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今年のベスト映画

#今年のベスト映画



はじめに

こんにちは。年内の予定が全て終わりました。
家でゆっくり過ごそうかと思っていましたが、することもなく退屈に感じてしまったので、お題にあった「今年のベスト映画」について記事を書こうと思います。
サムネイルにありますが、ぼくの今年のベスト映画として「ジョン・ウィック:コンセクエンス」をあげさせていただきます。
今回もよろしくお願いします。

ジョン・ウィック:コンセクエンス

本作がどんな作品かを語る前にジョン・ウィックシリーズの簡単な紹介をさせていただきます。

キアヌ・リーブスが演じるジョン・ウィックことジョナサン・ウィックは数々の異名を持つ元殺し屋です。後に妻となる女性との恋をきっかけに暗殺稼業からの引退を決めます。その際に当時所属していたマフィアから実行困難ともいえる暗殺の依頼を完遂したら引退を認めるという交換条件を持ちかけられました。ジョンはその依頼を見事に完遂。伝説的な異名を残しつつ暗殺稼業から引退し、女性と結婚。幸せな結婚生活を送っていました。
しかし、引退から数年後に彼の妻は不治の病で亡くなってしまいます。悲嘆に暮れるジョンでしたか、妻が生前に残されるジョンのために仔犬を手配していました。仔犬とともに穏やかに生活を取り戻しつつあったジョンですが、かつて所属していたマフィアにその仔犬を殺されてしまいます。その復讐のためにジョンは再び暗殺者として動き出していきます。

本作「ジョン・ウィック:コンセクエンス」はジョン・ウィックシリーズの第4作目です。亡き妻の忘れ形見から始まった復讐劇もどんどんスケールが大きくなって遂に最終章を迎えました。舞台も1作目のニューヨークから本作ではワールドワイドに広がっていきます。4作品目でシリーズは完結するらしいと聞いていたので

  • 大きく広げた風呂敷をどう畳むのか

  • 初作から見ごたえのあるアクションシーンはどこまで洗練されていくのか

のような点に注目しながら鑑賞しました。
すべてのアクションシーンが鮮烈で見ごたえのあるものばかりでしたが、その中から特に自分が好きなものをピックアップしていこうと思います。
ネタバレありで書いていくのでご了承ください。

ナイトクラブの戦い

本作で一番好きなアクションシーンです。1作目の「ジョン・ウィック」でもナイトクラブでのアクションシーンがありました。その時の知見が活かされているのかより見応えを強く感じました。

戦っている周囲の観客以外は一心不乱に踊り続けているのが印象的です。戦いの異様さと非日常感を際立たせていると感じるのはぼくだけでしょうか。
ジョンと相対するスコット・アドキンス演じるキーラもよく動いています。
小物感漂う肥満体の巨漢ですが、見た目に反して非常にパワフルな格闘戦を繰り広げジョンを苦しめます。見応えは抜群です!
演じているスコット・アドキンスは格闘家でもありキーラを演じるにあたって特殊メイクと巨大なボディスーツを着用して演じていたようです。かなり動きづらそうですか素晴らしい演技でした。

あまり関係はありませんが、本作の撮影はコロナ禍真っ只中で行われたそうで、これだけ大人数の撮影だと相当苦労もあっただろうなと思われます。関係者の皆さん、本当にお疲れ様でした。

「YOU SHOOT ME IN THE ASS!(俺のケツを撃ったな!)」

「BASTARD!(クソ野郎!)」

ジョン・ウィックシリーズの印象的なセリフに入る字幕もケレン味あふれて非常に味があります。抜群のタイミングで挿入されるので毎回うなってしまいます。外伝作品である「ザ・コンチネンタル」にもこの演出を取り入れたらまだそれっぽさを感じるのに・・・。

カーシーン

本作で最も強烈なシーンかもしれません。ラジオから流れる「Paint it black」をバックにアクションシーンが始まります。
少し前の「Nowhere to run」をラジオから聞きながらジョンの首を狙う暗殺者達が武装していくシーンも好きです。

シーン冒頭から敵味方当たり前のように車にはねられる、はねられながらもボンネットの上から運転席に銃撃戦をするジョン、ドリフトしながら路上のピストルをキャッチするなど、とんでもないアクションを繰り広げます。この時に監督がジョンのアクションを楽しめるように車のサイドドアを破壊する演出を加えたとのことです。すばらしい!

冒頭から力の入ったアクションシーンが続きますが、特にすごいのが中盤の凱旋門広場のシーンです。バリケードを張った車の周りをドリフトを維持しながら銃撃戦を繰り広げます。すごすぎてもうもう意味がわかりません!
ドリフト走行を維持しつつ銃撃を加えてさらに他の逆走行車も衝突しないようにする危険度が高そうなシーンですが、緻密な計算と練習の末に生み出されたものだと思います。とんでもない熱意ですね。
この後も車から降りて行き交う車を遮蔽物に銃撃戦、格闘の〆に相手を走行車に衝突させる、車にはねられた敵に銃撃を加えるなど見ごたえあるアクションが続きます。

防弾スーツは必要なのか?

1枚絵でみるとかっこいいが・・・

一方で気になった部分も存在します。「ジョン・ウィック:チャプター2」辺りから出てきている防弾スーツの存在です。当初はジョンだけが装備し遮蔽物のない場所での撃ち合いに重宝していましたが、今作から多くの敵も装備しています。
そのためジョンも相手もお互いにジャケットで頭を隠しながら撃ち合いをするシーンがいくつかあり、アクションが間延びしていると感じます。見た目はただのスーツのジャケットなのでヒラヒラして頼りないのも認識のギャップを生じます。
特にジョンはスーツで頭を隠しながらヒョコヒョコと情けなく動くので、シュールを通り越して若干の興冷めを感じました。撮影中に違和感を感じるスタッフはいなかったのでしょうか・・・。

ジョンが被弾するシーンは極僅かであること、衝撃は殺せないので頭部に被弾したら結局即死であることなどから、防弾スーツの設定は思い切ってオミットしてもよかったんじゃないかと思います。
お互いに低姿勢で移動しながら撃ち合ってご都合主義的に被弾しない。の方でもいいような。でも低姿勢でのシーン撮影は腰がきついから防弾スーツを採用したんでしょうかね?

困難であろうともジョン・ウィックワールドは広がってほしい!

気になる点もありましたが、印象的なシーンの多いアクション映画だと感じました。
上記のシーン以外にも、ギラギラした和の装飾や桜の木、何故か弓矢で応戦するヤクザに当世具足を意識したアーマーの特殊部隊など、これでもかと日本要素をつぎ込んだコンチネンタルオーサカの場面もお気に入りです。
久々にトンデモジャパンの描写をみて一見シュールに感じますが、ジョンウィックの世界観にマッチしていると思います。
「メイワクカケテ、スマナイ。」「押忍!」

仔犬の復讐から始まったジョンの物語は、本作において一定のけじめをつけることになります。すべての報いから解放されたジョンは、その場で力なく座り込み、力尽き倒れ込んでしまいます。場面は切り替わりジョンと彼の妻の名前が刻まれた墓が映されエンディングを迎えます。
本作をもってジョン・ウィックの物語は一区切りを迎え、しばらくはお休みという形になると思います。ただし明確にジョンが亡くなったかは分からないので続けようと思えば続けられる状態だと思いますが。

本編は一旦ストップしそうですが、ジョン・ウィックの世界観の拡張に力を入れており、その第一弾としてAmazon primeからスピンオフの「ザ・コンチネンタル:ジョン・ウィックの世界から」が配信されています。
作中でジョンの友人でありコンチネンタルホテルの支配人、ウィンストンとホテルの過去を描いた全3話のショートドラマですが、個人的には正直イマイチです。

ジョン・ウィックと冠しているので偉大な本編と比べてしまうのですが、アクションがどうしても物足りなく感じてしまいます。決して酷い訳ではないで、ジョン・ウィックと付けないほうがよかったのではと思います。明らかに撮影浮かせただろと見受けられるシーンもあり残念に感じます。
お話も仔犬の復讐劇から始まる本編のわかりやすさと比べちょっとゴチャついてるのも気になります。もっと整理して3時間くらいの映画作品にした方がよかったのではないでしょうか。

このように、どうしても本家シリーズとの比較をされることになるため、ジョン・ウィックワールドの作品を作っていくには高いハードル(特にアクション)に強いプレッシャーに晒されていくと思います。
ですが、ケレン味溢れる暗殺者の世界を描いたジョン・ウィックワールドは非常に魅力的であり、アクションシーンを見ればどんな人でも心を奪われる強烈な熱量を感じます。
「あの世界観、アクションをもう一度。」と思ってしまうのはぼくだけではないはずです。派生作品を作るのであればぜひ頑張って欲しいです!と陰ながら応援しております。

終わりに

今回は今年のベスト映画として「ジョン・ウィック:コンセクエンス」を取り上げさせていただきました。年末暇だからサクッと記事を書こうと当初思っていましたが、気がつけば4000字前後の長文になってしまいました。執筆にも2日ほどかかっています。長い文章に付き合っていただきありがとうございました。
最新作の「コンセクエンス」はまだ配信されていませんが、それより前の3部作はAmazon primeで配信されているので、年末年始のちょっとした空き時間にジョン・ウィックシリーズを見てみるのはいかがでしょうか。

ぼくは映画館で字幕版を見たので、サブスクが始まったら吹替版を見てみたいと思っています。

ここまで読んでいただきありがとうございました。

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