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«茶金»(英語:Gold Leaf)

出演:連俞涵(シンディ・リアン)、溫昇豪(ウェン・シェンハオ)、周采詩(チョウ・ツァイシー)、郭子乾(グオ・ツーチエン)、許安植(ウィルソン・ハウス)、薛仕凌(サイモン・シュー)、李杏(ソフィア・リー)ほか
監督: 林君陽(リン・ジュンヤン)「あすなろ白書~Brave to Love~ 」「悪との距離」
脚本:徐彥萍ほか 
台湾放送:2021年12月 公視
尺:60分×12話

写真は公式HP(華視)より

ようやく見終わって感想を書けます!本作は1950年代の製茶産業を背景にしたドラマで、台湾でも珍しい客家語を中心としたドラマです。主人公や周辺人物は実在の人物もモデルにしているそうです。ストーリーや撮影など、かなり作りこまれたドラマでした。

あらすじ

張薏心(連俞涵)は台湾で最大の茶葉輸出商・日光を営む張福吉(郭子乾)の箱入り娘。本人はまだ結婚の意思はないものの范文貴(薛仕凌)とのお見合いが決まる。時は1949年、国共内戦のにらみ合いの中、新台湾ドルの発行が決定され、さらには茶葉工場のうちの1つが火事になり日光はピンチに。一方、アメリカ捕虜の経験を経て、アメリカのWhite Engineering社の特別アシスタントとしてようやく台湾へ戻ってきたKKこと劉坤凱(溫昇豪)。政府に肥料工場建設の重要性を訴えるも納得のできない優先順位のせいで相手にされず…。

第1話から毎話毎話波乱万丈

第1話から毎話必ずと言っていいほど「何か」が起こります。そして困難を乗り切ったーと思ったらまた新たな困難が…。時代が時代なだけに、政治が安定しておらず、政府の一声であっという間に状況が変わってしまい、振り回されてしまいます。それを何とか知恵で乗り切ろうとする薏心と、なんだかんだ言いながら彼女をサポートする福吉。お茶のビジネスをわかっていないと厳しい言葉を言いながらも、薏心のビジネスセンスには一目置いているようです。

さらには昔ならではの価値観などにも登場人物たちは振り回されます。養子、お見合い、女性の社長、女性の茶師、年齢差の恋、身分差の恋、孤児、兄が多くて家督が継げない弟、阿片などなど。なかなかお見合いがうまくいかない薏心に対し福吉はやきもきしますが、当の薏心はお見合い結婚をする気がさらさらない。年頃の娘なだけに福吉としては複雑な心境だろうな~というのが演技の端々から感じ取られます。

また、福吉自身は張家の養子で、さらに言うとその父も養子、しかも本家の子ではないのです。昔は男の子の寿命が短く、養子を取るのは珍しいことではなかったようですし、他で女性を囲うこともありました。しかし、本家ではない家の養子が家督を継ぐことでやはり身内にはあれこれ言う人も出てくるし、福吉本人もそれを意識して「なにくそ、負けてられるか」と考えてしまうところもあります。時に大伯父に対抗心や警戒心を抱いています。

まぁ、毎話毎話「何か」が起こり、価値観の転換を求められたり、旧態然とした価値観に打ち負かされたり、視聴者を飽きさせないですね。ハラハラしながら見ているので、1話見るたびにどっと疲れます。

あなたは心K派?心貴派?

台湾で最終回に向け盛り上がったのが、薏心は誰と結ばれるのかという点です。心K派(薏心とKKカップル推し)か、はたまた心貴派(薏心と文貴カップル推し)か。どうなったのかはぜひ観ていただければと思うのですが、二人の男性をご紹介。私は断然「心K派」なのですが、下記のように書くとKKって優柔不断の優男にも見えてしまいますね。いや、でもあの優しい笑顔は誰でも溶けてしまいます。

KK…薏心を温かく見守り、アドバイスをくれる年上イケメン。優しい笑顔で薏心と視聴者をとろけさせる魅力の持ち主。台湾を良くしたいという情熱の持ち主である。戦争で妻と子を亡くしている悲しい過去も持っている。薏心に惹かれている様子を見せるも、薏心との年齢差や身分差を気にしていたり、夏慕雪とその養子に失った家族の温もりを抱いているところもある。

文貴…薏心とのお見合い以降、薏心を一途に思い続けている。親に見捨てられるも自力で這い上がっていく底力とセンスの持ち主。お見合い当初は内気で素直な性格だったが、國華で働き、成り上がっていくうちに、したたかさと自信とを身につけていく。

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