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梅雨短歌

雨の日に雨粒が窓に当たる音だけを聴いていると、過去のことについ思いを馳せてしまいます。
梅雨の間は過ぎ去った時間を思ったり、忘れ癖を発揮して傘を失くしたり、晴れの日に草木の生命力に目を見張ったりしていました。


外界は全部アトラクションだった雨降りの日もかけ出す子犬

あと何度朝の散歩を重ねればきみと家族になれるのだろう

雨の日は散歩をしない犬でしたそういうことばかり思い出す

お別れを先延ばしする乾燥剤まだ埋められずにいてごめん

今までに置いてきた傘どの柄も覚えてなくて運命じゃない

安いビニール傘ばかり集まってどうせ丁寧ではない暮らし

雑草の生命力で満ち充ちる世話する者をうしなった庭

#短歌

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