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『人質 韓国トップスター誘拐事件』と『誘拐捜査』

先日、韓国映画の『人質 韓国トップスター誘拐事件』と中国映画の『誘拐捜査』を観たのでそちらの感想を投稿いたします。


『人質 韓国トップスター誘拐事件』あらすじ
ソウルで新作映画の記者会見に出席したファン・ジョンミンが、その夜、自宅前で突然拉致された。パイプ椅子に縛りつけられた状態で意識を取り戻したジョンミンは、自分が高額の身代金目当ての一味に誘拐されたことを知る。しかもゲームを楽しむように彼を誘拐した若者5人は、ソウルを震撼させている猟奇殺人事件を起こした凶悪集団だった。情け容赦ない脅迫に屈して身代金5億ウォンの支払いを約束したジョンミンは、同じ部屋に監禁されている女性ソヨンを励ましながら、必死に脱出策を模索する。しかし冷酷なギワン率いる誘拐グループは、大規模な捜査を繰り広げる警察を翻弄して暴走また暴走。やがて渾身の“熱演”で一か八かの賭けに打って出たジョンミンは、誰も想像できない“クライマックス”になだれ込んでいくのだった……。

あらすじ、写真 公式HPより引用

『誘拐捜査』あらすじ
実際に起きた俳優誘拐事件をアンディ・ラウ主演で映画化したサスペンス。ひき逃げ事件の捜査中だという刑事に身柄を拘束された香港映画スターの吾。だが、刑事の正体は営利誘拐を繰り返す犯罪組織で、吾は24時間以内に身代金を払えと要求されてしまう。

あらすじ KINENOTEより引用

韓国映画らしさを押し出し、別物になった二作品

まず、最初に観たのは韓国映画『人質 韓国トップスター誘拐事件』でした。なにせ、ファン・ジョンミンですからね。ただ、強引なところがあったり、何よりも警察が不甲斐なさ過ぎて、正直「ムムム」となってしまいました。途中から警察の不甲斐なさ大喜利かなと思うほど。まぁ警察が不甲斐ない分、ファン・ジョンミンの活躍が映えるわけではあるのですが…。
原案がアンディー・ラウ主演の中国映画『誘拐捜査』と知り、原案はどういう内容だったのだろうと思い、口コミなどを調べていました。刑事役に劉燁(リウ・イエ)という好きな俳優さんも出演していることも知り、口コミ評価は普通でしたが見てみることに。
こちらは実際に起きた呉若甫(ウー・ルオプー)という俳優さんの誘拐事件を基にしており、なんと呉若甫自身も本作に出演しております。実際に起きた事件を基にしているからこそ、事実とかけ離れた脚色ができないため、警察の捜査に主眼が置かれております。アンディ・ラウはファン・ジョンミンほど派手に活躍はしません。

納得感を求めるか、アクション感を求めるか

前述でも述べた通り中国の方と韓国の方では視点が異なるため、どちらが良い/悪いではないかなと思います。アクションとして見たいなら韓国の方、捜査物として見たいなら中国の方です。
犯人が韓国の方は韓国らしく、どっかいっちゃっているヤバい奴らなんですよね。人間らしさみたいなのがないというか…。それがファン・ジョンミンとの対比となり、ファン・ジョンミンの活躍が際立つわけです。
一方で中国の方は主犯格がへらへらした異常さは少し感じるものの、会話の端々に人間らしさみたいなものが見えます(それなのに平気で人を殺そうとするのは逆に怖いですけどね)。犯人グループのほかの人たちも人質と会話したりトランプしたりと、わいわい過ごしています。だからこそ、その隙を狙って銃を奪えないかと体を徐々に動かしたり、会話で犯人を懐柔しようとしたりと、アンディー・ラウの静かな戦いを楽しめます。人質側の描かれ方はそんな感じなので、アンディー・ラウが出ているからといってドンパチするアクションが期待できるわけではありません。
蛇足ですが、人質の拘束の仕方も犯人の拘束の仕方も厳重すぎて、ちょっとびっくりしました。
どちらも印象的でどっちもいいなと思ったのがラストの描かれ方です。韓国の方は韓国らしさが存分に出ているラストでした。中国の方は本当にあったことなので、呉若甫自身がこういうことをしたのだろうと思いますが心に残る終わり方でした。気になる方は両方見比べてみてください!

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