今日の日記:唇の糸をとる

6月の中間か終わりころ、口の中にプツッとしたできものができた。
下唇の左側の方で、見ると、口内炎のような感じで赤い突起物が出来ていた。

口内炎と違うところは痛くも痒くもないところ。
何かあるなぁ〜と思いつつもほとんど気にせず過ごしていた。

コイツがだんだん大きくなってきたのは7月の中頃だったと思う。
気づけば直径5㍉程度の大きさになって、ただの突起だったものが表面がポコポコとし、見た目的にも気持ち悪くなってきていた。
ただ相変わらず痛みなどがないのと、下唇をベロンと剥いて見せない限りは他人からは見えないので、まだそれほど気には留めていなかった。

それから少しづつ大きくなっていっていたのだが、
お盆あたりにはもう話していると口に何か出来てるなと分かるような状態になり、お盆明けくらいからは急成長で直径1㌢ほどになり、しかもそれまでは赤黒い色だったものが、白いモヤモヤしたもので赤黒い突起物が覆われ、口を閉じていても白いものが見えているというような状態になってしまった。

わたしの実家の犬が口を閉じていても常に片方の牙が出ている状態にあるのだが、ちょうどそんなような状態であった。口を閉じていても見えるのだから、わたしと話している人は、口にある異物が見えてしまって気になってしまうし、わたしとしても話すにしても食べるにしてもソイツが主張してきて気になってしょうがない状態であった。

こうなるともう医者にかかるしかない。
それまでは自然治癒しないか、治療するにしても薬で治るとかできるだけ痛くない方法でなんとかならないかと甘い考えでいたが、もう一刻も早くスパッと切除して欲しいという気持ちになっていた。

待ちに待った口腔外科の予約の日がやってきた。
お医者さんはひとしきりソイツやソイツ周辺をムニムニと触って、
「うん、切除しちゃいましょう」
ということで、看護師さんに後ろから下唇をベロンと剥かれて、ゴツいカメラで患部の写真を撮影し、麻酔、手術の同意書を記入し、処置が始まった。

麻酔の説明の時、「注射痛いから頑張ってください」と言われたので子どもの頃乳歯を抜くのに歯茎にした注射のようなじわんと長く続くような痛みを想像して緊張していたが、唇に2箇所打たれた注射は腕にする注射のような感じで最初チクンとした痛みがあったが、それ以外はほとんど痛くなかった。

こんな大きいのどうやって切るのかな、ハサミ?メス?と考えていたが、
道具を見ると怖くなるので見られなかった。
でも一瞬で切るという感じではなく体感的には完全に切除するまでに5分くらいかかった感じであった。

ちなみにわたしはこのような時、落ち着いた態度を取っているつもりではいるが、内心怖すぎて、「ああ、看護師さんお医者さんありがとう、もし違う時代や地域に生まれていたら麻酔なんてものはなくもっと痛くて怖い治療を受けなくてはいけなかったのだ…いや治療だって受けられなかったかもしれない。文明、医療技術の進歩ってすごい。お医者さんや看護師さんとして働いてくれている人もすごい…ありがとう…」というようなことを延々と考えるようにしている。

(体感的に5分くらい経ち…)
アイツが完全に切除されたらしく、お医者さんが患部を親指と人差し指でぐっと抑えた。
「針と糸で縫っていきますね〜」
針って、お裁縫で使うような針なのかな?だとしたら怖すぎると思っていたが、そんなわけはなく、やっぱり怖いのでそんなによく見られなかったが、小さい針をピンセットで持って縫っているようだった。
怖いので見ないようにしても、青い医療用糸が視界にどうしても見えてしまい、わぁ、わたし縫われている…ヒェェェという感じであった。

お医者さん、看護師さんに手際よく縫ってもらい、無事に処置は終了。
縫ってあるので唇が引き攣ったように感じると思うということ、
抜糸は1週間後、
抜糸した後も瘡蓋みたいなものができたりして、2〜3ヶ月かけて引き攣られているような感覚も無くなっていくとのこと
麻酔してる時は唇噛んでも気づかないから気をつけてね
等の説明を受ける。

「それから、これ」
と何か液体の入った小瓶に入れたれたアイツを見せてくれる。
念のため検査はした方がいいので生検に出すとのこと。

ということがあったのが1週間前で、今日は抜糸と検査結果の説明の日であった。
1週間のうちに縫った部分の腫れも引き、痛みもほとんどなくなっていた。

パチンパチンとあっけないくらいあっという間に糸は切られた。
少し膿んでいる部分があるということで、洗浄も行われる。
洗浄は少しだけ痛かった。

処置が終わって検査結果の説明に入る。
診断としては「化膿性肉芽腫」というもので、全身どこでもできるらしい。
今回はたまたま口の中にできた。
悪いものではないが、再発することもあるので、もしそうなったらまた手術で切除するということだった。

再発防止のために特に気をつけることはない(せいぜい清潔を保つよう心がけるくらい)ということだが、なんとか再発しないことを祈るばかりである。

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