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院進学 準備

志望理由
 私は、将来的に外国人の子供(ダブルリミテッド)の日本語教育について貢献していきたいと考えている。現在私は、外国人の子供の日本語教育また、母国語教育について外国人の子供が多い地域(以下「集住地域」とのべる)と外国人が少ない地域(以下「散在地域」と述べる)の教育の格差について問題意識を持っている。そのため大学院では、「外国人の子供に対する日本語・母国語に対する全国一斉オンライン教育の提言」を行いたいと考える。そのためにも、この教育体制を国をあげて行うことに対する課題点について研究したいと考える。これらを考えるきっかけとなったのが、大学1年生の時に日本における、外国人の子供の不就学の生徒が全国で2万人いるという統計を知り、外国人の子供の教育について焦点を当てるようになった。これに対して、現在政府はこの不就学の生徒を失くすという政策を打ち出しているものの、現実的ではないことが問題点として挙げられている。その中で、集住地域と散在地域の言語教育の差異について疑問を持ち、これを解決する方法がないのかと思うようになった。これについて大学の研究に引き続きより深く勉強をしたいと考えている。また、なぜ貴学を志望したかと言うと貴学の学問領域横断的なプロセスや研究指導の方法が私の研究には必要であると考えたためである。理由として、私の研究は公共政策だけではなく、社会マネジメントの観点からの検討も必要であり、さまざまな視点を持つ必要性があるためである。また、その中でも特に上久保誠人教授が政策過程論を持っておられることから、この教授が私の先生として望ましいと考えた。これらの知識を学び、活かすことで今後メディア業界に就職し知名度を上げた上で、ゆくゆくは国会議員となり国の課題となる外国人の子供の言語教育について解決していきたいと考える。

研究計画書

卒論・演習論文のテーマ
外国人の子供に対する初期日本語教育の全国一斉オンライン授業の提言」(初等教育における多文化共生の方法について)
入学後の研究テーマ
「外国人の子供に対する初期日本語教育の全国一斉オンライン教育の提言と母国語教育の方法についてESL教育とJSL教育の比較」
研究目的
 
本研究は「オンラインにおける全国一斉、初期日本語教育」についての研究である。現在日本人口は、2008年をピークに徐々に減少し、2100年には7496万人まで減少すると推定されている。人口減少が続くことにより、生産年齢人口や労働力減少につながり、経済規模の縮小は避けられないとされている。そこで国が目をつけたのが外国人労働者である。外国人労働者の増加は、日本のグローバル化を促進することに繋がる。これらは国際結婚の増加や移民の増加にも繋がる。移民の増加に伴い、多文化共生は大人・子供問わず必要となる。国際結婚などにより、文部科学省による2020年の調査は、学齢相当の外国人の子どもの住民基本台帳上の人数は、合計12万3,830人とされており、子供の増加も見てとれる。これらのことから、大人・子供共に多文化共生が必要な人数は存在しているのではないかと考えられる。一方で現状として、多文化共生の前に外国人の子供達に対する教育が追いついておらず、ダブルリミテッドの児童が増加している現状がある。しかし、この外国にルーツのある子供に対する言語教育が十分に機能すれば、短期的に見れば、子供の学業挫折をなくすだけではなく、長期的に日本のグローバル化にもつながるため、研究の必要性があるのではないかと考える。

先行研究
 
上記の研究の目的で述べた、短期的目的の子供の学業挫折をなくすと言うことに関して、宮島の2010の研究によると、家族の低い不安定な収入から子供の教育に配慮することが困難な出稼ぎ型スタイルや家庭内暴力や別居、離婚が引き起こす家族統合の欠如などが主な要因となり、学業挫折を起こし、社会的こりつを引き起こしているという現状があることが言われている。これらを解決するためには、海外で取り入れられているESL教育においてニューカマープログラムを日本で、初期日本語教育に実施することが有効なのではないかと考えられる。理由として、1985年にイギリス政府の出した報告書において、海外の取り出し授業は英語取得と教科学習においてマイナスに作用すると言われている。さらに、バトラー後藤の2009年の研究によると、ESL教育において取り出し授業を行っても結局普通の授業に戻った際にはついていくことができないということが言われている。一方で、ニューカマープログラムは、バトラー後藤(2009)によると、「基本的な英語や、主要教科で遅れをとってしまっている内容を補ったり、アメリカの学校に慣れるための指導を行なったりする」とされている。これらのことから、私は日本の初期日本語教育には、ニューカマープログラムの実施が必要であると考える。

研究内容

 私が研究しようと考えていることは、「外国人の子供に対する初期日本語教育の全国一斉オンライン教育の提言と母国語教育の方法についてESL教育とJSL教育の比較」である。この理由として3つのことが言える。オンラインにおける全国一斉、初期日本語指導について、まず日本の生産年齢人口の減少から見て外国人労働者は必要であり、日本では多文化共生が今後必要不可欠であることが先行研究によりわかっている。第二に言語教育は子供のアイデンティティや人格の形成に必要不可欠な要素であり、長期的にサポートする必要性がある。その足がかりとして、まずは初期日本語教育が必要なのではないかと考えられる。最後に初期日本語指導を全国的に平等に行うためには、新型コロナウイルスによって普及したオンライン教育を活用し、全国一斉オンライ教育を行うことが良いのではないかと考える。さらに、このことに関しては、先行事例として大阪府の「大阪府オンライン教育」が存在すること、またGIGAスクール構想やタブレット端末の配布状況からも実現可能性が見えた。これらのことから、私は「オンラインにおける全国一斉、初期日本語指導」について提言する。今後の展望として、研究対象の学年については小学校低学年を対象にしたいと考える。理由として学童期(小学校低学年)は、あいさつなどの基本的な生活習慣や社会生活上 の決まりを身に着け善悪などを判断し、人間としてしてはならないことに関する指導を重視するなど道徳教育の充実を図る(内閣府)とされていることがある。このことから、日本における多文化共生を行うためには、社会の規範を学び始める初等教育が重要なのではないかと考えたためである。次に課題として、日本でこの提言を実現しようとした際の省庁間の課題の解決方法の検討が必要であるため今後省庁の関係性や仕組みについて考えたいと思う。また、海外の特にESL教育についての研究をもとにした日本のJSL教育の課題点をより深く研究していきたい。最後に人口移動について本当に外国人労働者が今後も増加することが見込まれるのかについての検討が必要であると考えている。さらに、JSL教育において現状として外国人の子供がそもそも少ない県である山形県と、外国人の子供が多いとされている大阪府について文献調査を行った。そこからオンライン教育を全国的に行うことによって最終的には母国語教育も可能になるのではないかと考える。このように考える理由として、初めに山形県の現状として、土屋ら(2014)によると、山形県は、外国人散在地域であると考えられている。この中で、子供に対する教育支援は、支援者と学校教員が行っており、子供がいなくなると取り組みが中断されることが問題として上がっている。これらの原因として、子供に教育支援が行政の施策になりにくく、予算の確保が難しいことが挙げられる。一方で大阪府では、大阪府は平成21年1月から大阪府の教育力向上プランに基づき様々な活動がおこなわれている。一方で、大阪府の中でも外国人の子供が少ない地域では、制度が整っていない現状があることがわかった。例として、河内長野市にインタビュー調査の中で、国際交流協会の日本語サロンでは、主な対象は技能実習生であり、子どもには基本的に対応していないという。これらのことからわかる課題点として、地方自治体によって支援の方法は大きく異なるということである。しかし、大阪府は2021年から「大阪府オンライン日本語指導」と言う取り組みを始めた。これは、日本語指導が必要な生徒は増加している現状があるにも関わらず、学校によっては外国人の子供が少なく、日本語教育がうまく執り行えていな現状をオンライン教育に変換することによって、その子供たちに対しても日本語教育を同質に行うと言うものである。大阪府では、これにより、地域間の差を無くなると予想されている。この取り組みは、同時に授業を他の学校の母国語を同じとする子供と授業を受けることができる。これらの取り組みは、バトラー後藤の2009年においてにおいて、「母語で十分な学習言語を習得することが、第二言語での学習言語習得に役立つ」ということにも寄与する。これらのことから、この取り組みは、他の都道府県に関しても行う必要性があるのではないだろうか。これらを行うことで現在は初期日本語指導に焦点が絞られているが、最終的には母国語教育にも応用をすることができるのではないかと考える。

研究方法
 研究方法としては、主に文献調査とフィールドワーク、学会への参加を中心に行いたいと考えている。
 文献調査では海外で行われているESL教育について具体的に検討を大学で研究している以上により深く研究を行う。ESL教育の中でも特にカナダとアメリカの比較を行いそれをJSL教育にどのように移行していくかなども検討したい。
 またJSL教育については既存の具体的な政府の方針や各地域ごとの取り組みについて政府の白書などを参考にしながら調査を行っていきたいと考えている。またフィールド調査では、大阪府を一つの研究の拠点として、GIGAスクール構想などによるオンライン初期日本語指導の実情について調査を行いたい。そのために、大阪府教育委員会の小中学校科に連絡をとり、連携をとりたいと考えている。また、大阪府在日外国人教育研究協議会/多文化共生の日本語指導研究委員会に連絡をとり、在日外国人のこれまでの歴史についてであったり、過去から見える大阪府の成功例の理由についてより詳しくフィールド調査によって研究していきたいと考えている。さらに、これらのことが散在地域でも行うことが可能かを確かめるために、大阪府の散在地域での実情を確認しつつ、他県にも足を運び研究をより深めていきたいと思っている。他県の具体例として、山形県や福島県、秋田県を挙げていきたいと考えている。さらに、東京都が日本語を母語としない外国人の支援を強化することを決定したことから、東京都の区市町村にあるキッズサロンなどにフィールド調査にも行き実情を確認したいと考えている。
 最後に学会への参加についは、「日本語教育学会」「日本犯罪心理学会」「一般社団法人日本LD学会」「子供の日本語教育研究会」これらの学会へ参加していきたいと考えている。日本語教育に関する学会や研究会に参加することによって、新たな文献と思考を持ちたいと考える。また犯罪心理学や、LD学会に入ることによって、非行の少年・少女がどのように発生してしまうのかについて研究をし、日本語教育・母語教育の必要性について考えていきたい。


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