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息子と夜の散歩~王府井~

国慶節前日の晩ご飯の前、
なぜか息子と娘がケンカ。
娘はそのまま食事のテーブルに、
息子は父親にベランダへ連れていかれた。

その後、息子は怒ったまま、
父親が何を言っても聞かず、食事のテーブルにもつかず。
わたしがバトンタッチして息子を外に連れ出すと、
息子、へそを曲げていたが、最後に、

「なぜいつも妹ばかり許されて先にご飯食べて、
 ボクだけベランダに連れていかれるのか」

とポツリ。
いつも妹よりも、兄の方がちょっとしたことで怒って
騒ぎ出すパターンなので、
だいたい怒っている兄の方がベランダに連れ出されるのだが、
それに不公平感を感じていたらしい。

夕食後、息子と二人で夜のお散歩。

「さっき怒っていた理由はいろいろあるけど、
 妹がスマホで愛国歌を聞いていたのが
 気に入らなかったことのひとつだった」


と息子。
そんなことで怒っていたとは。
娘は中国の現地校で習ったことをそのまま受け入れて、
中国に誇りを持ち、習った愛国歌を喜んで歌っているが、
息子のほうは性格が複雑でひねくれているので、
国慶節前に、学校であれこれ中国を褒めたたえるような話を聞いて、

「ちょっと行きすぎやろ!」

と心の中で思っていたらしい。

「そんなん言うたらボコボコにされるから、
 何も言わないんやけどねー」

と息子。

「そうやね、中国人だって日本人だって、
 小さい頃は学校で習ったことを正しいと思って、
 そのまま受け入れるほうが普通だし、
 まだ他の視点を持ちようもないからね。
 あなたの批判精神や、別の視点もある、
 という考えを持てるところは素晴らしいところ。
 同時に、妹はまた妹で、教えられたことを素直に受け入れて
 順応していける能力があって、それは妹のいいところ。
 だから、妹が愛国歌を楽しく歌っていても、
 それを責めたりしないであげてね」

と言うと、とりあえずは納得した様子。

「そやけど、みんな同じ考えの中で、
 違うことを言おうとすると、難しいな」

と息子。

「そうだよね、みんながそれを常識として信じている中で、
 何か別のことを言おうとすると、
 いろんな知識がないとなかなか難しいけど、
 あなたはまだそれを持ってない状態だから、
 これからいろいろ勉強しないとね」

「だけど、勉強してから物を言おうとすると、
 一生かかっても言えないかも」

「そうだね、真実を知るって難しいよね。
 何が真実かなんて一生かかっても分からないかもしれないしね。
 みんなそれぞれ、自分が見知った範囲で物事を判断して、
 自分は自分の考え方が正しいと思っているけど、
 相手も相手の考えが正しいと思ってるわけだからねぇ~。。。」

と、えらい抽象的な話に。

普段息子とゆっくり話せる時間をあまり持てていないが、
時々こういう話をすると、
すぐ切れて怒る息子の幼さの裏に隠された
意外に大人っぽく哲学的な考えを知り、
びっくりすることがある。

「たまには、こういう散歩もいいね」

と息子。

国慶節の連休。
時間的に普段よりちょっとゆとりがあったおかげで、
素敵な夜のお散歩タイムが持てた。

昼の国慶節花壇もにぎやかだけど、
夜の花壇もライトアップされて一段と輝いていました。

夜の花壇1
夜の花壇2
夜の花壇3
夜の花壇4



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