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創造性を支える「観察力」をいかに鍛えるか?

12月発売予定の安斎の新刊『問いかけの作法』では、チームのポテンシャルを引き出す「問いかけ」のサイクルの起点として、「見立てる」というステップを置き、ミーティングにおける場の状況や、メンバー同士の関係性や心理状態など、チームにおける「見えないもの」を観察するための手立てについて、丸1章分割いて考察しています。

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ちょうど「問いかけ」を支える観察の勘所について、どのように原稿をまとめあげるか頭を悩ませているタイミングで、注目の新刊『観察力の鍛え方』が出版されました。

著者は『宇宙兄弟』『ドラゴン桜』などのメガヒット作を手掛けた、株式会社コルク代表取締役社長・編集者の佐渡島庸平さんです。

本書では第1章において「観察力」の定義に迫り、第2章で「問い→仮説→観察」の連関によって進む「観察サイクル」が提案され、第3章から第5章にかけて結論に向かって論が展開されていく構成になっています。第2章には、拙著『問いのデザイン』も考察の下敷きとして引用いただいています!

この本に、ノウハウをロジカルにパッケージ化したビジネス書としての「わかりやすさ」を求める読者にとっては、第5章で帰着する結論に、若干のモヤモヤした感覚を覚えるかもしれません。

その理由は、この本の執筆を通して、佐渡島さん自身が「いい/悪い観察とは何か」「観察力はどのようにすれば鍛えられるのか」といった「問い」に向き合った探究の変遷が、生々しく記述されているからです。

第1章に展開されている思考と、第5章に到達している思考を比較すると、高次にアップデートされていることが、ちょっとした言葉の定義や、頻出する言葉の言い回しの違いから読み取ることができます。

言い換えれば、本書は「観察についての観察の記録」であり、第2章で紹介される「問い→仮説→観察」の連関が、まさに著者によって体現されているのです。

それゆえに、いわゆる「論文」のような、導入と結論のあいだに時系列的な差分がなく、厳密な論理整合性を求める形式ではなく、景色がドラマティックに揺れ動いていく「物語」として知が編まれている点が、本書の特徴であり、魅力のように思います。そんなところにも、著者らしさを感じる一冊で、とても刺激的な読書体験でした。

読み終えたばかりで熱量が冷めやらぬままの安斎と、著者の佐渡島さんの感想のやりとりを、CULTIBASEのYoutubeチャンネルにアップしていますので、是非ご覧ください。

書籍の概要と全体像、観察を阻む"3つのメガネ"などについて解説しているほか、執筆の過程で感じていた葛藤のエピソードなどが聞けて、本書の背景について理解が深まるはずです。

上記の動画でも話していますが、佐渡島さんは『問いのデザイン』をひとつの足場にして、この本の編み上げる手がかりとしてくれました。

それに対して僕は、この『観察力の鍛え方』を足場にしたら、「観察」や「問い」について、何が語れるだろうか?

もし『観察力の鍛え方』の第6章を、僕が勝手に書かせてもらうとしたら、どんなモデルを提案するだろうか?

そんなふうに、知的文通の返事を考えるように、妄想が掻き立てられました。

10月16日(土)10:00-11:30のCULTIBASEのライブイベント『組織と事業を支える「観察力」の鍛え方』では、ZOOMウェビナーにて、上記のYoutubeの動画の「続き」として、佐渡島さんと対談を深め、ときに安斎の解釈や提案をぶつけさせていただきながら、観察力の本質について迫っていきます。

以下のリンクから、是非お気軽にご参加ください。(GoogleカレンダーにイベントのZoomリンクを登録しておくと便利です)

観察力を鍛えたい方。イノベーションやクリエイションのヒントを見つけたい方。組織開発のファシリテーションのスキルを高めたい方。そして”問い”について別の角度から探究したい方など、幅広い方のご参加をお待ちしております! ※CULTIBASE Labは初月トライアルが無料なので、このイベントだけ無料で覗いていただくだけでも大歓迎です!

新書で、非常に読みやすい本ですので、ぜひ一読の上でライブイベントをご視聴いただけると、とても学びが深まるはずです!


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