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【小説風プレイ日記】超探偵事件簿 レインコード【1章解決編#23】

©スパイク・チュンソフト | RAINCODE

※推理ゲームな為、「ネタバレ」に配慮して書いてます。
※今回から謎迷宮パートに入ります。
謎迷宮はミニゲームが多めなので、会話多めでわりとパパっとした物になってます。





『かくかくしかじかで…』



「う…ううう…。」

高いところからマットレスに落ちたときみたいな痛みが全身を襲う、…つまりすっごく痛い。
謎迷宮に入る度に痛みが伴うなら一度死に神ちゃんに直談判しなくちゃ…こんなのが毎回とか耐えられないよ。
ズキズキと痛む頭をさすっていると、頭上から聞き覚えのある声が。


「ここは…?」

「…は? えっ? ハララさん!?」


なんでハララさんが謎迷宮の中に!? …あ、そうだ思い出した、現実世界で能力共有した副作用でハララさんも死に神ちゃんの力を共有しちゃったんだった。
チラリと死に神ちゃんに視線を送る。
これ…どうするの? 説明しない訳にはいけないよね?


『こうなった以上はしょーがないか。
まぁ、他言無用はあっちの世界のルールだし。』

「えっとですね、ハララさん。実はこれ…」


かくかくしかじかで…。


「…とういう訳で、ここは"クギ男"事件の謎を具現化した謎迷宮なんです。」


死に神ちゃんの事と、謎迷宮について説明した。
そして新たな問題が発生した、ハララさんが"クギ男"事件について何も覚えていないって事だ。
都市伝説の"クギ男"の噂は覚えているみたいだけど、時計塔で男の子から依頼された事や、一緒に教会の人達に聞き込みしたり、過去に起きた"クギ男"事件の現場を調査事とかすべて忘れてしまったらしい。
…けど、ボクがハララさんにした依頼料550万と800シエンだけはしっかりと覚えていたのに事件の内容や具体的に何を調べて、何が判明したのか、謎迷宮攻略に必要なものは全部忘れてるのになんで依頼料の事だけ…。


『謎迷宮の影響だろうね。
謎迷宮は真実を守る為の砦だから、そもそも、部外者が中に入るコトは不可能だし…。
仮に、誰かが迷い込んだとしても、事件の記憶は封印されるようになってるんだね。』

「なるほど、謎迷宮の防衛機能か…。
確かに、真実という宝が眠る宝物庫なら、どんなセキュリティが施されていても不思議ではない。」

『そうそう、不思議じゃないの。
さすが理解早いね、悪魔ちゃんは。』

「…悪魔ちゃん?」

「あ、気にしないでください。
彼女、適当なあだ名で人を呼ぶクセがあるので。」


本当、ハラハラさせるような事言わないでよ…死に神ちゃん。
それにしても、死に神ちゃんと契約してない人は事件に関する記憶が封印されてしまうのは厄介だな、ハララさんの推理力で、一気にダンジョン攻略できると思っていたのに。
ちょっと残念だけど、それでも、今回は頼れる仲間がいるだけマシか。


『じゃあ、謎迷宮攻略(ナゾトキ)にしゅっぱーつ!
真実を食い物にする真犯人を狩りに行くぞー!』



☩ ☩ ☩



『第四の迷宮』



「これって…?」


道なりに進んだ先に着いたのは枯れた木々からなる樹海の様な場所だった。
天気は荒れて曇りのような雨のような複雑な模様で、地面は土だけどペンキをぶちまけたように辺りはカラフルな液体で汚され、真正面に立つ大きな樹木には1から4の番号がふられていて、数字の下にはビクスドールが釘で打ち付けてられている。

「それぞれ4つの事件現場を示しているようだな。
おそらく、これら4つの事件を解決すれば、先に進めるようになるのだろう。」

「あぁ、なるほど…。」

『なるほど…じゃなくて、攻略するのはご主人様でしょ?』


まぁ、ハララさんの推理力を当てにできない以上そうなるんだけどさ…わかりやすくまずは最初に調査した時計塔の事件からやろうかな。
4と数字の書かれた樹木の前に立つ。
時系列順に数字が割り振られといるとすると…時計塔は『第四の密室』になるからね。




☩ ☩ ☩




「ここ…時計塔の現場そのままだ。」

凄惨な現場をお届け〜♪


 釘を打たれた女性の死体。乱雑に壁や床に打たれた人形達。凄惨な現場を詳細まで再現されているけど、これは死に神ちゃんの能力じゃなくて、謎迷宮の仕様らしい。今回の謎迷宮は密室の謎を解いて脱出する事が目的みたいだ。


「この"第四の迷宮"は、時系列で言うと、もっとも新しい現場なんだな?」

「そうです。この事件をきっかけに、ボクは"クギ男"事件に関わる事になりました。」

「どういう事件だっんだ? 簡潔に教えてくれ。」


現場は、密室となった時計塔の倉庫。
部屋の真ん中あたりにに、無数の釘が打たれた女性の死体。
壁には、釘でハリツケにされた人形がたくさんあってまるで、都市伝説の怪人"クギ男"が行ったような異様な殺人現場でした。
だから、この事件は"クギ男"事件と呼ばれるようになりました。


「見たところ、扉には内鍵が掛けられているな。」

「はい、死体が発見されるまで、あそこには鍵が掛かったままだったみたいです。」

「窓も1か所のみで、シャッターが下ろされている…。
なるほど。このシャッターにもロックが掛かっているのか。」

「しかも、ここは時計塔の3階なので、飛び降りられるような高さではありませんでした。」

「ふむ…確かに密室だな。」

『…ていうか、ここが密室だとすると、オレ様ちゃん達って閉じ込められてない?
ご主人様、大変ー! この謎を解かないと閉じ込められたままだよー!』


そしたら時間切れでご主人様の魂が消滅しちゃうよー! と、半狂乱した死に神ちゃんは取り出したカマを振り上げ…。


「わっ! ちょっとぉ!!」


ザクッとボクの首を掻っ切った。


【犯人はどこから逃げた?】



飛び散った血が問題文を現す。
結構惨い事やってると思うけど、ハララさんは「なるほど。」の一言で解決した。
今のを見て、よく冷静いられるな…ボクなんて何度切られても慣れないのに。

【犯人はどこから逃げた?】か…。
完璧な密室なんてないんだからどこかに出口があるはずなんだけど…出入りできそうなのは、扉か窓だけなんだよな。
扉には内側から鍵が掛けられていたし、鍵穴は穴が塞がっていて、扉を閉めると何かが入るような隙間もないから、外から鍵を掛けるのも無理。
扉から絶対に出る事はできない、ってことはじゃあ犯人は窓から逃げたって事になるけど…。
…あ。そうか。あの人の証言はそうゆう事だったのか。

「犯人は…この窓から逃げたんです。」

「…その根拠は?」

「ボクがこの現場で死体を見つけた時、窓のシャッターは閉じられていたんですけど…。
その窓の下が濡れていたんです。ただ、すでに乾き始めている様子でした。」

「少し前まで窓が開けられていた…という事か。
窓の外からシャッターを閉じる事は可能なのか?」

「はい。このシャッターはオートロックになっていて、ある程度の高さでシャッターから手を離すと…自重で下まで下がっていって、下がりきると自動的にロックが掛かる仕組みなんです。
つまり、シャッターを持ち上げたまま外へでて、そこで手を離せば、それだけでロックが掛かるんです。」


論より証拠、という事もあり実際に窓から脱出できるかどうか確かめようとしたその時。


「わあああぁっ!」

"クギ男"事件は…すでに解決済みです。」


開けた瞬間保安部のセスが襲いかかってきた。
ボクの腕を掴み窓の外へと引っ張り出そうとしてくる。


「こいつは…保安部の?」

「謎怪人です! 事件の隠ぺいを図ろうとする人物が、謎迷宮でこうして襲ってくるんです!」

「犯人がここから逃げたですって? こんな…高い場所から? 落ちたら…死にますよ?
クックック…自分で試してみたらどうです?

時計塔の3階からレッツダイビング!



「うわあああああああああっ!」


抵抗むなしく引きずり出されてしまった。
ボクの足を引っ張っていた死に神ちゃんとハララさんも一緒になって落ちて行く。


「ユーマ、謎迷宮が謎を具現化したものなら、このトラブルも謎を解けば回避できるんだろう?」

「そ、そのはず…です…!」

「犯人がこうして窓から落下したはずがない。
おそらく、出入りの為に何か道具を使ったんだ。」

「…道具?」

「君は調査の過程ですでにそれを見つけているはずだ。
なぜなら…この僕が手伝っているんだからな。
答えは目の前に用意されていたはずだ! 思い出すんだ!」

『危ない、ご主人様! 集中してー!』



犯人が使った道具…そうかあの人の証言で見つかったアレだ!
(※謎怪人セスとのミニゲームでのやり取りは割愛します。)



「いててて…な、なんとか…助かった。」


密室の謎を解いたからか、地面じゃなく時計塔の事件現場へと戻された。
危なかった、ハララさんの助言がなければあのまま真っ逆さまだったよ。…高すぎる依頼料が玉に瑕だけど、やっぱりハララさんに依頼して良かった。
とりあえず、さっき解いた方法で犯人と同じように時計塔から脱出を試みる。


「なぁ、ユーマ。僕はいまだに事件について思い出せないが…この縄ばしごは、教会の焼却炉で発見されたのか?」

「はい。最初は変なロープだなと思っただけでしたけど、ようやく気づきました。
あのロープは、真ん中で折って、それぞれの切り端を繋げてみると…こうして、縄ばしごになるんです。

見た瞬間わかる。縄ばしごやん。


「それが、ここで使われたという証拠は?」

窓の下にあった釘には、ロープで擦った痕跡の他に、黄色い繊維も付着していました。
教会で使用人さんから見せて貰ったロープの燃えカスも、同じく黄色いだったんです。」

窓の下に釘があったらそりゃねぇ?


それに、時計塔の外側のちょうど窓の下にあたる地面に、壁に向き合うような足跡がありました。
今思えば…これは犯人が縄ばしごを使って降りてきた際に、残した痕跡だったんです。」

壁の中に消えたとか言ってたよね。



『でも、釘に引っかけた縄ばしごは?
どうやって下から回収するの?』

降りながら足場を1つずつ切断していくんだよ。
そうすれば、縄ばしごは1本のローファーになって…地面に降りた後で片方の端を引っ張れば、手元に回収できるんだ。

足がいっぱい生えた毛虫の完成。



「そして、窓のシャッターも自重でロックが掛かり、密室が完成する…という訳か。」

『うんうん、今のはイケてる推理だったね。
さすがはご主人様…の教育係のオレ様ちゃん!』


…はいはい。と、死に神ちゃんの事は流して次の密室の謎を解きに行こうとしたところをまた、謎怪人セスに邪魔された。


「犯人が縄ばしごを使って時計塔から脱出した…?
それがなんだというのです…?」

『あっ! また出た!』

「だからといって…結論は何も変わりませんよ…!
あの時計塔の男が…犯人なのです!」

『ご主人様、ジャマな謎怪人はぶっキルよ!』

「…う、うん!」



☩ ☩ ☩



「これ以上はどんな推論も無用です…!
犯人は明確ですからね。犯行時刻に近くにいた時計屋です…!
現場にもいたんでしょう? 釘を打てるハンマーも持っていましたし…。
犯行を行った後、あなたが推理した方法で密室を作って、『縄ばしごで脱出』したのでしょう。」

「時計屋さんは高所恐怖症だったんだ。
時計塔に上る時も外を見ないようにしていた彼が、高所から縄ばしごを使って降りられる訳がない。
だから、彼にこの犯行は不可能だ! 彼は"クギ男"じゃない!」

「うっ…! お、おのれ…!」

恨めしそうな目でボク達を睨みつけながら謎怪人セスは何処へ消え去った。
とりあえずはなんとかなったか…。


「事件の隠ぺいを図ろうとする存在が謎怪人になると言っていたな?
つまり、保安部のセスは、この事件を隠ぺいしたがっているという事か。」

「理由はわかりませんけど、保安部が関与しているのは間違いなさそうです。」

「ひょっとすると、この事件が"カナイ区最大の秘密"に繋がっている可能性もある訳か…。
だとしたら、なおさら真実を掴まねばならないな。先へと進むぞ。」

「…はい。」

『まったく、どっちが主役なんだか…。』


能力共有でハララさんも一緒に謎迷宮に来ちゃったなら、解刀も扱う事ができるんじゃ? て、聞いてみたけど返ってきた答えは死に神ちゃんと契約したボクだけだって。
逆に謎迷宮にあるものならなんでも有効だから間違っても仲間を斬らないようにねって釘をさされてしまった…そんな危ないものなら最初に言ってよ!?


「それで? 時計屋は犯人ではないとして、他の目星は付いているのか?」

「あ…はい。目星は…付いています。
調査の時、ハララさんは教会関係者の誰かが犯人だと考えていましたけど…その理由が、ようやくボクにもわかりました。
あのロープが、教会関係者しか入れない焼却炉の中から見つかったからです。」

「つまり、それを証拠隠滅しようとした犯人は教会関係者に限られるはず…。
なるほど、ロスのないロジックだ。さすがは僕だ。」

『…って、結局は自画自賛?』




To Be Continued..

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