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「ニッポン塾」で日本語・日本文化に触れる

前回、北京で生まれ、中国語環境に囲まれて育ったわが子は主に、
1.母のわたし、2.本 3.DVDやテレビ
という3つのルートで日本語に触れ、身に着けていった
ということを書きました。

もうひとつ、子供がわたし以外の人と
日本語で会話できる場所がありました。

それは、「ニッポン塾」。

北京には、中国人の夫を持つ日本人妻の会があり、
その子供会が「ニッポン塾」です。
「ニッポン塾」に来る子供たちはみんな、
日本人の母と中国人の父を持つ日中ミックスの子供たち。
ニッポン塾には先生はおらず、子供のママたち自身が、
わが子がお友達と一緒に日本語を学ぶ場を作りたいという思いで
自分たちで毎月の活動内容を考え、自主運営しています。

当時わたしは普段中国人の家族に囲まれ、
日本人に会って話す機会はほとんどなかったので、
月1回の「ニッポン塾」で、自分と同じように中国人の夫と結婚し、
日中ミックスの子供を育てるママたちと会えるのを
本当に心待ちにしていました。

月1回のわたしの日本語タイム。

上の子が2歳前からニッポン塾に通い始めましたが、
子供が小さい頃はほんとにもう、子供のためというよりは親のため、
親のほうが月1回、ママ友に会って色々おしゃべりできるのを
心待ちにしていました
(2歳の子供がニッポン塾に行きたいかどうかは関係なし!笑)。

異国での子育て、育児の常識が違う義父母とのあれこれ、
そんな中で子供の日本語を育むためにどんな工夫をしているか、
ママたちとの話は尽きません。

そして、そんなおしゃべりの中で、
先輩ママからいろんなお話を聞けたことが、
新米ママのわたしにとっては本当に参考になりました。

自分が子供を持つ前は、

「日本人から生まれた子供は、自然に日本語ができるようになる」

と信じて疑わなかったほど無知でした。

ニッポン塾でわが子より少し大きい子供たちが日本語を学ぶ様子を見たり、
ママたちがどうやって子育てしてきたのかを聞くことができ、
ニッポン塾には本当に感謝してもしきれません。

北京で生まれ育つ子供たちが元気に日本語を話すのを見て、
わが子の将来の姿を思い浮かべることができたし、
一緒に学ぶ子供たちがいるということが
母と子にとってどれだけ励みになったかわかりません。

月1回なので、日本語に触れる機会としては少なかったのですが、
子供がお友達と楽しく日本語に触れる場があったこと、
親もママ友ができ、いろいろな育児情報を交換したり、
日本語の本やDVDを譲ってもらったりしたこと、
お正月の書き初め、ひなまつりや子供の日の工作、七夕飾り、
バザー、運動会にクリスマス会・・・・・・
わたしにとっては、孤独になりがちな異国での育児を
カラフルに彩ってくれたのが「ニッポン塾」だと思っています。

新型コロナの感染が拡大したのが
春節前の冬休み休暇にかぶる時期だったため、
ニッポン塾の子供たちは
ちょうど日本帰省中だった子も多かったのですが、
あれよあれよという間に国境の壁が高くなって
そのまま中国に戻れなくなり、
子供の学校のことや、その他色々なことを考えて
最終的に生活の拠点を北京から日本に移す決断をした
ご家庭も少なからずありました。

そのためニッポン塾のメンバーもコロナ前より減り、
また、リアルで集まって活動しにくい状態が続いていますが、
コロナ下でも子供はどんどん大きくなっていくし、
新しい命も次々に生まれ、育っていきます。

北京で育つ子供たちとママのそばに「ニッポン塾」があってほしい、
そして卒業した子供たちの心の故郷であり続けてほしいと願って、
可能な時はリアルで、
コロナの状況が悪化すればオンラインに切り替えて
みんなと一緒に
柔軟に活動していけたらいいなと思っています。


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