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ガソリンエンジンとディーゼルエンジンのメリット・デメリット

以前ガソリンエンジンとディーゼルエンジンの構造のちがいについて解説しましたが………
実際にガソリンとディーゼル
それぞれどんなメリット・デメリットがあるのかを解説していきたいとおもいます。

構造のちがいを解説した記事はこちら

メリット・デメリット比較

まず”ガソリンエンジン”のメリット・デメリットは

メリット
・構造が簡素でコストが低い
・音が静かで振動が少ない
・高回転化できるため高出力を得やすい
デメリット
・エンジンの大型化(排気量をおおきくする)には向かない


続いて”ディーゼルエンジン”のメリット・デメリットは

メリット
・燃料を燃やしたときに得られる力がおおきい(熱効率がいい)
・燃費がいい(とくに高速道路など加減速が少ないほど良い)
・燃料が安い
デメリット
・最大回転数は低い(圧縮比がたかく、抵抗がおおきいため)
・音や振動が大きい(圧縮比がたかいため)
・価格が高い(高圧燃料を供給する装置が必要なため)
・メンテナンス費用が高い
(エンジンオイルなど規格に合ったものを使用しなければならないため)

ガソリンエンジンのメリット・デメリット

ここからひとつひとつ細かく解説していきます。
まずはガソリンエンジンから!

メリット

・構造が簡素でコストが低い
ガソリンエンジンはディーゼルエンジンに比べて構造が簡素です。
なぜなら
ガソリンエンジンには、ディーゼルエンジンのような高い圧力で
燃料を噴射する装置が必要ではなく、
予混合気燃焼のため細かい制御などの必要もない。
そのためコストもディーゼルエンジンに比べて低い。

・音が静かで振動が少ない
ディーゼルエンジンにくらべて圧縮比が低いため、
エンジンの音や振動は非常に少なく、ストレスが少ない。

・高回転化できるため高出力を得やすい
ガソリンエンジンは比較的回転数を上げることが出来るため、
大きなパワーを発揮させやすい特徴があります。

デメリット

・エンジンの大型化(排気量をおおきくする)には向かない
ガソリンエンジンは予混合気燃焼(あらかじめ燃料を空気に混合したものに、火花を使って燃やす方法)のため、
1シリンダー(燃料が燃える部屋)のおおきさに限界があります。
そのためエンジンをおおきくする場合は、
1シリンダーあたりのおおきさに制限のないディーゼルエンジンのほうが適しています。
(主に大型の重機や船舶などの場合、自動車では大型のトラックやバスなど)

ディーゼルエンジンのメリット・デメリット

次はディーゼルエンジンいきます。

メリット

・燃料を燃やしたときに得られる力がおおきい(熱効率がいい)
エンジンには熱効率という、燃料を燃やしたときに得られるエネルギー
を100とした時に、実際に動力(回転するちから)に変換されたエネルギー
は何%かを表した熱効率という指標があります。
ガソリンエンジンは一般的に約30%前後
たいしてディーゼルエンジンは
自動車で約40%前後
船舶になると約50%前後と
ガソリンエンジンに比べて効率のよいエンジンと言えます。
効率が良いということは、燃費がよいということにもつながります。

・燃費がいい(とくに高速道路など加減速の少ない時ほど良い)

前述のとうり、熱効率がよいため
ガソリンエンジンにくらべて燃費がよい傾向にあります。
しかし街中などのストップ&ゴーが多いような
市街地の走行では、ガソリンエンジンとの差は
少なくなってしまう。

・燃料が安い

これは言わずもがなですが
ガソリンに比べて軽油は燃料が安いです。
1リッター当たり約22円の差があります(2021.02.07日現在東京都の平均価格参照)

安い理由については、日本においては税率がガソリンに比べて低いためです。
余談ですが
日本国内の軽油の使用量は、ガソリンに比べて少ないのですが
ガソリンも軽油も、もともとは原油から精製されるため
同じ量がつくられています。
つまり軽油が余っているんですね。
そのため税率を下げて、ガソリンとの差を少しでも減らそうとしているんですね。
これは国によってはまったく状況が違く
価格の差がない国もあれば
逆に軽油のほうが高い国もあります。

デメリット

・最大回転数は低い(圧縮比がたかく、抵抗がおおきいため)

圧縮比の高いディーゼルエンジンは抵抗が大きく
最大回転数が低いです。
つまりは常用回転数(効率よくエンジンが力を発揮できる回転数)
の幅が狭いということにもなり
常用回転数を外しやすく
外した場合は大きく効率が落ちてしまい
燃費の悪化などに繋がります。

・音や振動が大きい(圧縮比がたかいため)

高い圧縮比が特徴のディーゼルエンジンですが
その高い圧縮比の弊害として
作動音の大きさや、振動が大きく
運転していてストレスに感じてしまうことも
考えられます。

・価格が高い(高圧燃料を供給する装置が必要なため)

ディーゼルエンジンはガソリンエンジンに比べ
高圧で燃料を供給する装置が必要になるため
エンジン本体の価格が高くなってしまいます。
トヨタ・ハイエースを例に挙げると
ディーゼルエンジン車のほうが約60万円ほど
価格が高いのが分かると思います。

・メンテナンス費用が高い
(エンジンオイルなど規格に合ったものを使用しなければならないため)

ディーゼルエンジンはメンテナンスにかかるコストが
ガソリン車に比べて高い傾向があります。
その一番の要因となっているのが

”エンジンオイル”です

ディーゼル車の場合排気ガス中の煤などを取り除く
DPF(Diesel particulate filter)という浄化装置があるのですが
これが、エンジンオイルに含まれる亜鉛化合物やカルシウム化合物
リンや硫黄などの物質により
早期の目詰まりや浄化性能の低下などを招いてしまうため
こういった成分を大幅に低減した

”規格オイル”

を使用する必要があります(DL-1、DH-2)
そのため、オイル交換にかかる費用が
ガソリン車に比べて高くなってしまいます。
(車種などにもよるが、同車種で約2倍程度)

また最近採用されている
”尿素SCRシステム”においては
AdBlue(尿素水)を用いて排気ガスを浄化しており
定期的な補充が必要になります。


ちなみに、このAdBlueがなくなってしまうと
排気ガスを浄化できなくなるため
エンジンがかからなくなるように設定されています。
もしディーゼル車を検討している場合は参考にしてみてください。

最後までご覧いただきありがとうございました。

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