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【小説風プレイ日記】超探偵事件簿 レインコード【0章 推理編#4】

©スパイク・チュンソフト | RAINCODE

※ガイドラインに従い「1章」まで。
※推理ゲームの為、「ネタバレ」に配慮して書いてます。




『もうひとつの可能性』

メラミ姐さんをつけ狙う アマテラス社


この件にはアマテラス社が絡んでいるんじゃないかしら。とメラミさんは言う。
カナイ区への配属が決まってからここ何日かずっと、誰かに後をつけられていたらしい。
罠を仕掛けて誘き出す事には成功したけど、荒事が得意じゃないメラミさんじゃ、捕まえる事まではできなかった。
だけど、逃げていく奴らがアマテラス社の車に乗って逃げて行くところを見た。

スパイの目的はただ1つ…カナイ区に向かっているボク達を妨害する事。
その為に、超探偵のフリをして、この中に紛れこんでいるってのが、メラミさんの考えみたいだ。

だけど、プッチーさんやジルチさんは、アマテラス社の車乗って逃げたってだけじゃ根拠が弱いって言っているけどどうなんだろう。
そもそも一会社がなんで超探偵にちょっかいをかけるの?

「そのアマテラス社って、どんな会社なんですか?」

「アマテラス社は一言で言えば…まァ、とにかく超デケェ会社だな」

普通に生活してれば、あちこちにアマテラス社の製品を見かけるぜ。
戦闘機から子供のおもちゃまで。
工業製品、電化製品、薬品開発…なんでもアリだ。
デケェ企業には後ろ暗い噂がらあるのはお約束だが、アマテラス社の場合は、叩けば煙突のごとく埃が出る…。


「…ってのが、お決まりの探偵ジョークだ。笑えるだろ?」


そう言ったエイフェックスさんの目は全然笑っていなかった。

これから向かうカナイ区は、実質"アマテラス自治区"。
以前のカナイ区は地方都市の1つに過ぎなかったのだけど、そこを拠点としていたアマテラス社の発展と共に街は変わっていき、あちこちに工事や研究所や関連会社が建ち、気づけば、街全体がアマテラス社のものとなっていたそうだ。

事実上、カナイ区はアマテラス社によって支配されていると言っても過言じゃない。
政治はまともに機能しない。
しかもカナイ区は現在、人の出入りもない鎖国状態で、内部の情報がほとんど外に出てこない。
噂によると未解決事件の報告が相次いでいるらしい。

すでに、何年もこんな状態だけど、統一政府は見て見ぬふりを続けている。
アマテラス社が、統一政府を含めた世界全体に強い影響力を持っているから。

「そんな状況に世界探偵機構がしびれを切らし、独自に動き出し、結果、超探偵がカナイ区に集められることになった…。
…と言うのは、私の想像だけどね。」


ジルチさんは詳しい事は現地入ってみなければわからないな。と、説明を終えた。
この列車も"アマテラス急行"って名前だけど、それはこの列車をアマテラス社が開発したから。
普段は、カナイ区に乗り入れる客車はいないんだけど、世界探偵機構の働きがけで、特別臨時便として編成されたらしい。
カナイ区からしたら、やましいことは何もありませーんってアピールだったのかな?

窓もすべて嵌め殺しで、開閉不可能。
一度発車してしまったら、目的地に到着するまで誰も降りられない鉄の箱。
最後尾の5両目へはドアが壊れていて行けないらしい。

壊れてて行けない5両目…メモメモ






☩ ☩ ☩






『ますます酷くなる幻聴』




「さて、どうだ?
これまでの話に聞き覚えは?」

「何もかも初めて聞く事ばかりです…すみません。」

「そうか…まぁいい。
何か思い出せたら教えてくれ。」

『…って、優しい顔して、実はこいつがニセモノだったりして!』


──えっ!? また!?

駅で聞いたあの女の子の声が聞こえた。
また幻聴? みんなに聞いてみたげど誰も何も聞いてないみたい。
顔面蒼白のボクを心配して、メラミさんがコーヒーを入れてくれた。
苦いブラックコーヒーは目を覚ますのに丁度いい。

少しはれた頭でボクは"6人目の招かれざる客"について考えてみることにした。

tips!『仕切りたがりは大体黒』

人狼ゲームだと、場を仕切るリーダー的存在の人間は大体黒確定だよ!
だってー、自分の陣営に有利になるようにみんなを誘導出来るもんね〜。

今回のに当てはめるとジルチが怪しいかな?
冷静に考えている風を装って実は自分の都合のいい様にご主人様を…きゃっきゃ!

でも今回は純粋推しちゃんを疑うよ!


この中でもっとも落ち着いているプッチーさん。
あの落ち着きぶりは、こうなる事が予測出来ていたからでは?
つまり、彼女が"6人目の招かれざる客"…?

(※この時点での正答を選べば経験値がもらえたっぽい)


でも…いくら考えたところで、何ひとつ確証がないんだよな…。
ボクが本当に超探偵なら、こうゆう時に役立つ能力を使えるかもしれないのかに。
なんとか思い出せないかな…ボクの探偵特殊能力。


『思い出したところで、どうせ役には立たないよ〜』


まただ…! また、あの幻聴…!

あー、もうっ!
ホントにボクはどうしちゃったんだ!?


「オメェもこっちに来いよ。
じいさんが能力見せてくれるらしいぜ。」


エイフェックスさんの声で、はっとなる。
見るとザンゲさんの周りにみんな集まっている。
確かザンゲさんの能力って電子機器を使ったものだったような…。

机の上には1台のケータイが。
それを手に取り念じると、まただ…また感じる!
ザンゲさん探偵特殊能力を使っているのが!


「さっきも説明したが…本官の能力は"念写"だ。」

本官が見聞きした情報を記憶から引っ張り出し、静止画ではなく映像として電子媒体に念写…記録する。

記録されるのは、およそ5分前の出来事…。

記録できる長さはせいぜい2、3秒…全盛期には10秒はいけたものだがな。
ちなみに、記憶が次第に薄れていくように、この記録映像もいずれは自然消滅する…大体48時間くらいが目安かのぉ。

しかし、消える前に別の媒体にコピーしておけば、調査や裁判の証拠として使えなくもない。



「ご老人、これは本当に"念写"なのかね?
この端末で盗撮していただけ…そう見えなくもないが?」

「オメェは、ホンットに疑うばっかで、何ひとつ建設的な事いわねぇなァ!」

「疑う事が非建設的だとでも?
疑い抜いた先に、本当の真実があるとは思わないか?」

『そうそう! 探偵は疑うのが仕事!』


ジルチさんとエイフェックスさんの言い争いに混じって、この場にはいないはずの女の子の声が聞こえる。
気のせいだろうか。
だんだんはっきりと声が聞こえるようになってきている気がするのは。
頭が痛い。ま、まるで…体が自分のものじゃ…ない…みたいに…。


「ちょっと、坊や…大丈夫? 随分と具合が悪そうね。」

「す、すみません…なんか…頭がふらふらして…」

「なら、休んだ方がいい。
3号車から後ろの客室はすべて埋まっているから、君は先頭の1号車を使いたまえ。
確か、救護室があったはずだ。
あそこからなら、この2号車からも監視しやすい。」

「監視って…オメェ、ホントいい性格してるぜ。」


ふらふらとおぼつかないボクを見てメラミさんとプッチーさんが付き添おうか? と、聞いてくれたけどお断りした。
これ以上みんなに迷惑かけるわけにもいかないし…それに本当に頭が痛くて何も考えたくない。

ふわふわと歪む世界で救護室のドアに手をかけたけど開かない。

『鍵が掛かっているんだよ!』

『まずは鍵を探してこないと! かーぎっ!』

鍵…どこだ…?
1号車のどこかに…あるのかな?

鍵…鍵…。
鍵を探して、ボクの意識はプツンとそこで途絶えた。







☩ ☩ ☩








『死に神ちゃん』



『そろそろ起きなよー。』

『もー、いつまで寝てるの! いい加減、ぶっキルよ!』

死に神ちゃんご登場!


『きゃっきゃっきゃ!
やーっと"馴染んできた"んだね!』


目の前いっぱいに現れた喋る人魂にびっくりして立ち上がる。

「な、何っ!?
えっ!? なんだこれっ!?」

『もー、こんなカワイイふわふわちゃんを『これ』呼ばわりなんて…失礼さまさまじゃーん!』


ボクが想像する以上にコロコロと表情を変えるソレは楽しそうに…いやボクで遊ぶように自由に飛び回っている。


「幻聴だけじゃなくて…幻覚も!?
あぁ…ボクはもう完成にダメだ…!」

『もー、しっかりしてよ。
オレ様ちゃんのご主人様でしょ?』

「……ご主人様?」

『そうだよ。だってオレ様ちゃんとしっぽり秘密の契約を交わしたじゃん』


……全然覚えてないんだけど。

呆気にとられるボクの前で、ソレは遊び相手に捨てられた女性よろしく喚き散らして無責任だ! ちゃんと責任を取れー! と言ってきた。
まったく身に覚えのない場合はどうしたらいいんだ? だったボク記憶喪失だから本当か嘘かわからないし…。


『きゃっきゃっきゃっ、安心してご主人様。
冗談だから。
忘れて当然なんだよ、だってそうゆう契約だもんね。』

『ただで"死に神ちゃん"と契約できるワクもないし、とーぜん、出すモンは出して貰わなきゃね。』

「ちょ、ちょっとまって! 今なんて言ったの!?
し、死神!?」

"死に神ちゃん"ね!』

『ただの"死神"だと、物騒だし不気味じゃん?
オレ様ちゃんのイメージってそっちじゃないでしょ?
ほら、もっとカワイイって言うか…生まれたてみたいな清らかさがあるって言うか…。』

『だから、"死に神ちゃん"なの!
これからは、ちゃんとそう呼ぶようにね!』


ビシッ! と、鍋つかみのような手の親指を立ててソレは言った。

「あの…さっきからボクを"ご主人様"って呼んでいるけど、それって、キミに取り憑かれてるって事?」

"キミ"じゃなくて…"死神ちゃん"!』

『もちろん、バッチリとり憑いているよ!
死ぬほど憑いてるよ!』


死に神ちゃんの説明によると、どうやらボクは望んで彼女と契約したらしい。
契約の代償は"ボク自身の記憶"
契約終了後の後遺症かボクはそのままあの倉庫で気を失い、目覚めた後も、死に神ちゃんと馴染むのに時間がかかり幻聴が聞こえるって状態になっていたらしい。

どうしてボクがそんなバカげてる契約なんてすることになったのかその経緯を死に神ちゃんに聞いてみたけど、契約の詳しい内容については教えてあげられない契約なの。って、はぐらかされてしまった。


『ご主人様が気を失ってから、かれこれ2時間くらい経っているんだけど…だーれも様子を見に来なかったんだよ。』

『みんな薄情っていうか…もしかしてご主人様、忘れられてる?』

「気を失って…?」


そういわれて改めて辺りを見渡す。
ここ…1号車の洗面所?
そうだ…確か食堂車で具合が悪くなって、救護室の鍵を探している内にここで…。
だんだん途切れていた意識が鮮明になってくる。
それにしてもどうしてボクは洗面所に鍵があると思ったんだろう…。


『考えごとなんてしてないで早いトコ、周りの様子を見てきた方がいいんじゃない?』

「あっ、そうだ…!
他のみんなはどうしているんだ…?」




to be continued..

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