【英語学習】自分に向いている学習方法とは?:『50代からのやり直し英語術』
自分に合う学習方法ってなんだろう。
英語を長く学んでいる人でも、学び始めたばかりの人であっても、英語の学習方法について悩む方は少なからずいると思います。
私もその1人です。
野本響子さんの『50代からのやり直し英語術』は、英語の学習方法で悩みを抱えている人にぴったりの本でした。
自分に向いた学習方法を見つける
どんな学習の方法が自分に向いているかは、自分にしかわかりません。
英会話講師として働いていたとき、子どもから大人まで幅広い年齢の方の英語学習をサポートしてきましたが、「多くの学習者に効果的な学習方法」はあっても、「確実に全員の英語力が伸びる学習方法」というものはありませんでした。
学習目的・得意なこと・苦手なこと・興味の方向性が一人一人でちがうので、当たり前といえば当たり前です。
『50代からのやり直し英語術』で、野本さんは次のように述べています。
「これさえやれば英語力が伸びる」という形ではなく、「英語という言語の学習には終わりがなく、楽しく続けられる方法を見つけることが重要」としているスタンスにとても共感しました。
学習で伸び悩んでいる時には特に、「〇〇を覚えれば英語ができる!」と喧伝されている方法に飛びつきがちです。
でも、そういう時こそ、自分の学習スタイルをいま一度じっくり見つめ直すことが必要だと感じました。
子どもと同じ方法で言語を学ぶ
あくまで一つのモデル、と前置きした上で、野本さんは次の学習方法を提示しています。
綴りと発音のルールを知らなければ、字幕付きの映画や洋書多読に挑戦してもなかなか学習が続かないと思います。
私は、中国語を一から学んでいるのですが、拼音がよくわからない状態のときにとりあえず字幕を表示してみたり、簡単な絵本を眺めたりしたときに1番辛かったのが「文字と音が結びつかないこと」でした。
フォニックスルールは全てに適用されるものではありませんが、覚えておくと初めて出会う単語の読み方も推測できて便利です。
別の著者の本ですが、『あいうえおフォニックス』では日本語の音の出し方を用いて説明しているので、日本人にもわかりやすくフォニックスルールが学べます。
『言語を習得し、それを学ばない方法!』
野本さんの本の中で興味を惹かれたコラムがあります。
言語学教授であるJeff Brownさんの動画についてのコラムです。
言語を学ぶ時、母語での訳を通すことなく、また文法学習に取り組むことなく「身につける」方法が提唱されています。
たとえば将来英語の先生を目指すなら、文法用語は知っておくべきですし、生徒から質問されたときにどうしてそういう文の構造になるのかを説明できなくてはなりません。
でも、「英語を使って〇〇がしたい」という勉強そのものとは別の目標があるのなら、また文法から先に学ぶ方法で伸び悩みを感じているのなら、試してみると良いと思います。
英語コンテンツを大量にインプットするということ自体は、文法学習から始めた方にとっても有効です。
英語のインプットと「好き」という気持ち
そうそう、そうなんですよね!!と頷きながら読んだのが、英語のインプットに関する章でした。
野本さんは、「スクールに通い、受動的にレッスンに参加するだけで英語が身につく人は少数であること」「興味のあることに関して英語を使って取り組むことの大切さ」に触れています。
英会話スクールに勤めていたとき、趣味がない方の英語力を伸ばすサポートは結構苦労しました。
興味のあることを続けてね、とお伝えしても、まずご自身の興味の範囲を把握されていないのです。
反対に、ものすごい勢いで上達していったのは、たとえば「好きなドラマを英語で見たい」とか、「海外のコミコンに行って推しと会いたい」とか、「海外旅行に行ったときにもっと博物館を楽しみたい」というような、好きが原動力になるタイプの方でした。
以前の英語遍歴で書いたのですが、私の英語力がぐんと伸びたのも、「ものすごい勢いで何かにハマったとき」です。
そういう意味では、オタク気質のある方は言語学習に向いているかもしれません。
『50代からのやり直し英語術』を今、読もう
『50代からのやり直し英語術』とあるし、まだ若いから関係ないや……と思っている方にこそおすすめしたい本です。
英語学習に関して、こんなに赤裸々に失敗談を書いてくれている本はなかなかないと思います。
自分で失敗を重ねて上達して行くことにも意味がありますが、先人の失敗談を知っておけば、自分にとって効果がなく、おもしろくもない方法で長い間耐える・伸び悩むという時間は少なくて済みます。
全体を通して、同じ英語学習者という立場の読者を励ますような文体で書かれているところも好きなポイントです。
今回あげた内容の他にも、本書には英会話スクールの利用のコツ・おすすめの英語コンテンツ・学習方法などが挙げられています。
学びはいつからでもスタートできますが、やる気がみなぎっている時が取り組みどきです。
英語学習で悩む方に届きますように。
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