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Thinking

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#カント

哲学を「する」ということ

前回の日記で私小説作家西村賢太について取り上げたが、それ以前の大学生から25歳時点まで私が集中的に読み込んでいたのは、哲学者中島義道の著書であった。 当時、神保町の三省堂、池袋のジュンク堂、新宿紀伊国屋をその日の気分や他の行き先に合わせて選び、入り浸っていたものだ。私は本を読むこと自体は好きだが、ひとつ気に入ったものがあればそれを繰り返し読み込み、それから著者の他の作にどんどん手を伸ばしていくタイプであり、ともすると守備範囲が滅法狭い。先の大学生から25歳までは、そのほとん