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【英語学習】ことばについて考える

こんにちはもしくはこんばんは、結木です。
最近、「ことばって、英語って楽しい!」と改めて思ったできごとがあったのでそのことについて書こうと思います。


洋書の読書会

英語学習を楽しく・ゆるく・長く続けることを目標にして主催している読書会が、先月ついに開設から1年半を迎えました。やったー!

ひとくちに「読書会」といっても目的や対象者によってさまざまなものがあるけれど、私が実施している読書会は2部構成にしています。
事前の準備が必要ないよう、ひとりひとりが黙々と読書をする読書パートと、読んだものの感想について話し合う感想パートです。

会の雰囲気

メンバーはNIJISANJI EN〔英語圏を中心に活動Vtuberの方たち〕のファンで構成されています。
ひとつ共通の話題があるだけで、ちょっとした安心感がある気がしています。
ENがきっかけで英語を学び始めた、もしくは学び直しを始めたという方も多いです。

大学で文学を学んでいた、など「言葉」というもの自体に元々興味がある人もいれば、学生時代には英語にそこまで興味を持っていなかったという人もいて、だからこそ感想のパートではいつも新しい発見があります。

いくつか例を挙げるとこんな感じ。

シンデレラとslippers

たとえば以前、シンデレラを読んだ参加者からこんな話題が出ました。

シンデレラといえばガラスの靴

「『ガラスの靴』が英語でglass slipperと表記されていて、スリッパ、の音からどうしても日本で使われている『室内履きとしてのスリッパ』を思い出してしまうけれど、そもそもスリッパってなんだろう。どうしてガラスの靴はshoesではないんですかね」という話題が出て、会の中で検索してみました。

Collins dictionaryの説明を引用します。

1.
a light shoe of some soft material, for wearing around the house
家の中で履く柔らかい素材でできた軽い履き物
2.
a woman's evening or dancing shoe
女性のイブニング・シューズ(フォーマルな夜会で履く正装の靴)もしくはダンスシューズ

Collins

読書会では、「shoesではなくてslippersになっているのは、ただの靴ではなくて舞踏会に履いていくような履き物だよということを示すためなのかもしれない」という推測に落ち着きました。

日英対訳で見るオノマトペ

漫画で使われているオノマトペを見て、「日本語だとドーン、バーン、バンと表現されている部分が英語だと基本的にはBoomになっているのが不思議」「動物の鳴き声も各国で違うし、そもそも聞こえている音の認識が違うのかも?」と、真偽がわからないなりに思いを馳せたこともありました。

同じ現象を見たとき使用言語によって異なる響きのオノマトペを選択するのかどうか、気になります

日本語が母語でなかったり英語圏で暮らしたことがあったりするメンバーもいるので、そういう時はそれぞれの地域のことばと比較する機会もあって面白いです。

『翻訳のさじかげん』

読書会ではことばについて考える機会がたくさんあります。
そんな会と似た雰囲気を感じ、言葉について考える楽しさを味わえたのが、金原瑞人さん著の『翻訳のさじかげん』。

『翻訳のさじかげん』というタイトルではあるものの、翻訳論について書いてあるわけではありません。
翻訳の難しさに触れている章もあるが、基本的にはことばのおもしろさについて語っているという印象でした。

シンデレラと「革の靴」

先程のシンデレラの話に戻りますが、『翻訳のさじかげん』のある章では、「シンデレラに登場するガラスの靴は、翻訳されて世界中に広まる前は、皮の靴だったのではないか」という説が展開されていました。

もう少しまっとうな説としては、こんなのがある。

古くからフランスに伝わっていたこの話が、イタリア語に翻訳されるときに、訳者がフランス語の “vair”を”verre”と間違えて、「ガラスの靴」とひてしまって、これが広まった。

さらに後世、このイタリア版の話をフランスに再輸入しようとした人がいたのか(ペローかもしれない)、あるいはイタリア語版の「ガラスの靴」をおもしろいと思った人がいたのか、フランスでも「ガラスの靴」ヴァージョンが取り入れられて広まった。これはありそうだ。

『翻訳のさじかげん』

絶対にこれが正解!というものがわからなくても、物語に出てくる単語について「こうかもしれない、いやもしかしたらこっちかもしれない」と想像するのって、わくわくします。

英単語と数字

単語を覚える時に役に立ちそうと思ったのは、英単語と数字を扱った章。
この章は、1から10までの数詞の説明から始まります。

一覧にするとこうです。

1 (mono)
2 (di)
3 (tri)
4 (tetra)
5 (penta)
6 (hexa)
7 (hepta)
8 (octa)
9 (nona)
10 (deca)

この数詞を覚えておくと英単語を覚える時にも応用が効くという内容で、例えばmonochrome(単色、モノクロ)やmonologue(モノローグ、独白)には1を表す数詞のmono、octopus(タコ🐙)やoctave(オクターブ、8度音階)には8を表す数詞のocta(octo)が挙げられています。

ではどうしてOctoberは8を表す数詞のoctoがついているのに8月ではなく10月という意味なのか……という理由も、別の章で書かれています。

ことばっておもしろい

人とのお話や、単語の由来などと関連づけて触れた単語は、単語そのものだけを一生懸命覚えようとした時よりも記憶に定着しやすい気がします。

これからもことばのおもしろさを感じながら読書会を続けていきたいと思います。

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