など粒度は様々ですが、いずれにせよ良い分析は良い問いから始まります。
データアナリストとしては「こういう分析をお願いしたい」という風に手段ベースで相談をいただくことが多いので、「目的はなんでしょうか?」という確認から始まり、「その目的であれば、こういう分析をしたほうが良さそうですね、それをやりましょうか?」という風に、コンサルティングを行うような形で仕事を進めていました。
問いを研ぎ澄ます行為に価値を感じていたところ、以下のような思考に至りました。

  • 都度依頼される立場ではなく、事業を伸ばすためにその時々で適切な問いを立てていく立場で動きたいかも
    データアナリストがそのような役割を担う組織も勿論あると思いますが、私の状況においては、事業開発やPMが主として担っているように見えました。

  • 事業開発やPMのほうが筋の良い仮説を立てられるような気がする
    組織や個々人の能力によりますが、当時は「都度分析を依頼されてその時にじっくり考える自分よりも、常にそのプロダクトに向き合って、どうしたら良くなるかを考え続けている事業開発やPMのほうが良い仮説を立てられるのでは?」と感じました。

行動して変化を生まなければ意味がない→自分が行動すればいいのでは?

良さげな分析をしても、行動につながらないのであれば意味がないと思っています。例えば、「こういう属性の人がプロダクトの価値を感じてくれると分かったから、そのような人たちに届けられる形でプロモーションを行おう」のように、分析結果に対してSo What?があるとよいです。この例は「効率的なプロモーションを行うには、どんな人をターゲットにすればよいか?」という問いから始まっている場合もあるので、問いや目的の設定と似た議論になります。
一方で、「行動につながるような分析結果を得られたが、実際にやり切れるかどうかは別問題」という側面もあります。むしろ分析力よりも実行力で差がつくことの方が多いのではないかと思っています。
結局実行力が価値を生むよな~と考えているうちに、「自分が行動する立場になるべきでは?」という考えに至り、イメージに近いのが事業開発やPMでした。

1.5年ほど事業開発をやってみて

楽しいです。事業開発という役割自体が面白いと感じており、データアナリストの経験も非常に役立っています。そのような例を挙げてみます。
(※事業開発の面白さについてはまた別の機会で。)

  • 気になったら自分で分析できる
    良さげな問いが浮かんだときに、アナリストに依頼するのではなく自分でSQLなりPythonなりを使って分析することができます。その分スピードが上がるわけですが、もちろん経験豊富なアナリストの方々に相談させていただいた方が良いことも多々あります。その際にも自分がアナリストならこういう背景情報は欲しいなという感覚があるので、スムーズに相談できる気がしています。
    余談ですが、自分がアナリストとして依頼される立場だったときは「そんなふわっとした目的で依頼しないでくれ!他にも依頼があるんだ!」と思うこともありましたが、自分で分析するときはかなりふわっとした状態でもとりあえずデータ見てみるかと考えてしまいがちです。

  • 分析経験から、勘所が分かることがある
    事業開発やPMにおいては、「事業やプロダクトの成長のために問いを立て、実行し、改善のサイクルを回す」というのが重要な役割の一つになります。その際にボトルネックの特定にファネル分析の考え方が有用であったり、検証の際にA/Bテストの考え方が有用であったりします。
    また、プロダクトを作る場合はどのようにデータを持つのかが開発観点ではかなり重要になります。データアナリストはプロダクトからどのようにデータが生まれ、どのように保持されるのかを理解して分析してきた場合が多いので、エンジニアとの会話がスムーズになることがあります。

要は「分析経験のおかげでスムーズに仕事を進められることがある」ということになります。データアナリストを経験したというには期間が短いので恐縮ですが、貴重な経験をさせていただいたと思っています。仕事における思想はデータアナリスト時代に確立したものが多く、今後も影響が大きいと想像しています。(ちなみに現デジタル庁所属の樫田さんのnoteに大きな影響を受けています。おすすめです。)

私の場合はバックグラウンドがたまたまデータアナリストでしたが、CSやソフトウェアエンジニアなど異なるバックグラウンドを有していたらどんな思想で仕事をしていたんだろうと興味が湧くときがあります。そういう話しようぜという方がいらっしゃったらお声がけいただけると嬉しいです。

最後まで読んでくださりありがとうございましたmm


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