飛び込んだ川の中であっぷあっぷ、梅雨

美大受験はだいぶ変な空間を経由して生まれんだな、と画塾にいながらつねづね思う。学習とも違う作業。
答えが無いなりに皆が違う答えを探すように鉛筆ないしは木炭を走り回らせ、数時間、時に十数時間筆が走り回ったその大きな紙を教師が纏めて講評する。

楽しいが苦しい。苦しみの大半が、俺の下手さに起因するものであることを踏まえるとなお苦しい。上手くいかない。講師の方いわく、上手くいかない期間がとても重要らしい。

分かる。分かるが、苦しいものは苦しいんすよ。耐えるしかないんだろうが、溺れかけの人間に泳ぎ方を教えないでしょ。まず陸に揚げたあと泳ぎ方を教えてくれや。

まぁ下手である分には死なないので絵の場合は溺れながら泳ぐしかないのだろうが先生、俺2年間溺れっぱなしですよ。そろそろボートの一つぐらい出してくれたって良いじゃないですか。このままじゃ来年も溺れてますよ、俺。

夏休み明けたら犬掻き位できるようになってっかな。もしくはもう海底かも。

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