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僕はこんなバカげた球団のファンになった (1)

おはようございます。ヴァーチャル・ワイドアウトの当雪片 (ATARI Yukihira) です。「ヴァーチャル・ワイドアウト」とはヴァーチャル (virtual) なワイドアウト (wideout) のことです。

自己紹介をかねた前回の(そして最初の)投稿では「…趣味のフットボール (football) の話を書きます」といいました。これについて、すこし補足をしながら話を始めます。
まず最初に誤解のないよういっておきたいのは「これは soccer の話ではない」ということです。

僕はグリーンベイ・パッカーズ (Green Bay Packers) のファンです。
パッカーズは NFL (National Football League) の NFC (National Football Conference) 北地区に所属するチーム。いわゆるアメリカン・フットボールの球団です。日本語では「鎧球」 (\guy-queue\) なんて呼んだりもするみたいですが、耳で聞いたことはありません。
僕が「フットボール」というときにはこの球技を指しています。イングランド人がときどきなぜか憤っていますが、彼らが football と呼んでいるのは soccer のことです。対戦相手の選手に押されたような顔をしながら自分から地面に倒れこむとなぜか点が入る、謎の遊びです。規則はよく知りませんが、とにかくあれとは違います。
Soccer は football ではない。これは覚えておく必要があります。ただし試験には出ません。当たり前すぎるから。

さて。
アメリカ北部ウィスコンシン (Wisconsin) 州の東部にあるグリーンベイは NFL でもっとも古くからあるフランチャイズであり、もっとも熱心な数多くのファンを抱えています。
飛行機で上から見れば凍った地面と空気以外にはほとんど何もないことがわかるこの土地には、約 106,000 人が住んでいます。年じゅう雪で埋まるこんな田舎にまで球場が存在するのはさすがアメリカ。パッカーズの本拠地『ランボー・フィールド』 (Lambeau Field) の収容人数は 81,000 人を超えます。
――なんだって?
地域の人口の 80% 近くを収容する球場?

……いやいや。
それが、違うんです。

あなたがいま「むかしはもっと大きな街だったけど寂びれて大きな球場だけが残ってしまったんだね」と思ったのなら、それは誤りです。以前のグリーンベイはもっと人口が少なかった。以前よりは人が増えているのです。
もっとも、開場した 1957 年にはおよそ 32,000 人を収容できたのに対して人口は 60,000 人程度はあったと思われるので、比率で考えればどんどんイカレてきているのは間違いありません。いや、当初から狂っているような気もするけど……。
余談ですが、この人口と収容人数の比率は、日本の市でたとえると北海道北広島市 (約 57,000 人)『エスコンフィールド』(Es Con Field Hokkaido; 約 30,000 席) が存在するのとそっくりです。よく建てたなこれ。

信じられない話はたくさんあります。
「ランボー・フィールドは試合が行われるたび超満員にふくれあがる」
――なんでだよ。
「いまこの瞬間にシーズンチケットの予約を待つ列に並び始めると、100 年以上は待たされる
――どういうことだよ?
「球団は株券を発行してそれをファンが買うが、それはいっさい何らの配当ももたらさない
……何をいっているのかわからないと思うんだけど、でも、これらはすべて事実です。

そして、僕はそういうわけのわからない球団のファンになってしまった。
あーあ。なんてこった。

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