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【小説風プレイ日記】超探偵事件簿 レインコード【0章 解決編#10】

©スパイク・チュンソフト | RAINCODE

※ガイドラインに従い「1章」まで。
※推理ゲームの為、「ネタバレ」に配慮して書いてます。
※今回で0章の最後まで書いています。
事件の「真相」を知りたくない方はUターンお願いします。





『超推理フィナーレ』

tips!『超クライマックス!』

ついに犯人を追い詰めたご主人様!
トドメの一撃を喰らわしちゃうよーっ!!
今回の事件の内容すべてを解き明かすから、見たくないヒトは今のうちに逃げてーっ。
きゃっきゃっ!





──さあさあ寄ってらっしゃい見てらっしゃい。


あっけなく死んだ5人の超探偵達。
追われるご主人様と追うアマテラス社。


事件の真相明らかにする、超推理フィナーレはっじまるよー!





事件はカナイ区へ出発するアマテラス急行の中で起きた。

ボクはその列車に、出発時刻ギリギリで乗り込んだ。
この時点では、まだ列車は5両編成だった。
その列車は、出発する際、最後尾の5号車を残し4
両編成になっていたんだ。

列車の中では、超探偵達が2号車に集まっていた。
そこは食堂車だったんだけど…。
犯人は事前に、そこの飲み物に睡眠薬を入れていたんだ。

しばらくして、具合が悪くなったボクに、メラミさんは気づかってコーヒーを淹れてくれたんだけど…。
ボクはそのコーヒーを飲んで、眠くなってしまった。
この時は、幻聴による体調不良だと思っていたけど、本当は睡眠薬によるものだったんだ。

犯人はそんなボクを犯人に仕立て上げる為、1号車へ向かうよう誘導した。

おそらく、ボクが去った後で、他の超探偵達も飲み物を飲んで寝てしまったんだろう…。
その後、犯人によって全員焼き殺されてしまった。

ここから、犯人はボクを殺人犯に仕立て上げる為の準備にとりかかる。
まず、エイフェックスさんの焼死体を1号車の救護室へ運んだんだ。
さらに、ボクが寝ていた洗面所の近くに消火器を転がしておいた。

後でボクがそれでドアを破るように仕向ける為だ。
そして、救護室に入った犯人は、ドアに鍵をかけ、エイフェックスさんの焼死体と一緒にベッドに横たわった。

さらに、ナイフとクッションを使った偽装工作を行った。
そして、犯人はボクが起きるタイミングを見計り、室内に火を付けたんだ。

洗面所で目覚めたボクが廊下に出た時、ちょうど1号車には煙が充満し始めていた。
直後、ボクは救護室で胸にナイフが突き刺さったジルチさんを発見したけど…。
すぐに煙幕で視界を阻まれてしまった。

この時、犯人はエイフェックスさんの焼死体と入れ替わり、自分はベッドの下に隠れて、ボクが入って来るのを待ったんだ。

一方、落ちている消火器を発見したボクは…。
それで覗き窓を割って…。
鍵を開けて、中へ入ったんだ。

煙が晴れた後、ボクは完全に焼き焦げたジルチさんの焼死体を発見さした。
と思ってたけど、実際にはエイフェックスさんの焼死体だったんだ。
ボクは犯人のトリックにまんまと騙されてしまったんだ。
だからこそ焼死なんて手間のかかる殺人方法を選んだんだと思う。
ジルチさんとエイフェックスさんは背格好もよく似ていたし。

死体を発見したボクは、慌てて1号車を飛び出してしまった…。

そこからボクは他の超探偵の焼死体を発見していったけど、一方の犯人は、ベッドの下から出て、1号車のメインコントロール室に向かった。
メインコントロール室で列車を操作し、1号車を切り離したんだ。
そのせいで、列車全体に揺れと停電が起きて、電源が呼びシステムに切り替わったんだ。

切り離された1号車が複線を走っている間、犯人はその1号車を5号車に見せかける為の工作を行っていた。

まず、エイフェックスさんの焼死体を通路へ運び出すと、前もって外しておいたネックレスを戻した。
で、1号車のナンバープレートを燃やして…判断がつかないようにした。

それらの準備が終わると、犯人はメインコントロール室に入って鍵をかけ、列車が合流するのを待ったんだ。
この時、犯人が乗った1号車は自動運転で複線を走っていた訳だけど、ボクらが乗っていた2、3、4号車はトンネルの中だったら、分かれた1号車が横で走ってるなんて、気づかなかったよ。

ボクらの乗った列車はそのまま3両編成でトンネルを進み続け…トンネルを出たところで、最後尾の4号車の後ろに、犯人の乗っていた車両が合流したんだ。
4号車の後ろの5号車としてね。

こうして、犯人の乗っている1号車は4号車の後ろに接続された。
この時、また揺れが起きたけど、電源の切り替わりはなかったから停電は起きなかった。

その後、ボクは接続された1号車を5号車と勘違いしたまま、中へ入った。
車内は犯人によって荒らされていて、ボクは1号車の時に割った救護室の窓にも気づく事ができなかった。

その車両で、ボクは焼死体を発見し、ペンダントからエイフェックスさんだと判断したけど…。
実は、その死体は最初に発見した1号車の焼死体と同じものだった。

その後、列車はカナイ区の駅に到着すると…。
予め用意されていた別の1号車と連結した。
これで元の5両編成に戻ったって事になる。

さらに、その駅にはすでに保安部が待ち構えていた。
こうして、ボクをたった1人の生存者にする事で、第一発見者かつ殺人犯に仕立て上げたんだ。


『この時、犯人はまだ偽装された1号車のメインコントロール室に隠れて、ご主人様が連行されるのを待ってたんだね。』


自分以外の超探偵全てを焼き殺し、自分自身も死んだと見せかけ、生き残ったボクを犯人に仕立て上げた非道かつ狡猾な犯行…。

それを実行した無慈悲で醜悪な犯人。



その忌むべき正体は…
「ジルチ=アレクサンダー! あなただ!」




「ぐっ、うあああああああああ!!!」


真相を明らかにしたと同時に謎怪人ジルチは今度こそ完全に消え去った。
謎怪人が消えた後に残ったのは、ジルチの姿をした半透明のナニカ。
死に神ちゃんに聞いてみるとこれが"真実"であり、謎迷宮を作りだした"真犯人の魂"らしい。

ス●ンドかな?


「で、これをどうすればいいの?」

『こうするんだよー!
いっけー! オレ様ちゃんー!』


 tips!『すべての罪人に死を!』

実際に何するか気になる? 気になる??
ねぇ気になって夜も眠れない???
えーっ、気にならないのー? なんでぇ?

まあ、ぶっちゃけると、サクッとぶっキルしてるだけなんだけどねー。きゃっきゃー!






☩ ☩ ☩






『代償』



気がつくと、謎迷宮から駅のホームへ移動していた。
現実世界へ戻ってきたってこと?
周りは相変わらず保安部の連中が警戒態勢で囲んでいるし、目の前にいるスパンクさんは強者の余裕でニタニタと見下しているけど…。


「これから保安部でじっくりと取り調べしてやる!
じっくりとなぁ!」

「…えええっ!」


死に神ちゃん…どこ!?
何も状況が変わってないけど、どうなっているの!?
いつもは鬱陶しいくらいにボクのまわりをふわふわ飛んでいるはずの死に神ちゃんの姿が何処にもない。
も、もしかして後は自分でどうにかしろって事?
最後の最後は丸投げってされたって事!?


「よし、捕まえろ!」


「ま、待ってください! 犯人がわかったんです!
犯人は…ジルチさん…ジルチさん=アレクサンダーさんなんです!」

「な、何を言っている!
あいつは…とっくに死んでいる!」

「1号車のメインコントロール室に隠れているはずです!
調べてみてください!!」


必死にこれまで推理して導き出した答えを訴えてみたけど、聞く耳を持ってもらえなかった。
やばい。やばいっ。このままじゃ本当に捕まってしまう!


「し、死に神ちゃんってば!
どこ行ったの!? これじゃあ話が違うよっ!」

『きゃっきゃっきゃ。
オレ様ちゃんならここだよー。』


どこからともなくひょっこりと現れた死に神ちゃんは、説明と違う事が起きているこの状況の事とか、隠れてボクが慌てふためく様を楽しんで見てた事とか、あといろいろ謝ることもなくきゃっきゃっと笑っている。
何も言い返してやれないでいると。保安部の1人がスパンクさんに近づき何が耳打ちし始めた。
話してる内容までは聞き取れなかったけど、茹でたタコのように真っ赤だったスパンクさんの顔がどんどん青ざめていった。


『…終わったみたいだね。』

終わったって…何が?


『…代償ってヤツだよ。』

『オレ様ちゃんが"真犯人の魂"を狩るコトで、その犯人が作った謎迷宮は崩壊する…。
そうすると、その代償として、謎迷宮を産み出した元凶そのものも消滅するんだ。』

元凶そのもの…? 消滅…?
ま、まさか…!!


『そう、真犯人は死ぬんだよ。』


じゃあ、今の報告は、真犯人であるジルチさんが死んだっていう…。


『これにて、事件はぶわっと解決!
真犯人も死亡!』

『晴れてご主人様は無罪放免だね!
めでめで、たしたしー!』


全然めでたくなんてないよ!
ボクが謎を解いたせいでジルチさんが死んだんでしょ!
『罪を憎んで人を憎まず』だよ。
犯人が死んで事件解決だなんて、そんなの許される事じゃないよ…。
それにジルチさんが死んだってだけじゃ、無罪放免って訳にはいきそうにないよ。


『だったら、今からオレ様ちゃんが言うコトをそのまんま、あの金ピカ野郎に言って。』


…ん? よくわからないけど、わかったよ。


「…スパンクさん、もしかして今の報告って、ジルチさんが死んだという話ですか?」

「な、なんで貴様がそれをっ!?」

「彼がついさっきまで生きていたとすれば、事件の様相が変わってきます。
オレ様ちゃ…じゃなくて、ボクの目の前で死んだはずの人間が生きていた…。
これが犯人の偽装でなければ、なんだと言うんです?
まさか、アマテラス社の保安部ともあろう方々が、嘘をついて真実を隠ぺいして…無実の人間を断罪しようとしていた…なんて事はありませんよね?」


死神ちゃんに言われた事そのままオウム返ししたけど…これでいいんだよね? 大丈夫なんだよね?


「貴様…それで一矢報いたつもりか?」


…あれ。不思議かスパンクさんの顔のシワが増えたような気がする。
あんなに青ざめて冷や汗が流れていたはずなのに、今は湯気が昇っているように見える。


「ここがどこだか忘れた訳であるまい!!
貴様の立場など、アマテラス社の一存でどうにでもなるんだ!」

「い、いや…あの…ボクは…そうゆうつもりじゃ…」

『ちょっと、あっさり折れないでよ!
もう一息だったのに!』


…ボクは失敗してしまったらしい。







☩ ☩ ☩







『救いのヒーロー』



「いいか! 貴様には黙秘権はないし、弁護士を呼ぶ権利もない!」


ヒートアップし、唾を撒き散らす。
真っ赤に沸騰した頭からズレ落ちそうなカツラを止られる人はもう居ない。
このまま凶悪犯罪者として捕まりカナイ区で一生を終えるんだ。


「さぁ、こいつを連行しろ!!」


生きることを諦めかけたその時だった…。


「あのっ! ちょっといいですかね!?」


救いのヒーローにしては、声は震えあがって裏声だったし、


「まぁまぁ…揉めるのはここまでにしときましょうよ。
お互い、上からの命令でやむにやまれぬ立場…。
余計な波風立てずに、さらっと穏便に済ませません?」


へな〜と緩みきった笑顔で、


「ほら、証拠のねつ造とか嘘の証言とか…報告書にまとめるのも、結構面倒でしょう?
整合性を保つのも一苦労だ。
そんな余計な苦労するよりもここは私に任せて…」


手をすりすりこねる姿は、下っ端感まるだしの下卑たものだったけど、


「その…真犯人の男がさっきまで生きていた姿、私も見ちゃったんですよね…。」

「な、なんだと…!?」

「何事もなく帰らせてくれるなら、世界探偵機構にはテキトーに報告しときますよ。
おたくも困るでしょう? おたくのせいで世界探偵機構が大挙して来たら…それこそ、懲罰モノじゃないですか?
だから…ね? 触らぬ神に祟りなし…って事で。」

「行くぞ…」


カッコ悪くてもボクにとってその人は救いのヒーローだったんだ。




☩ ☩ ☩



「じゃあ、改めて…。
…長旅お疲れ様さま。そして、カナイ区へようこそ。」


助けてくれた男性は、ヤコウ=フーリオさん。
世界探偵機構の一員でカナイ区唯一の探偵事務所、"夜行探偵事務所"の所長さんらしい。
夜行探偵事務所って、世界探偵機構からの手紙にも書いてあった場所の名前だよな。じゃあこの人はボク達の味方って事になるのかな?

今回の事件についてヤコウ所長にも一通り報告したけど、やっぱりあれはアマテラス社が、カナイ区に入る前に、超探偵達を処理しようしたその結果が"アマテラス急行殺人"だったというのが真相だろうね。

犯人だったジルチさんはアマテラス社が雇って殺し屋で、本物のジルチさんは事前に殺されていて駅に予め用意されていた偽の1号車の中に横たわっていたんだろう。
そうすれば、5人の焼死体が駅のホームに並ぶ事になるから。
謎迷宮のミスリードでもあったけど、ボクが居なければ本来は犯行後犯人は自殺した、で幕閉じするつもりだったんだろうね。


「そこまでするなんて…。
アマテラス社って…。カナイ区って…。」

「さっさとこの場を離れよう。
保安部の連中に目を付けらると厄介だそ。」

「あ。…はいっ!」


緩やかにしかし確実に、ボクは底知れない謎が蠢くカナイ区という檻の中に入っいった。


「雨…だ。」





☩ ☩ ☩




さっきの野郎逃がして良かったのか?

仕方ないだろ。命令なんだから。

それもそうだな…って、うおっ!?

あいつ…何者だ?








第0章
『アマテラス急行殺人事件』
END

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