【洋書感想】 “Think English, Speak English”英語をスムーズに話せるようになるには?
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日本にいると、自分から機会を掴みにいかない限り、英語で話したり聞いたりする機会はとっても少ない。
この本のテーマは、「第二言語として英語を学ぶ学習者が、英語でスムーズに話せるようになるためにはどうしたら良いのか」である。
著者の経歴を見てみると、日本で英語を教えたことがある、と書いてある。
英語のスピーキングについて英語で書かれた本の中に、日本語の喩えがたくさん出てくるのはちょっと不思議な感じがした。
著者は、「英語学習者が陥りやすい過ち」のひとつとして「一語一語の翻訳と文法にこだわりすぎてしまう」ことを挙げていた。
以下に原文を引用する。
前後の文章も含めて要約するとこうだ。
例えば、普段の会話の中で「洗濯干すの忘れた!」というごくごく短い文章を言おうとしても、一語ずつ「翻訳」してしまう癖がついていると、スムーズな会話にはならない。
また、文法ミスに気をつけなきゃ、間違いのない文章を作らなきゃ、とここから更に一語ずつ組み立てようとすると、複雑に考え過ぎてしまう。
これを解消するための方法として、著者は「チャンク(フレーズをかたまりごと覚える)」という方法を提案する。
たしかに、せっかく一単語ずつ一生懸命覚えても、文章の中での使い方がわからないと咄嗟の会話では使えない。
会話の中で使えるフレーズをいくつもパターン化して覚えておくのは、重要なことだ。
特に普段の生活の中で頻出のフレーズは、そのまま使える形で覚えておいてほうがとっさのときに口から出てきやすい。
他にも著者は、スムーズに話せるようになるための方法として、以下を挙げていた。
ひとりごとを英語にすること
1単語1単語の意味よりも、文章全体としての意味を捉えること(日本語に翻訳できないフレーズもあるため)
英語に触れる機会を増やすこと(ただし「頑張って勉強しよう!」時を張るものではなく、気楽に)
私のX(旧Twitter)のタイムラインには、英語圏のVtuberの配信を見ている仲間がたくさんいるけれど、「気楽に英語に触れる」機会は持ちやすい世の中になったなと思う。
推しの配信を毎日見るだけでも、ここの一つはクリアしていることになる。
挙げていた方法の中で、「私以外にもこの方法で練習している人がいたんだ!」と嬉しくやってしまったやり方があった。
架空の(空想上の)会話のやり取りをする、というものである。
相手は友人でもいいし、家族でもいいし、架空の存在でもいい。
日常の中のこういうシーンだったらどういう会話が生まれるか、想像して会話するという方法だ。
唐突に好きなものの話を持ち出して申し訳ないのだけれど、私は学生の頃、ハリーポッターシリーズに本当にハマっていた。
ちょっと大袈裟かもしれないけれど、めちゃくちゃハマっていた時、暇があればハリーポッターの映画を見ていた。
映画を見ながら、私がハリーと同じ学生だったらこういうふうに話をするかも、先生の質問にはこんなふうに答えるかも、と想像するのがちょっと楽しかったのを覚えている。
ハリーポッターを見たり読んだりしたことがある人なら、ホグワーツへの入学に、一度は憧れたことがある人も多いんじゃないだろうか。
そんな楽しみ方をしていた時である。
私は夢を見ている時に夢だ!と気づくタイプなのだけれど、夢の中で、スネイプ教授が流れるようにイギリス英語を喋っていた。
私の脳内ってこんなに英語の語彙あったんかい、私も知らなかったぞと思うくらい、ちゃんと、スネイプ教授が喋っていた。
映画のままのスネイプ教授だった。
多分普段の引き出しでは、知っているけれど口からは出てこないタイプの語彙も使われていた気がする。夢だからすぐに忘れてしまったのが残念だ。
夢に出てくるまで想像上の会話で英語を使い倒す……とまではいかなくても、続けていれば効果は出そうな気がする。
話が逸れたが、英語学習者向けに、日本人が間違えやすい要素なども盛り込んで英語で書かれた本、というのは読んでいて面白かった。
Amazonのレビュー(特に日本語のレビュー)がやや辛口なのは、この本を読むのに求められる英語レベル・持久力がある読者にとっては目新しい学習法が少なかったから、というのもあるのではないかと思う。
高校英語レベルの文法・単語知識があれば読める、比較的口語表現も多い本である。
(難しさの感じ方には個人差があるので、そこは念頭に置いていただけるとうれしい)
多読の一環として読んでみても面白い本だと思う。
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