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EvernoteとScrapboxの使い分けについて考える。

この記事では、情報を蓄積して整理するやり方について考えている事をアウトプットしておこう。知的生産のやり方について大まかに整理してある記事はこちらになる。

こちらで紹介した、「情報収集」、「蓄積」、「思考」、「伝達」の4プロセスの中でも、今回は「蓄積」と「思考」のプロセスについて書いていくつもりである。

備蓄と思考でつかうツールは何か?

情報を収集して、それを保存しておくツールは昔だったらスクラップ帳などに新聞の切り貼りをしたり、情報カードにメモを書いて整理していたりしてただろう。現代ではデジタルツールがあるので、そちらを上手く使うのが良い。いろいろとデータベースツールがあるが、僕はEvernoteを愛用している。

Evernoteはいろいろとメモを取ったり、Webページのスクラップを保存することが出来て、その保存した情報をノートブックやタグで整理することができる。これを上手く使えば、自分が一度調べた記事をすぐさま検索することができて、高品質のアウトプットを生み出すことが出来る。

しかし、最近の知的生産クラスタではScrapboxが良く使われるようになっているようである。Scrapboxというのは簡単に言うと、自分用のWikipediaを作る事ができるwebサービスである

Evernoteは兎に角大量のデータを簡単に保存することができるけど、これを使う時に取り出すのがめんどくさかったりする。あまりにも大量のデータを保管してしまったために、保存しただけで使われないデータが存在してしまったりするのだという。

Scrapboxを併用することで、そのあたりを補う事ができるらしいのだが、僕自身、Scrapboxの使い方は良く理解できていない。そこでいろんなネット上の情報や本などを読んで、こういう事じゃないか?という自分なりの、使い方の方針みたいなものを決めておきたいなと思ってこの記事を書いている。

Scrapboxの使い方については倉下忠憲氏の「Scrapbox情報整理術」を読んでおけば、大体の使い方やどういう位置づけなのかはまとまっているかと思う。

Evernoteをどう使うのか?

Evernoteを僕がどう使っているのかを書いていこう。

僕のEvernoteの使い方は、普通に気になったWebページを専用のクリッパーで保存するほかにも、はてなブックマークで保存した記事や、自分の書いたブログの記事、twitterでいいねを押したツイートなども保存してある。これは大体IFTTTを使ってやっている事である。

ライフログを大体はEvernoteに集約しており、Evernote自体は2008年ごろから使い続けているのでメモは膨大な数になっている。

メモの取り方として、僕はchangelog形式の日記というやり方で、一日でやったこと、考えた事などを記録している。

changelog形式の日記というのは別に難しいことではなくて、テキストファイルを用意して、ファイル名にはその日の日付を付けて、メモを取るときは打刻をして考えた事などを記録する事である。こんな感じだ。

2020/07/12 14:25:44
今日はnoteにEvernote、Scrapbox、dynalistの使い分けの記事を書く

2020/07/12 14:26:22
コメダ珈琲で記事を書いている。15時ぐらいには帰ろう。

これをEvernoteの日記ノートブックの中に一日一ページで用意して、その時に気になったことをスマホやPCで打刻してメモを取るのである。Evernoteであれば写真をとってそれを張り付ける事もできる。

Evernoteであれば一か所のノートブックにまとめた事であれば、あとから検索したら大体見つける事ができる。このchangelog形式の日記というのは梅棹忠夫氏の「知的生産の技術」の日記の取り方を参考にして始めた事であるが、思いついたことを逃さず記録することができるのでやりやすい。

Evernoteは脳の拡張機能みたいなうたい文句で宣伝していた事もあるけれど、実際に気になったこと全部を保管してしまって、あとからノートブックなりタグなりやフリーワードの検索で自分の必要な情報を拾い出すのである。さながら、自分用のGoogle検索を作り上げるようなものである。

Scrapboxをどう使う?

上述した倉下氏の「Scrapbox情報整理術」では、Evernoteが個人用のGoogleを作るためのツールだとしたら、Scrapboxは個人用のWikipediaを作るためのツールなのだという。どちらが情報管理ツールとして優れているとかそういう比べ方をするのは意味が違うのであり、用途が違うのだ。

なのでEvernoteを使いつつも、自分用のWikipediaとしてこれから膨らませたいアイディアや情報を囲い込む生簀として使うのが正しいようである。

Scrapboxでは、情報が主役であるので、「私の注意・認識」で支配する必要がありません。情報が自律的になる──それはつまりオブジェクト的になるということ──のです。
また、Scrapboxでは、階層構造下に情報を配置しなくてもいい(そもそもできない)ので、何か新しい情報を入れようとしたときに、「既存の構造のどこに位置するのか」を考えなくても済みます。
それはつまり、ある情報を「整理のための形式」に押し込めなくてもよいことを意味します。そこにある情報を、「整理の形式ではこうなっているから、そのように合わせよう」という変形を施さなくてもよいのです。

Evernoteのように情報をノートブックやタグで整理しなくても、関係性を追いかけていくことで必要な情報を見つける事ができる、それがScrapboxの使い方の様です。

しかしながら、Scrapboxで情報を管理していくには、ある程度、情報の粒度を大きくしておく必要があるのではないか?と思うんですね。その情報の文脈などから新たな意味を発見したりするためには、情報を整理する段階でかなり情報を錬成しておく必要があるのではないか?と思うのです。

EvernoteとScrapboxを組み合わせて使うためにはどうしたらいいのか?

EvernoteとScrapboxって用途が微妙に違うのですね。僕はそこのところちゃんと理解できてなかったらしくて、ScapboxをEvernote的に何でもかんでも情報をぶち込んで使おうとしたんですけど、まったく使い物にならなかったです。

どうも、Scrapboxの使い方としては、Evernoteの中にある情報を自分なりにまとめて豆論文ぐらいの粒度までまとめて、それを泳がせるための生簀として使うのがよろしいようです。

以前はEvernoteが終着点でしたが、今では新たな赴任地としてScrapboxが新設。
豆論文のうち「見込み」の感じられるものをScrapboxに転記します。
Scrapboxは僕の中では「生け簀」のような位置づけで、ここに“放流”することで、既存の豆論文たちとキーワードを介してつながります。
つながることで思索が深まり、新たな切り口が得られればそれが「企画」として巣立っていくことになります(=アウトプット)。

つまり、Scrapboxは、Evernoteの様に情報をただ保管しておくのではなく、能動的にアウトプットに向けて膨らませるために使うツールですね。どちらかというとメタノート的に使うのが正しいのであり、スクラップ帳的に使うEvernoteとはまた違った思考フレームが必要とされます。

まとめ

今回はEvernoteとScrapboxの使い分けについて書きました。情報を収集して保管するのはEvernoteを使うのが良いのですけど、それをさらにアウトプットに向けての工程を進めるためにはScrapboxで情報を少し泳がせておいた方が良さそうです。

僕自身、この使い分けというのは体得できている訳でもないので、思考の整理のためにこの記事を書いています。より良い知的生産のために、適切なツールの使い方はわりかし重要だったりします。

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