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育休明けパパはどこに行った?

育児休業明けの復職。復職後、最初の一年間の離職率が50%近い事を知っていますか?
最初、この数字を聞いた時は、かなりびっくりしました。離職率50%って通常の企業で考えると危機的数字ですし、経営陣も人事も必死で対策を考えるような状態です。

でも、この復職後の離職率については「本人が辞めたいと言っているんだから、仕方ないよね」という文化があるのか、そこまで気にされません。
なぜこんなに離職率が高いのか?実際自分が育休を取得して復職するまでその理由が分かりませんでした。でも、実際復職してみて、その理由が痛いほどわかったのです。

時短勤務の人=家事育児を負担する人という誤解

育休から復職した後は、時短勤務を選択するママが多いです。時短勤務はまだまだ女性が取得するものという概念が強く、9割近くが女性側が取得します。この時短勤務が1つの罠になるのです。

時短勤務の人=家事育児を負担する人
という勝手な役割分担が成立してしまって、家事育児の負担を一手にママが背負う事になってしまいます。
企業側からも「奥さんが時短勤務なら、家事育児は奥さんが担当しているんだよね」という感覚で話をされてしまうことも多いのが実情です。

実際、時短勤務になったからといって、短くなっている時間はせいぜい2時間程度です。そこに、保育園の送迎、食事の支度、お風呂、寝かし付け、病気の対応、おまけに夜泣き対応…入りきるわけありません。兄弟がいれば兄弟喧嘩も相まって負担は倍増します。

実際、復職後体力的にキツいと相談を受けるのが1番多いのも復職後、最初の半年~1年です。
子供も手のかからないタイプの子もいれば、手がかかる子もいます。女の子は楽、2人目は楽という定説もあるけれど、実際は子供の個性は様々。思い通りにはいきません。寝る時間も無くなってしまって、追い詰められてしまうママも多いのが現実です。

私自身も3男の育休復職後、あまりの過酷さに精神的にも肉体的にも追い詰められ、そして色々な事に失望し、仕事を辞める事を真剣に考えました。

調整するのはママだけ?

復職者から相談があれば、何とか出来ないかと仕事の調整を上司や人事で考えます。
でもその時いつも感じるのが「調整するのはママだけなの?」って事です。

さて冒頭の「パパはどこに行った?」ですが、そう仕事が忙しいんです。だから、調整する相談の中にもパパはほとんど登場しません。
実際、自分も育児参加しようと仕事を調整しようと考えるパパも増えています。ただ、そのことを会社に伝えると「奥さんいるよね?」「奥さん時短じゃないの?」という返しにあってしまい、断念するパパも多いのです。
そうなると、ママが必死で何とかしようとして、それが限界に達すると退職するかパートタイムになるか考える事になってしまいます。

男女ともに価値観の再定義が必要

さらに難しいのが「女性が仕事を調整すべき」と思っているのが、男性だけではなく、女性も同様にそう思い込んでいるって事なんです。

これでは女性は仕事出来ないし、継続的にキャリアを築いて行く事も難しい。男性の働き方や価値観を変えなければならないのと同時に女性の「自分が調整するべき」「夫の仕事を優先すべき」という価値観も変えて行かないといけません。

考えてみて欲しいんです。
あなたは本当に自分の仕事だけを調整する事を望んでいるのでしょうか?
自分のやりたい仕事を諦めてもいいんでしょうか?

働く事を諦めないで欲しい。

女性が働くのが当たり前になった世の中。
男女共に子育てしながら働く事の価値観を再定義し、企業もそれに合わせた制度や仕組みを作って行く事が出来れば、もっと楽に、もっと楽しく子育てが出来るようになるのではないかと思います。

復職後の働き方に悩む全てのパパママが、子育てをしながら共に働くと言う事を考えるきっかけになってくれれば幸いです。

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Authense 社会保険労務士法人


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