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ゴミ拾いで千日回峰行の仏様

昨日、知人から紹介されて青森県内でゴミ拾いの活動を15年ほどされている方に会った。もともとは函館のお生まれ。ご結婚とともに、旦那さんの地元の青森市内へ、津軽海峡を渡って移動された。

その旦那さんの地元の海岸が、めちゃくちゃ汚かったらしい。青森は日本でも有数のゴミ排出量らしく、不法廃棄されたゴミが川から海に流れ、沖にいく前に海流の影響で浜辺に戻ってくる。

そのご夫妻は、家の近くの浜辺を毎日散歩しながら清掃していたらしい。けど、綺麗にしたと思ったら、次の日にはまた増えている。その繰り返し。

数年間毎日ゴミ拾いをした結果、「そうか、これは浜辺のゴミを拾うんじゃなくて内陸のゴミを減らす活動をする必要があるんだ」と思われたようで、活動を展開し始める。最初は青森市内で、だんだんと青森県内へ展開していき、いまは県内の至る所でボランティアのゴミ拾い活動を続けられている。

その中で、いまはボランティアの人たちが使うゴミ袋や資材の費用を県にもってもらえないか、やり取りを続けているらしい。最近はいろんな議員さんに働きかけ、仲間にしていく、仲間を広げることも積極的にしてるんだとか。

「もう、私なんて仏教で言う千日回峰行どころじゃないくらいゴミ拾いしまくってるんですよ。仏様も見てくれてるかなあ。仏様、だんだんと青森を綺麗にしてくださいーって、思ってるんだけどね」
大きな笑顔を浮かべながら、彼女はそう言った。

その笑顔を見て、あなたのような人がいるから、日本の街の、自然の美しさがなんとか保たれているんだろうな。そんなふうに感じる。
そして、周りの人から見たら、あなたが青森の仏様のようにも見えるんじゃないのかな、ともその場で思った。

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